第99話 暴風警報

 朝から風が強い、『暴風警報』だそうだ。

 チョビさん、ポケーっと窓の外を眺めている。

『桜雪…うるさいね~』

 チョビさんは、呑気なものである。

『ちょっと窓開けてみ?』

 窓の縁をカリカリと爪で引っ掻き「にゃー」と鳴く。

「ちょっとですよ」

 ンゴォーーーー!!

 強風が部屋に吹きこむ。

 目を閉じて窓から飛び降りるチョビさん。

『閉めて、桜雪』


 部屋に冬の冷たい空気がピンッと張り詰める。

「風邪ひいてるのに…迷惑な…」


『寝るよ、桜雪』

 ベッドにヒョイッと飛び乗って真ん中で丸くなるチョビさん。

 なんだか…いつもより暖かい。

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