第98話 どうした?

 会社を体調不良で早退した日、ベッドで目を閉じていた。

 僕は体調が悪いと、部屋を真っ暗にしてベッドで丸くなる。


 子供の頃は飼っていた犬が、傍で付いていたわけだが…

 現在は、猫が遊びに来る。

『桜雪どうした? 寝るの? 僕も寝ようかな?』

 チョビさんは昼寝の相手ができたと楽しそうである。

『桜雪…いるの?』

 クロさんは、珍しそうにベッドに乗って顔を覗き込んでくる。


 犬と違って気遣いがない、それが猫である。


 下痢と嘔吐で寝ているのに、腹の上で寝る。

 顔を近づけてスリスリしてきたりする。


 もう…寝ていて疲れる。

「金があればホテルで寝ていたい…」


『桜雪ーーー!! どうしたーー!!』

 トイレの前までうるさい…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る