第81話 なにしてくれるの…

 久しぶりの休日、平日会社員、週末フリーターと忙しく働いている僕にとって休日は月に1日か2日しかない。

 口座にはお金が無い…

 なんだろう安月給の割にコレクター癖があるのが困る。

 死にたいが日々加速するなかで見る夢はロクでもない。

 だが、時間を気にせず眠れる休日は貴重なのである。


 ドダダダダダ…

 寝ぼけた視界を横切る尻尾…

 チョビさんか?

「みゃぁぁっぁー」

(ん? チョビさん…下か?)

『桜雪…起きてる?』

 クロさんでした。


 朝から、追いかけっこしているクロさんとチョビさん…

 なぜに、僕の寝室で騒ぐのか?

 ノソッとダレカさんが入ってきて、ベッドの横でタシッと何かを叩いた。

「なに?」

 僕と目が合ってビクンッと強張り、ジリッ…と距離を取る。


 クロさん…ダレカさんが叩いた何かを見ている。

「クロさん?」

『桜雪…コレなに?』


 大きめの蜘蛛が生っぽい感じで潰れていた。


 ダレカさん…余計な事を…

 そして虫系統に、まったく興味の無いクロさんとチョビさん。


 なんだか…家でも疲れる。

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