第80話 夜中にどうした?

「なぁ~」

 ダレカさん真夜中にやってきて何事か訴えている。

 一向に懐かないが、ヒモで遊ぶときだけは楽しそうである。

 チョビさん、クロさんと比べると、まだ幼いのだ。

 チョビさんが、モゾッと毛布から顔を出す。

 チョビさんはダレカさんに興味が無い。


 遊ぶには小さいし、とくに何かするわけでもない。

 チョビさんはクロさんにチョッカイ出すことはあっても、ダレカさんに手を出すことはない…と思う。


 クロさんは誰にも興味が無い。

 …ようで、昔はチョビさんが入院したとき、夜中に必死で探していた。

 居ないと寂しいのかもしれない。


 ダレカさん…独りでベッドの脇でヒモと、じゃれて、ひとしきり遊んで、どっかにいった。

 ジトーッとチョビさんが眺めていたわけだが…

『桜雪…コレ面白い?』

 チョビさん、ヒモを少し構ってみたが、寒かったのか、すぐ布団に入ってきた。


 猫がいると…寝れやしない。

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