第79話 先約に慄く

『桜雪ーーー!! 僕、寝ようと思うよーー!!』

 チョビさんが鳴きながらリビングへ入ってくる。

 寒さもあって、1人では寝ないチョビさん。

 眠くなると催促してくる。

『いつまで起きてるの?』

 僕の腹の上に飛び乗って、パソコンの上にアゴを乗せて邪魔をする。

「チョビさん…20時です…さすがに寝れません」


『もう寝ようよー!!』

 ごねるチョビさんをベッドへ運んで、毛布をめくる。

 先にベッドに入れてしまおうとしたのだ。

 温かくなれば、今度は出てこないだろうと……

『桜雪…寒い…』

 すでにクロさんがベッドの中にいた。


 とりあえず毛布の下にクロさん、その上にチョビさんを置いてみた。

 ………5分持たずに、2人共出て行った。

 一緒に寝れば温かいだろうに…。

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