第75話 一晩いないだけで

 チョビさんが一晩、部屋に来なかった。

 それだけで…

 具合悪いかな?

 死んだのかな?

 色々、考えてしまう。

 翌朝も姿は見えず、会社から帰宅しても居なかった。

 普段なら、走って付いてくるのに…


 その日の夜は早めにベッドへ入った。

 なかなか眠れずに、独りで眠る。

 独りのベッドは広く、布団は軽く感じた。


 トスンッ…

 チョビさんが真夜中にベッドへやってきた。

 鳴きもせずに、僕の顔の横でチョンッと座っている。

「チョビさん…」

 撫でると温かく、ホッとした。


 チョビさんは黙ったまま、しばらく座っていたが、僕と寝ることなく下へ降りて行った。

「夢じゃないよな…」


 翌日、会社から帰ると、僕のベッドで丸くなって眠るチョビさんがいた。

「夢じゃなかった…よかった」


 チョビさん、前々日の夜に、盛大に僕の寝室で吐き散らかしたのだ。

 きっと臭いが残っていたので、翌日は入らなかったのだ。

 その翌日に来てみたものの、臭いが気になったので出て行って、本日ようやく戻ってきたと…

 困ります。

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