第74話 距離感

 ダレカさん…相変わらず距離は縮まらない。

「うっ…ダレカさん」

 朝、洗面台へ向かう途中で、ダレカさんと目が合った。

 ニジリッ…

 いつでも後方へ走れるように後方へ重心を置いて構えるダレカさん。

(なにもしませんよ…)

 目を逸らして、1歩進むとビクッと動いてジリッと下がる。

(逃げはしないんだな…)


 距離感はなかなか縮まらないものだ。

 だが…興味はあるようで、僕が歯を磨いていると、ジリジリ…ソロソロと僕の後ろへ回ってみたりもする。


 色々、探っているんだろうな~。

 チョビさんだけでもウルサイのに…クロさんとダレカさんが、一部屋に集まったら…部屋が滅茶苦茶になりそう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る