第73話 気遣い

 チョビさん、僕が家に帰ると、とりあえず僕の足の上でくつろぐ。

『桜雪、撫でて』

 僕の顔に頭を擦りつける。


 ずっと組んだ足の上でデローンと、おくつろぎ。

(足が痛い)

 足を組みかえると、

『桜雪、痛い?』

 とりあえず降りて、部屋から出ていく。


 そのまま部屋の入口の前で

 ミャーーーー

『桜雪、もう大丈夫?』

『桜雪、僕、待ってるよ』

『桜雪、大丈夫?』


 再び足に乗るまで鳴き続ける。

 しばらくすると、トタタタタと小走りに入ってきてピョンッと飛び乗る。


 ワガママな中に小さな気遣いがある。


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