第67話 シレッとね

 本を読んでいると、チョビさんが僕と目を合わせないまま前足を本の上に乗せたまま僕に背中を向ける。


 パソコンを弄っていると、僕の腕を前足でガシッと押さえる、当然、目は合わせない。


 TVを観ていると、僕の顔の前で座る。背中を向けたまま…。


 チョビさん邪魔をしたいときは、僕と目は合わせないようだ。

「チョビさん…」

『………』


 ガン無視。


 とりあえず撫でると、振り返ってグルグル…グルグル…。

 ベターッと僕に、くっ付いて眠るチョビさん。

 ワガママな同居人。

 それでも一緒がいいなと思う。


 願わくば…ずっと一緒に…。

 無理だとは解っていても、それでも…いつも…いつも…願ってしまう。

 ゴミみたいな僕の隣を選んでくれた。

 小さな同居人。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る