第23話 四神会議プラスワン

逢音は重い足取りで帰宅した。

逢音「ただいまあ-」

母「おかえり。どこいってたの?」

逢音「んーちょっと散歩」

母「逢音の分ももらってきたよ」

母が差し出したのはおみくじだった。

開けてみるのもおっくうだ。

母「見ないの?」

逢音「あとでー」

部屋に戻った逢音は四つの神を呼び出した。

「Hearing BiBi」

「Vision GaGa」

「Smell NeNe」

「Sense of touch TeTe」

ビビ「びっくりしたぜ」

ガガ「リリがいたな」

ネネ「誰だろ。もう一人の資格者って」

テテ「おみくじー」

逢音「おみくじなんか中身わかってるの!」

テテ「神社の神様の占いだろ?同じ神として興味あるな」

逢音「こういうのはお正月だから決まって大吉とか吉とか…」

開けたおみくじには「凶」の文字が。

逢音「………」

テテ「め、迷信 迷信」

ネネ「そうだよ!1/1000くらいの確率でぐーぜん….」

ビビ「あほ。慰めになってねーわ!」

ネネ「それよりもう一人の資格者ってだれだれ?」

逢音「それがわかれば苦労はしない」

テテ「すぐに会うっていうからご近所さんか学校の友達だぜ」

ビビ「能力のこと知ってるっていってたな」

テテ「まさか園子?」

逢音「それはないよ。記憶消したもの」

ネネ「ジョージは?」

逢音「ネネ。うっさい」

ビビ「なぜ店主はもうひとり候補を立てたのかだ。私は逢音がふさわしいと….」

逢音「違う。きっと私には欠けているものがあるからなんだよ」

ビビ・ネネ・テテ「??」

逢音「殺意」

ビビ・ネネ・テテ「!!」

逢音「自分が殺されることも含めてね。殺すことの覚悟。死ぬことの覚悟…」

ビビ「じゃあ…相手が持ってて逢音にない武器っていうのは…」

逢音「殺意なんだと思う」

ビビ・ネネ・テテ「……」

ネネ「ガガ?起きてるか?返事しろ」

ガガ「ああ、しっかり起きてるよ」

ビビ「どうしたガガ?」

ガガ「あのさ、私に心当たりがあるんだ…その相手」

逢音・ビビ・ネネ・テテ「えええええええー!」

逢音「誰なのよ」

ガガ「言っても信じてもらえないよ」

逢音「言いなさい!」

ガガ「私の前の主人…瞳美」

逢音「あり得ない!瞳美は死んだのよ!目の前で見たし、もう火葬もされている」

ガガ「でも、あの店の主人が唯一持ってなかったのが私だよ。それにそれに…」

逢音「なに?」

ガガ「瞳美はいざとなったら逢音を殺すつもりだった…」

逢音「!!」

ビビ「で、でも現実、瞳美は死んでるんだよ。どうしてまた会えるの?」

逢音「…現実と真実は違う…お店の主人はそう言った…」

ビビ・ガガ・ネネ・テテ「……」

逢音はカレンダーを見た。明日が瞳美の初七日であった。

(確かめる…私の知らない真実とやらを…)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る