第4話 仲間?

瞳美「当然、このことは二人だけの秘密。わたしもまだよく考えがまとまらないから、どうやって協力していくのかは、明日また話しましょう。部活前にまた生徒会室にきてね。」

逢音「あ、はい。あのう一つ聞いてもいいですか?」

瞳美「なに?」

逢音「瞳美さんは、すべての能力を手にしてなにがしたいの?」

瞳美「……復讐…かな」

逢音「おじい様を殺した人…ですか?」

瞳美「いや、ちょっと違う。実は祖父を殺した人が誰かがわかならいの。私は….私の望みはね…五感の神すべてを葬り去ることなの」

逢音「……!!」

瞳美「それにはね。五感の神の力すべてを手に入れることが必要なの…」

逢音「私、この力を自分のために使いたいと思っていたけど、それはダメ?」

瞳美「いや、あくまで視覚の神ビビの所有者はあなたなのだから、あなたの好きなようにすればいい。ただ、代償には気をつけて…あなたの能力、あなたの命に係わることだから…」

逢音「…そう…そうですよね」

瞳美「ごめん。一方的にこっちが主導権持っちゃってるみたいな言い方だね。これからは対等な仲間でいよう。それから二人でいるときには私のことは「瞳美」でいいよ。じゃあまた明日」

逢音は、そのまま帰路についた。いろんなことがあって頭の整理がつかない。

(帰ったらビビと相談しよう)

帰宅して自室に閉じこもった逢音。ベルを取り出した。

「Hearing BiBi」

ビビ「なんかすごいことになってるな」

逢音「全部聞いてたの?」

ビビ「そうだよ」

逢音「どうすればいい?」

ビビ「逢音に視覚の能力者…瞳美だっけ?と対等に渡り合えるとは思わないなあー」

逢音「仲間になってくれって…断ったら殺されちゃうのかな」

ビビ「相手は視覚の神ガガだぞ。しかも所有者と3年も失敗せずやってきている。敵にまわしたくない相手だ」

逢音「仲間になるしかないのか….」

ビビ「お前も相手を利用することを考えたほうがいい」

逢音「利用するったって…瞳美の望みに比べたら、私なんて…。あ、ねえねえ、五感の神の力を全て揃えたらどうなるの?」

ビビ「この世を支配することができる」

逢音「ええええ!どーゆーこと」

ビビ「できないことはないってことさ、全人類が思いのまま」

逢音「そろったことってあるの」

ビビ「ないよ」

逢音「じゃあなぜわかるの?」

ビビ「神だから…じゃ説明にならないな。逢音の知的レベルを考えて説明してあげよう」

ビビが言うには

五感の能力はもともと一体の全知全能の神から別れたもの。全部そろったらその神が復活するので、その所有者は全知全能のチカラを手にするだろう。

ということだった。

ビビ「このことは瞳美もガガから聞いているはずだ」

逢音「瞳美はそうなることを恐れているのか….」

ビビ「いや、わかんないぜ。逢音を利用する方便かもしれない。だって全治全能だぜ。だれだってそのチカラは欲しくなる。それに私が消されるのは御免こうむりたい」

逢音「瞳美はおじいさんから受け継いだと言った。そのおじいさんは能力者に殺された。私なんかとは違ったレベル野望を持つ当然の理由がある」

ビビ「逢音は大トロで満足だもんなあ」

逢音「う、うるさいわ。とにかくまだまだわからないことがいっぱいあるのは確か」

ビビ「経験値レベル2くらいだもんな」

逢音「うるさ…まあ、それは事実か…。とりあえず瞳美の申し出には応じてみる。能力の使い方を教えてくれる唯一の友達だもの。そして…その間に….」

ビビ「自分が本当にやりたいことを見つけるんだな」

逢音「そう、そうだよね。ありがとうビビ」

ビビ「また呼んでくれ!大トロ娘」

逢音「やかまし-」

(とりあえず、瞳美の仲間になろう。いやなったふりをしよう。あとは出たとこ勝負でいいや)

逢音はベルを持ってリビングにいる母親に話しかけた。

チリーン

「大トロ20巻食べさせなさーい」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る