トラブル発生
第17話 トラブルの予感
とりあえず今日の27時まで時間があるから一度ログアウトしてアパートで洗濯でもしようかな。
今月はトラブルのせいでかなりログイン時間が多いから、少しセーブしておかないと人事から働きすぎだから仕事は控えてくださいという連絡が、僕だけでなく僕の上司にも行くんだよね。
最近は残業時間の制限が厳しいから、そのような仕組みを導入する会社は多いよね。残業の見える化と対策の普遍性というのかなあ、でも機械的にメールを飛ばすのって、実は人事システムの手抜きなんじゃないか? と密かに思っているんだ。
実際には、その業務内容によっては今月は多めに残業しなきゃあいけない時もあるでしょ。そこらへんのサジ加減は一切無視して、ログイン時間だけをモニターして法定労働時間を超えたら自動的に本人と上司にメールを出すだけ、なんてナンセンスだよね。
だけど、上司としては自分の評価に影響するから僕を呼び出して色々と聞いて来るんだよね。単刀直入に残業時間が多いから少なくしてね、とか言ってくれればいいんだけど、あまり強気に言うと今度はパワハラだと言われちゃうし、このご時世の管理者は大変だよね。
パワハラって言うのは、パワーハラスメントなのでパワーを持っていない従業員が何かを言ってもパワハラにはならないんだけどね。あーあ、良かった管理者じゃなくて。普通の仕事以外に部下の残業管理までしなければならないなんて、僕には絶対出来ないなあ。万が一、管理職をやってくれと言われても絶対に引き受けないようにしよう!
ジローは、ログアウトしてアパートに戻ってきて洗い物を洗濯機に突っ込んでから夜食の買い出しと遅めの夕飯を食べに外に出た。
外に出たとたんに、クシャン! クシャン! クシャン! 大きなクシャミが3回も出た。
花粉症の症状はあるのだけれど、まだシーズンじゃないしなあ。誰かに噂されているのかな? あのサキさんだったら良いのだけどなあー。
実は、僕には3回クシャミすると必ず悪い事に巻き込まれるというジンクスがあるんだよね。
中学生の時は学校の階段から転げてしまい、三週間も学校に行けなかった。高校生の時は体育の授業中に横のプレイヤーと交差してしまい、二人とも全治一か月の大けがをしたんだ。
なんか、今回もいやな思いが強くなってきた。メンテナンスするだけだから、トラブルなんか起きないと思うけど、何かイヤーな気分になって来た。
とりあえず、そんな事は忘れて定食屋でディナー定食を食べに行ってくるか。
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