閑話 神 クロムの日常

只々真っ黒な空間に二つの影が__一人はこないだ不慮の事故で死んだ少年、もう一方は歌舞伎町のホストっぽい男___クロムはそこにいた








「じゃあ茂部ノ盛武男もぶのもぶおくん♪」


「は、はい!」


「君の来世に期待してるよ♪」


「あ、ありがとうございます!」






そして少年は光の泡になり消えていった




「はぁ〜なんだ今のモブっぽい奴、たいして期待出来なさそうだな〜♪」




どいつもこいつも使えなさそうな奴なのに、無駄にチートは欲しがるから面倒くさいな〜♪


結局使えそうなやつは今は8人くらいか…今まで何人送ったんだっけ?一万?十万?覚えてな〜い♪


所詮、ゴミクズの数だからね〜♪


でも〜中にはダイヤモンドも埋まってるんだよね〜♪特にネクロくん♪とっても面白いからいいよ〜♪


あと半分の人数は欲しいわ~♪


呑気な口調だがその言葉の中には少しだけ哀れみと怒りが入っていた






そんなことを考えていると、近くの時空間がミシミシいってるのを感じた。


急いで現場に駆けつけてみるが、時空間が大爆発を起こすとかではなさそうなのでつまら・・・ゴフンッ・・・安心した。


ただ、変わりに時空間に亀裂が入りそこから何かが出ようとしていた




「ん〜?なんだ~♪?」




そういった途端、亀裂に新しい罅が入っていき何者かが姿を見せる………現れたのは、褐色肌に白髪のロングで、瞳孔は赤く、眼球が黒い、人の形を取った何かがいた




「あ〜やっと出られた〜」


「おはよう♪"魔神くん"」


「な!?てめぇはクロム……?いつからそこにいやがった!?」


「ずっとここにいたが?」


「はぁ……!?嘘つくなよ!?」


「嘘なんてつかないよ♪」


「てめぇよくもそうぬけぬけと……ふざけるな!」


「ふざけてなんかないって〜♪」




ハッと何かを思い出した魔神はクロムに問いただす




「そういえば創造神様はどちらに?」


「ああ、そいつね。前に僕が滅ぼしちゃったんだよね♪」


「は?」






クロムの発言に固まる魔神






「ふ、ふざけるな!!貴様のような奴があの御方を滅ぼせるはずないだろう!!第一、あの御方が貴様と戦うメリットなどあるはずないだろう!!」


「普通ならね・・・・。ただ今回ばかりは訳が違う。あいつにとってのメリットは・・・・君だよ♪」


「ま、まさか・・・・」


「ああ、そのまさかさ♪あの時の君は強さにこだわりまくっていたからね♪挑発すればすぐさま乗ってくると思ったんだよ♪」


「・・・・」


「その結果、君は安い挑発に乗り、ぼくに負け、力を取られ、ぼくが作った時空間に閉じ込められたんじゃないか♪まぁ〜?君がそんな馬鹿なおかげで〜〜、ぼくはあいつとの交渉ができたけどね〜?」




クロムは満面の笑みを浮かべる反面、魔神はその顔をくしゃくしゃにしていた




「ただ、時空間を移動できるくらい回復してたことについては少し予想外だけど、今ならさほど問題じゃないし♪」


「・・・・いつからだ・・・・いつから考えていた・・・」


「それにして滑稽だったな〜。あいつの事・・・・君のことを伝えると予想以上に驚いたからね〜♪よく君はお父様、あいつは息子ってお互いのことを呼んでいたよね・・・・クックックク・・・ハーハッハッハッハ!!!!!まじで笑えるよ!!!本当の親子でもなければ、存在の一欠片さえ合ってない君たちが!!!!!」




魔神が質問するも、聞こえていないのかそれとも無視しているのか、クロムは答えない。ただ、魔神と前創造神のことを笑うだけである。






「くっ、答えないのなば無理矢理にでも話してもらう!!!____【神魂崩壊ソウル・コラプス】!!」




やがて魔神は堪忍袋の緒が切れたのか実力行使へと移行した。魔神の手から極大の魔力が詰まった玉が放たれる・・・・が・・・・




「効かないよ♪」




クロムは魔神の放った玉に向かって何・か・を無造作に投げた。ソ・レ・と玉がぶつかった瞬間、あたかもそこには最初から何もなかったかのように音もなく、二つとも消失していた。




「お、俺の、最強の魔法が・・・・」


「あんなのが最強?・・・・期待はずれだな。君がここまでのしかできないなんて・・・・」


「ま。まだだ!!」


「もういいよ、君とはもう遊んでいられない♪」




まだ戦おうとする魔神に向かい、クロムは無慈悲に、そして無造作にまた何かを投げた。それが魔神に当たる・・・・




「ガッハァ・・・・」




魔神は急に苦しみだし、膝から崩れ落ちる。




「出来ればもうちょっと強くなっていて欲しかったんだけど・・・・しょうがないか」






がっかりしながらもクロムは倒れた魔神の頭に手を置き、掴みながら後ろに引っ張る。そうすると魔神の体から青白い玉がスルッと出てきた




「ん〜・・・やっぱり魂も期待はずれだな・・・はぁ〜」




クロムはため息を付きながら魔神の魂を喰らう




「ん?味は中々だな♪・・・・・あ・・・これ、どうしよ?」




クロムはこの時迷っていた。なぜなら、魔神とあったときに立てた目的は魂だけの回収であって抜け殻は含まれていない。




「う~ん?・・・そうだ!!いいこと思いついた!!」




と、ここでクロムが何かを思いついた




「たっしっか〜♪ネクロくんが入ろうとしている森のなかに〜ア・レ・が封印されていたはず〜♪抜け殻と言っても神だからね〜期待できそう♪もう、こんなこと思いつくぼくって天才!!」








____クロムの行動がこの後大変な事件を引き起こすのをネクロはまだ知らない______












ーーーーーその頃のネクローーーーー




「Zzzzzzzzzzzzzzz」




当然、寝ていた










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る