第4話 母の素性が…
誕生日の翌日、昼下がりだが俺の瞼は通常運転で重かった。そして今俺は珍しく外に出ている。
目の前にあるのは…森だ
アームストロング領近郊にはとある大きな森がある。大体東京ドーム1000個ぶんくらいかな?
そして我が家は、10歳を迎えると護衛付きが条件でその森に入ることを許可される。だからまぁ5歳の俺が護衛も付けずに許可を求めても出される訳ないけど。
じゃあどうするって?
無論、無断で入るけど?
大丈夫!バレなきゃ問題じゃない!
第一、この森にピクニック気分で入るわけないじゃん。この森には”魔物”がうじゃうじゃいるんだぜ?それも一般の兵士なら瞬殺されかねないレベルのが。
…‥いや、まぁ俺の理不尽ステータスならピクニック気分でも行けるかもしれねえけどよ…‥…
そもそも魔物っていうのは自然界にある魔力からできる。
原理は魔力が互いに引かれ合い形を取ろうとし、石なんかを媒介にして生まれる。これらにはよく日本で見たドラ○エに出て来るスライムやゴブリン、オークなんかもいる。
そして更にやばいのがその魔物共を支配、使役できる能力を持つ魔族だ。
魔族の特徴は銀髪黒肌、赤の瞳孔に黒い眼球。人間の大の男の軽く5〜6倍の以上の力を持つ化物だ。
正直関わりたくない。
話を戻すが、なんで俺がこんな凶悪な魔物達がうじゃうじゃいる森に入ろうとしているかというと三つ目的があるからだ
一つ、理不尽ステータスによる二次災害の危険を考え、手加減を出来るようになること
二つ、この森に棲む魔獣«タイラント・シープ»の毛の入手
三つ、この森に簡易型の休憩所を設置すること
どれもこの俺のグータラ生活には欠かせないものだ。理由は追々説明するとしてまずは森の中に入らないとな…‥‥
そう思い足を動かす、森に入るか入らないかぐらいのところで急に、
ゴンッ!!、と鈍い音がする
「痛っ!?」
壁のようなものに阻まれ、盛大に頭をぶつけてしまった。何なんだ…‥解析っと
【守護結界Lv7】
・範囲指定した場所を守護する結界。レベルが高いほど指定できる範囲が広くなったり、結界の耐久力が上がる。尚、術者が許可したものだけ通り抜けられるようになっている。
・術者…アリア=アイ=アームストロング
まためんどう…‥‥はぁ!?術者おふくろ!?まじで!?戦闘能力皆無だと思っていたのに…‥‥‥‥
そういえば、おふくろを鑑定したことなかったな…‥‥
無理に壊すことはできなくはないと思うがあくまで秘密裏にやろうとしていることだからな…気づかれたりでもしたら不味い
よし、面倒だが一回帰って昼寝してから対策を考えよう
◇◆◇◆
「ふぁ〜よく寝た…‥」
屋敷に帰り、3,4時間昼寝してからようやく瞼が軽くなった。軽く体を伸ばしていると、
「あら、もう眠気は覚めたの?」
「あ、はい、お母様」
「それにしても、ネクロは寝るのが大好きね〜」
「あははは、そうですね」
いつからだっけ…‥‥寝ることが好きになっていたのは…‥‥
そういえば、鑑定してみっか
«アリア=アイ=アームストロング»
Lv 57
«種族» 人間
«性別» 女
«年齢» 30
«体力» 5,027/5,027
«魔力» 10,540/10,540
«物理攻撃» 80
«魔法攻撃» 1,040
«物理防御» 120
«魔法防御» 470
«速さ» 300
«スキル»
・属性魔法Lv9(水・風・土・光) ・精霊魔法Lv9(光) ・固有魔法Lv6(神技)
・体術Lv5 ・七元徳Lv4 (愛)
«称号»
・聖女 ・大魔法使い ・大地母神の愛娘
«加護»
・大地母神の加護
…‥‥‥‥?
ん?なんだこれ?え?魔法関係だけだったら確実に親父よりも強いじゃん…しかも聖女って…‥‥
母は強し…‥‥‥いや、強すぎだよ!現地人なら最強クラスだろ!!
それに、加護!?大地母神!?何それおいしーの?
詳細見てみっか
・固有魔法Lv6 (神技)
神の力のごく一部を行使できるスキル。レベルが高いほど使用できる魔法の種類が増える
・七元徳Lv4 (愛)
祝福スキル七元徳の一つ、(愛)を使用できるスキル。レベルが高いほど効果が上昇する
・聖女
光系統の魔法の威力、耐性、魔力制御にプラス補正(大)
・大魔法使い
全魔法の威力、耐性、魔力制御にプラス補正(大)
・大地母神の愛娘
大地母神の加護の効果を2倍にするスキル
・大地母神の加護
大地母神の加護を得られる。主に、水・風・土系統の魔法の威力、耐性、魔力制御にプラス補正(大)
つ、強えええええ!!!!!!何だコレ!?まじでやべえよ!!
「あら?どうしたの?」
「お、お母様って…‥‥せ、聖女なんですか…?」
「あら!よく知ってるわね〜誰かから聞いたの?」
「ああ…ええっと…その…メイドから…‥‥」
「へえ~そう〜。そうだ!勇者にも会ってみる?」
「へ?」
「あの子にも久しぶりに会いたくなっちゃたわね〜。そうだ!ネクロ!勇者に剣の稽古をつけてもらいましょうか!」
え?なんで勝手に話が進んでんの?剣の稽古?嫌だよそんなの!そんなことになったら、俺のグータラ生活が…‥‥‥‥
「誰か〜?羊皮紙とペン持って来て〜」
あ、ダメだこれ。話聞いてもらえないパターンじゃん…‥‥‥
しょうがない…‥‥もう勝手に探そ…‥‥はぁ〜
俺は静かにその場を立ち去った
◇◆◇◆
確か許可を貰えば、入れるようになるんだっけ……一々おふくろに許可を取るのは効率が悪いしな…‥‥‥
俺だったら、許可の魔術式を組み込んだ小物をそれなりの量、作っておいて緊急時にはそれを配るな…‥‥
なら…‥
なんとなく使い方がわかる物を使う
「空間魔法__【空間把握】」
対象は、家全体に…‥‥っ!!痛あああああ!!!!!
突然の頭痛に襲われ、その場でうずくまってしまった
どうやら範囲選択を誤って惑星全体を把握しようとして情報量の多さに頭がパンクしたようだな…‥
いくら《魔力操作Lv10》があるからって調子に乗らないほうがいいな…‥あくまで補助効果しかないし…
「もう一度、空間魔法__”空間把握”」
よし、今度は成功か…‥次はこれで魔術式が組み込まれている魔道具を把握してみるか
うぉ…以外にこの屋敷の中で300個はあるな。…‥まぁ大半が《禁庫》なんだけど…‥
ん?親父の部屋の机の上から三番目の引き出しの中から同じ魔術式の反応がいくつかあるな…‥
親父は今屋敷にいないし、帰ってきたら空間魔法__【気配察知】を発動してばいいしね……‥…‥…まぁめちゃくちゃ疲れるけど
移動し引き出しを開けるとそこには同じ形をした腕輪が10個くらいあった
”解析”
・腕輪(魔道具)
これには作成者の魔力波紋が記憶されている
装備効果なし
作成者…アリア=アイ=アームストロング
んー?特殊効果なし?でもこれっぽいんだよなー。1個持ってちゃお
はっ!?もし、仮にもし、これが目的の物ではない時、親父は……嫁の魔力波紋を絶えず身につける…心性の変た…‥‥うん、やめよう。この考えは。
そうだ、《禁庫》で何か使えるものを探していこう。さっきの考えを頭の隅に置いておき《禁庫》に向かう
ん〜何かいいのないかな〜例えばこう、装備したら全能力が100分の1になるような魔道具とか。
そんな考えをしながら一つ気になるものを見つけた
「ん〜?2年前に来た時は確かなかったはず…」
今、俺の目の前にあるのは何の変哲もない石だ。ただ色は真っ黒だが。
解析
・、]:.:312lpkmm(hehbdhy道具)
xdfcvgbvghnfvnfbhrbrjkjuhrbgjbgibgbgo4bgbv4oubvvibvoioi4rjuobvrubvuojbvobqoubvobvjobvuobvlr;mbk:nwrnbj:wjbjbjb:b:jvbbvkbvobknqvnkjbvkbknvoibinbipboibqiobvvib
bhdbabjbqv;bq/b+
mkcjnewjvn;jwrbv;ubq+bcdchjvbhq
jhqrwhfbwehbvqwhb+hruhvwu;bv
ekjbrhhfupbjchuwbafj;bwbvbvb:;bv+erih
bvbadjb;ab/ab/abs cb;khbcjbcc:jnvwbdvbajbv:ljbndhjffkdnjhjorurhyeur9o3ufrhjfidodjncjckc;cmcncncnck,cncnmcncncmck,cncnbcnbcmcmcncnbjmdncbhfnhdfdjdjekjdkmdjekeowoieiwlclnn
はい!まず深呼吸!吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー
ふぅ…落ち着いた
なんじゃこりゃ!!鑑定Lv10なんですけど!?ちゃんと見える文字が、道具ってなんだよ!!んなもん見たらわかるわ!!
だが…‥俺はしばらく石を見つめ、気付いたら手の中にあった
…‥何故あの時、俺は石を手に取ったのか未だに分からない。そしてそれがいい結果に繋がるかどうかなども…‥‥‥
そうして禁庫から出ようとした時、不意に背後から何か動く気配がした。
まさかḠか!?前世では死闘を繰り広げたな〜
バッと振り返るとそこには一枚の紙が落ちていた。
なんだこれ。見ると表には紙ギリギリまで書かれた一つの魔法陣が描かれている
ん?”解析”
・jnjsBjbvs/kb(j;vsk/jb道具)
jdbs>bvSKVBjVBj/bbjbga:g;ksgh]iphit49y8gih8ygnc58y4q8ntyt8vyv48yt4y7y8yt v:qy8tmqctcmynv[ctmcmc[8mm8c8qcy][q30]q0cq8yyc[iuuq4@oi ioq3h:@yu4oq
いや、お前もかよ!…まあいい。こいつも持ってってやるか
紙を拾い、禁庫を出て窓を見ると日が暮れていたので森探索は明日にして、今日は晩御飯を食べてそのままベッドにダイブした
◇◆◇◆
〜翌日〜
ああ…‥また昼前かよ…‥
どうやら一度寝入った俺を起こすのは至難の業らしく、おふくろからメイドに起こさなくていいと、伝えてあるらしい
…‥だが母よ…その行いが俺をダメ人間に成長させてしまっているのには気付いてるよな?な?
厨房にあったパンをくす…もとい、ちょっと拝借し噛りながら森を目指す
森につく頃にはパンは微塵も残ってなかった。フランスパン並みにでかかったんだけど…‥
まあいいか。それじゃあ…‥さぁいくぞ!!無限の○方へ!!
あ、いっけね。これおもちゃの宇宙飛行士だった
まぁ…とりあえず、森に入れるか試してみっか
腕輪を付け、森に入る____すると案外何事もなく結界の中にも入れた。
それに結界だが、昨日はコンクリのように硬い壁だったのに今はまるでそこには最初から何もなっかたとでも言うように感触がない。
一応試してみると、腕輪が必要なのは結界の外側から入る時だけで、内側からは腕輪がなくても出れた。
さてと、無事入れたことだし行動しますか…‥眠くなってきたけど……
歩き続けて一時間くらいで少し開けた場所に出た。周りにここより広そうなところもないしここでいいか。ここから移動するのもだるいしな…
まず始めに魔法等の威力調整するか。王立魔法学院に入学した際、暴発や、威力が桁外れなものだったりしたら絶対厄介事に巻き込まれるのは分かっているからな。
一昨日のお披露目会での風属性魔法や、昨日は空間魔法を使ったが実際の所、魔法の仕組みは分かっている。
理由はおふくろが誰も頼んでないのにセリア姉達と一緒に俺に魔法とは何かを教えたからだ。
____________________
『まず〜最初に〜魔法とは魔力を代償に世界の理に干渉して超常現象を引き出すもののことを指すの〜。
それで〜魔法の中には属性と呼ばれる火、水、風、土、光、闇の六つの括りがあるのよ〜』
俺は一応全属性持っているが中には一つも持っていない奴もいる。基本的に一つの属性を持っているのは三人に一人、二つの属性を持っているのは三百人に一人、三つの属性を持っているのは三万人に一人と、いうように一属性持つごとに倍率が百上がっていく。・・・・ちなみに俺は、三百億人に一人・・・・・よし、もう現実はあまり見ないでおこう
『次に〜属性魔法、精霊魔法、固有魔法と呼ばれるものがあるわ〜。
先ず〜属性魔法は自身が持っている属性の超常現象を引き起こすことができるのよ〜。
それで〜精霊魔法だけど〜、これといって属性魔法魔法と大差はないわ〜。ただ、魔力を代償にする際、自身の魔力に加えて、精霊と呼ばれる自然エネルギーの結晶体が魔力を上乗せしてくれるのよ〜。その御蔭で通常の属性魔法より4〜5倍の威力になるわ〜。ただし〜、精霊魔法が扱えるのは精霊に〜・・・・つまりは自然に愛されているエルフなどといった種族に限るの〜。だけど〜、その代償として彼らは属性魔法は使えないわ〜。』
・・・・じゃあ人間で属性、精霊コンプしている俺は一体何なんだ!!!!などとツッコミを入れてしまうのも段々お約束になってきている。だが、固有魔法の説明を聞いた瞬間まじでざっくりしていた
『あと〜固有魔法は〜・・・個人個人で起こる現象、発動条件が違うのしかわからないわ〜。というか〜説明するのも面倒くさいのよね〜』
なんでだよ!!!!!そこはもうちょっと頑張ろうぜ!?なんで諦めてんの!?面倒くさい!?面倒くさいんですか!?
…まあ、今となってはかくいう俺も固有魔法だけはなんとなく使い方がわかるくらいだからな
________________
魔法の発動についてだが、先ず始めに重要なのは自分自身の魔力を感知することだ。これができなきゃ話にならない。
まあそれも習得済みなんだけど。スキル《魔力操作Lv10》というスキルを持っているのがその証拠だ。前、感知できるかなーと試してみた所、いつの間にかスキル《魔力感知Lv1》を覚えていた。そこからスキル《寝る子は育つLv10》のチート能力でスキルが進化した。それと同様にスキル《手加減Lv10》というものも持っているがはっきり言って全然ダメだ。
まず、スキルってのは言ってみれば補助でありメインではない。スキル保持者の技量がなければ宝の持ち腐れとなる。まあなんだ、わかりやすく言えば車を一回も運転したことのない人がいきなりF1に出て優勝してこいと言われているのと一緒だ。
・・・・だから今の俺は全力か、異世界の五歳児と同じくらいにしか魔法、身体能力が調整できない。
まあ、力が出なくてもそこまで不便ではないんだがこれからの生活を考えるとあったほうがいいだろう
まあいいや・・・・これから練習すれば良いし。だけど・・・まだ全力出したことないからな〜・・・・やってみるか。人の気配はないし、空間魔法で空間自体を固定すれば周りに被害を出さずに済むと思うし。
よーしそうなったら先ず空間を固定するか。
先ず、体にある魔力を《魔力操作》で循環させる。次に魔法の結果をイメージしながら魔力を集める。今回はガチャガチャのカプセルみたいなやつでいいか。大きさは直径10mくらいで。
「【指定範囲__固定】」
バシィ!!という音と共に半透明な球体が出来た。
さてと、なんの魔法使おうかな〜。やっぱ異世界来たら火属性使うべきか?
とりあえず球体に穴を開け、左手だけ中に入れる。
そういや、詠唱なんだったけ……
適当にあれでいいか。おっと《手加減》とかオフにしなきゃ
「ハァ〜…_____【ファイア】」
瞬間、俺の手のひらから直径8mくらいの火が出た。
え〜と?火だよな?火って言ったよな?誰が炎?いや、業火出せっつった?ステータス見ても魔力10しか減ってないし。本来だったら直径20cmくらいじゃないの?もうい〜や〜だ〜誰か俺とステータス交換して〜!!
…‥‥‥まだあと五属性残っているんだけど…試してみるか…‥‥‥
結果は最悪だった。今の俺の目の前には目を背けたくなるような悲惨な光景が広がっている。
先ず水属性魔法だが、一瞬で球体の中が水でいっぱいになった。…飲水には困らないな…飲んでいいのかわかんないけど…
次に風属性魔法だが…中に台風とか竜巻を発生させてしまった。…暑い日にはクーラー代わりだな…
土属性魔法は岩が出てきたのだがそこで、球体が耐えられなかったのか割れてしまった。
そこでさらに、《魔力操作》にいち早くなれるため四属性を同時展開していたのだが球体が割れたため中身が全部が外へと……
よし!!もう帰って寝よう!!続きは明日!!はい!!終了!!
そうして俺は自分のステータスに改めて呆れながら帰って寝た
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます