第3話 隠蔽成功、そして出会いのお茶会
〜あれから三年が過ぎた〜
二年が過ぎ俺の容姿は銀髪黒眼のそれなりの顔立ちになっていた。
今日俺は、五歳の誕生日が訪れると共に洗礼の儀とお披露目会をしなければいけない。
洗礼の儀とは、その者のステータスを表示出来るようになる他、正式に貴族の一員となるための儀式だそうだ。
お披露目会は、他の貴族に自分のことを知ってもらうだけではなく、権力抗争に入っていきますよーという意味もあるらしい。
そして俺はというと・・・
「鑑定」
【ネクロ=アイ=アームストロング】
Lv 1
«種族» 人間
«性別» 男
«年齢» 5
«体力» 191,058/191,058 (+171,000)
«魔力» 204,850/204,850 (+204,800)
«物理攻撃» 54,220 (+54,200)
«魔法攻撃» 62,850 (+62,800)
«物理防御» 7040 (+7000)
«魔法防御» 7640 (+7600)
«速さ» 8070 (+8000)
«スキル»
・全属性魔法Lv10(火・水・風・土・光・闇)
・固有魔法Lv10(空間)
・精霊魔法Lv10 (火・水・風・土・光・闇)
・召喚魔法Lv10
・寝る子は育つLv10
・状態異常無効
・解析・鑑定Lv10
・七つの大眠Lv10
・威圧Lv10
・隠蔽Lv10
・魔力操作Lv10
・手加減Lv10
«称号»
・睡眠の支配者 ・神を屈服させた子 ・異世界人 ・転生人
完全に人かどうか怪しくなってきたな・・・
俺が自身のステータスを確認し、呆れているとコンコンとドアをノックする音が部屋に響いた
「ネクロ様、洗礼の儀の準備が整いました。」
「あぁ、分かったよ」
隠蔽スキルがうまく働いてくれればいいんだが・・・
儀式用に改装された部屋に案内されている途中、このことばかり考えていた。
「では洗礼の儀はこの中で行います。中には司祭様が来ているのであまりご無礼のないように。」
スゲェな!!司祭!!たかが辺境貴族のためにここまで来たのかよ
そんなことを考えていたらメイドからジト目で見られた
いけない、いけない、ずっと扉とにらめっこも不味いだろう。さっさと中に入ろう
扉を二回ノックし、扉を開ける
「失礼します。ネクロ=アイ=アームストロングです。洗礼の儀を受けに来ました。」
「うむ。こちらへ」
そう言ってこちらを向いた司祭は一言で言うと・・・厳格な爺さんだった。あ、いや、別に爺さんだから悪いってい訳でもないんだが・・・なんというかありきたりだなーっと…
「儂は教会本部から来た、メンデル=ゴットハルトじゃ。それでは今から洗礼の儀を始めるぞ。」
エンドウ豆?…の割には名字かっけぇな‼
この人は裏でエンドウ司祭と呼ぼう。
エンドウ司祭がアメジストのような紫の宝石を持ってきた。何だあれ?とりあえず解析っと。
《鑑定石Lv10》
ぶっ!!やっべぇ‼俺の隠蔽スキルのレベルが10なのに、鑑定石のレベルも同じってやべぇ。スキル説明欄には同じレベルでも隠蔽できるって書いてあったけど、万が一があるからな・・・もうこうなったらこの世界の神に祈るしかないな・・・
「我が神クロムよ、我が力を代償に彼の者の能力を教え給え。」
メッキだったよ!!本当にやべぇ。あのバカのことだ、面白半分に俺のステータスをバラすに決まっている。チっめんどくさくなりそうだな・・・
「ステータスオープンじゃ!!」
【ネクロ=アイ=アームストロング】(隠蔽中)
Lv
«種族» 人間
«性別» 男
«年齢» 5
«体力» 58
«魔力» 50
«物理攻撃» 20
«魔法攻撃» 50
«物理防御» 50
«魔法防御» 40
«速さ» 70
«スキル»
・属性魔法Lv1(火・土・風)・状態異常耐性
「ふむ・・・これは・・・」
・・・・・・よっしゃぁぁぁ!!!!!
隠蔽成功ぉぉぉぉぉ!!
これで今まで通りグータラできる!!・・・・・・あれ?この発言ダメ人間ぽくね?
「お主・・・選ばれた人間なのかの?」
え?どゆこと!?
「な、なんのことですか?」
「いや、唯な?お主の年で三属性持っている者はこの歳になるまで見たことがないんじゃよ」
「っ!」
やべぇ!!この世界は魔法の適正がある者の方が半分以下でその上、四属性以上持っていると英雄扱いされてしまうんだった。・・・墓穴を盛大に掘ってしまった。これじゃあ俺のグータラ生活が・・・
そう考えていると、鑑定石が急にまばゆい光を放ち、その光は視界を埋め尽くした
「な、何じゃこれは!?」
「まぶ…し…」
「こ、ここは?」
目を開くと真っ白な空間が広がっていた。まるで次元の狭間みたいだな
「お?気づいた?久しぶり♪」
「っ!お前は」
不意に後ろから声がかけられ振り向いたら奴・がいた
クソメッキホスト神!!!!
俺はその場で振り返ると同時に奴の顔面に向かって拳を放ったが…‥なんなくそれを少しの体重移動で避けてしまう神
「当たれよ!」
「わお!!理不尽♪」
「で?なんでここに連れてきた?一緒にいた司祭はどうした?」
「ん〜?ここに連れてきたのは君の魂だけだよ♪あ、あと、司祭と言う〜か?下界はすべて時の流れ止めてあるから〜♪」
おお…‥‥何気にやばいこと言ってるよこいつ…‥
「とりあえず落ち着いて話そうか♪」
そう言ってメッキホストはどこからともなくテーブルと椅子を二脚取り出した
「お茶菓子もあるよ〜♪」
「はぁ…‥しょうがない」
あっちの世界では砂糖は高級品だったからな…俺は嫌々席に座った
べ、別に久しぶりに沢山砂糖を使ったお菓子を食いたいからじゃないからな?本当だぞ?
「さてと何から話そうか♪」
「おう、話す前に一発殴らせろ」
そう言って俺は超高速で身を乗り出しクソメッキに向かって拳を放ったが…それは空をきっただけだった
「なんで避けんだよ」
「え!?さっきもだけど理不尽ですっごい横暴だね♪」
「いや、当たり前だろ!何だよあのステタース、スキル、称号!意味わかんねえよ!!俺はただ、ゆっくりまったり寝れれば良かったんだよ!はっきり言って面倒事はごめんなんだよ!」
「あはは~やばっり♪?」
「頼むから、一般値に戻してくれ!」
「う~ん…それは無理かな♪…‥」
「なぜだ!?」
「この世界のステータスってのは魂と深い繋がりを持つんだ♪…‥簡単に言うと、ステータスを無理やり引き剥がして新しいステータスを付けると…良くて、死、悪ければ魂の消滅なんだよ」
「んな!?」
このクソ馬鹿メッキ野郎…‥急に真剣な顔になったと思ったらとんでもない事言いやがった……魂の消滅!?
そんなことになったら寝れなくなるじゃねえか!!
「というか何でこんなステータスにしたんだよ!!」
「それはね〜等価交換みたいなものだよ〜♪」
「等価交換?」
「そ。君の願いはずっと寝れる環境でしょ?」
「お、おう」
「だからぼくは君の願いを叶える代わりに、君にぼくの願いを叶えて貰おうと、思ってね♪」
「お前の願いって何だよ」
「ん〜まだ言えないかな〜♪」
「いや、言えよ!!」
この後少しだけクソメッキと雑談をしていると俺の体が徐々に発光し始めた
「ん!?どうなってんの!?」
「あ~…もうお別れの時間だね〜♪」
「まじか…じゃあ今度お前の願いを聞かせろよ」
「ん〜話せたらね♪」
「じゃあな…‥…クソメッキ」
「だからそれぼくの名前じゃないんだけど!?」
「失礼…‥…噛みました」
「いや、絶対わざとだよね!?」
「噛みまみた♪」
「噛んでない!?♪」
ネクロが消えた後__
「ふぅ……早くなってね♪…‥ぼくたちと同じ存在に…‥‥‥」
一人…‥‥創造神クロムは密かに笑うのであった…‥‥‥
◇◆◇◆
「う…‥ん?」
目が覚めるとそこは見慣れた自室の天井だった
「あ!!ネクロ起きた〜とお!」
「ぐぇ」
リリス姉よ……いくら弟が目が覚めて嬉しいからってそのままダイブすることはないだろ…‥
「ちょっリリス!そんなことしたらネクロが……」
ケイル兄よ……心配してくれるのはうれしいのだが、できれば助けてくれ…‥
「あ、、お父様、お母様僕は一体どうしたんでしょうか?」
「お前は、洗礼の儀が終わった直後、倒れたそうだ」
「そうですか…‥」
「ネクロ、それでステータスはどうだったの?」
「こんな感じです。ステータス」
俺は隠蔽したステータスを家族に見せた
「すごい…けど、私の方が強いもん!!」
「ほぅ…‥これは…‥」
「…‥‥」
「あらあら、適正属性3個ってすごいわね〜」
「そういえば、そのことで司祭様と話したんだがネクロが10歳になったときに王立魔法学院に入学することを義務付けされたぞ」
うん!まず、リリス姉は弱い強いの問題じゃないからね!?次にケイル兄とセリア姉、何か考えこむのやめてもらっていいですか!?なにか良からぬこと考えている顔ですよ!!おふくろは褒めてくれてありがとう!!親父は…‥一番の問題発言をしたね!?学院!?そんな所に行ったら俺のグータラ生活が…‥‥
「そんなことより、あと4時間でお披露目会が始まるからな。用意しておくんだぞ」
あ、すっかり忘れていた。まだ面倒くさい事が残ってたか…‥
しょうがない…‥‥寝ずに頑張るか
◇◆◇◆
〜お披露目会〜
「皆様ご足労いたみいります。当家の次男ネクロは本日を持ちまして5歳となりました」
…‥‥やっぱりお偉いさん多いのかな〜面倒くさいけど頑張るか
「ほら、ネクロ」
「う、うん」
若干緊張するな…
「紹介に預かりました、ネクロ=アイ=アームストロングです。本日は私の誕生日にご足労いたただきまして誠にありがとございました。つきましては心ゆくまでお楽しみいただければ嬉しく思います。」
礼をしてその場から立ち去る…‥‥‥と、同時に鳴り止むか?と思う程の拍手が鳴り響いた
どうやらうまくいったようだな
「ネクロいい挨拶だったぞ」
「うん!ありがとうございます、お父様!」
その後俺はお偉いさんの対応なんかにより予定していたお披露目会の時間の半分以上を過ごしていた…
「ネクロ、もう行っていいよ」
「わかった!」
あー疲れた
「ん?」
とりあえず休憩できるところがないか探していると、ふと広間の隅にいる紅髪の少女に目が止まった
なんだ?ボッチか?周りに同い年の奴もいなさそうだし…‥‥話しかけてみるか…
「ねえ」
「何?」
彼女はにらみながら俺に返事した。怖。
「君名前は?」
「は?なんであたしがあんたに名前教えないといけない訳?」
う~ん明らかに悪役令嬢タイプだなー…そっちがその気ならこっちだって
(鑑定!!)と頭の中で強く思う
【ミシャエラ=シン=スタットポルト】
Lv 3
«種族» 人間
«性別» 女
«年齢» 5
«体力» 82/82
«魔力» 124/124
«物理攻撃» 40
«魔法攻撃» 62
«物理防御» 34
«魔法防御» 27
«スキル»
・剣術Lv2
・体術Lv1
・鑑定Lv1
・属性魔法(風・土)Lv1
おお…‥あんな偉そうな態度取るからそれなりのステータスかと思って鑑定したら、中々どうして高いじゃないか…‥しかも同い年だし
隠蔽中の俺のステータスは5歳の子供の一般値より一回り多くしている。それより高いってコイツ…‥スゲえな。
それにスタットポルトって隣の領主の家名じゃん…‥
まためんどくさくなるのか?
「失礼。ミシャエラ=シン=スタットポルトさん」
「っ!?なんであたしの名前を!?」
「さあ?なんででしょうね」
「ち、鑑定__ってなんで!?妨害された!?」
「ミシャエラさん。世の中には上がいるのですよ。」
それを聞いた瞬間ミシャエラの顔が真っ赤になった
ぷっ、おもろ。怒ってる、怒ってる
「そうだ!せっかくですし、一緒に館を見て回りませんか?」
紳士風に言ってみた。ミシャエラをもう少しからかいたいたいからな。そんなことを考えていると、彼女は考え始めた。う~ん流石に露骨すぎたか?20分くらい悩むと、彼女はぱっと顔をあげ、答えを出した
「いいわ、早く案内しなさい!!」
「ええ、わかりました」
そうして館を一通り見て回り、お披露目会が終わる10分前に事件が起きた。
「もうそろそろお披露目会も終わるし会場に戻りましょうか」
「え、ええ」
俺とミシャエラが2階から階段を使って会場である一階に降りようとした時、
「あ…」
先に降りていたミシャエラが階段から落ちる。しかも、この階段は螺旋状の作りになっているから手すりから落ちたらそのまま地面までの直行コースだ。更に下にはガラス製のグラスや、お皿が並んだテーブルがあるため、落ちたらまじでやばい。
「ちっ、本当にめんどくせえな。」
俺はそう小声で愚痴を言うと、身を乗り出して2階からジャンプし、素早くミシャエラをお姫様抱っこの形でキャッチし、風魔法で空気のクッションを作りそこに着地…‥‥ふぅー疲れるな・・・
「「「「「「うおおおおおおお」」」」」」
ホール内に響き渡る喝采と拍手の音
っ!?あ!!、そう言えばここお披露目会のど真ん中の広間だった…‥‥‥失敗した…‥‥目立っちゃった…‥‥‥‥
この後、事情なんかを聞かれ、まじでめんどくさかっった…‥‥
そういえば帰り際、ミシャエラが、
「私のことは、ミーシャでいいわよ」
と、なんかモジモジしながら言ってきた。まあ短いのは楽でいいからな
「わかった、ミーシャ」
そう言うとミーシャはビクッと体を震わせ、そのまま馬車に逃げ去ってしまった…‥‥‥
ん?なんか俺変なことでもしたかな?まあいいや、もうあとは寝るだけだし、考えるのは明日でいっか
ようやく面倒くさい日が終わったと思って俺は布団の中でぐっすり寝れた
…‥‥‥…今日ミシャエラと出会ってしまったのは幸か不幸か…‥‥将来、俺とミシャエラがどんな関係になるかも知れずに…‥‥‥‥‥‥
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