第3話

先輩によると、基本的に素人はパーティという狩人のグループみたいなものに入るらしい。だから、メンバー募集中のパーティを探さなければならない。

友達同士でパーティを作ることもあるらしいが、私には夢のまた夢。

学科にたった5人しか同い年がいなくて、かつ皆暗いし。友達なんて出来なかったよ。唯一話せたのが先輩だしね。


メンバーを募集する貼り紙を探し出す。

受付の隣にあった。近づいてよく見てみる。

うん、マジでどうしよう。

メンバー募集中パーティ

角馬ユニコーン

性別 男性

タイプ なんでも

ランク 1~


夜の騎士ナイト・オブ・ナイツ

性別 女性

タイプ 医術師など

ランク 1~


今のところこのふたつしかメンバー募集中のパーティはなかった。

どちらの条件も私には当てはまらないし。

ランクとはビーを倒し続けると上がる何か、更新すれば勝手にギルド証が表示してくれる。意味はさっぱりわかんない。

ちなみに私は、登録したばかりだからもちろんランク1、ど素人って言うこと。

ランクは1~60まである。6を超えたら、一人前かなってレベル。

学園に通っていた時、アルバイトとか手伝いとかして貯めた資金は半分を切っている。

これはかなりやばい状況だ。


ギルドへの登録は一週間余裕で暮らせるほどの金額が必要で、ギルドの登録と昨日の宿泊費で半分だ。


アルバイトとお手伝いと言っても、簡単な作業でそんなにお給金は貰っていなかった。

ギルド証がクレジットカードみたいな働きをしてくれるから不正利用は出来なくなるし、盗られる心配はないにしろ。お金が無いとねぇ。

かくなる上は、ソロでやって見るか。


よく考えたら無理だったわ。

死霊魔術って言っても、今私が使役してる使い魔といえば、学園の時みんなと作った量産型の肩に乗ってる、鳥型使い魔ピズだけだったわ。ピズは戦闘能力がなく、情報の伝達とかにしか使えない。鳥だしね。

だって、沢山作るのは、卒業してからの楽しみに取っておきたかったんだもん。

それが、今かえってくるとは。


攻撃出来る使い魔も作れるんだけど素材がいるし、素材は死体だし。

核となる魂は術者の血と魔力で作れるから。


あぁ!こうなったのは全部先輩のせいだ!


ギルドの端っこで地団駄を踏んでいると、誰かに急に声をかけられた。

「おまえ、どうしたんだ?」

長い黒髪の綺麗な男の人だった見惚れるくらい、めっちゃ目つき悪いけど。

「実はね・・・」

愚痴りたい気分だったから男の人に全部事情を話すと、見た目に反してよく話を聞いてくれた。聞き上手なのかな。

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