第3話 悪い夢だと信じたかった


「川の中に、石が、ある。ひろいに」

「駄目です」

「ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!」

 友達がよくわからない茶番を繰り広げている休み時間。

「ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥッッッ!!!!!!!」

 それは最初のやつとは別物だろ、どうしてこうなった、と言いたいのをじっとこらえながら、窓の外を見る。

 変わったことなど、何もない情景。

「Bちゃんが溺れるゾ」

「拾いに、行こう。あ、この川、ふかっ、がはっ、ぐぶぐぼがぼ」

「急に軌道修正するなよ」

「あ、気付いた」

 さすがに耐え切れんわ。頭がおかしすぎる。ついでに、ニコ厨にしかわからなさそうな淫夢っぽいネタは止めといたほうがいいぞ。著作権とかグレーだし、わかる人が少なそうだし。

 しかし、朝のあれはなんだったんだろう。朝起きたら「○モセ××ス(放送禁止用語)したい」と言ってくる淫獣がいた件。

 明らかに見間違いだと信じたい。幻覚のはずだ。魔法少女とかなかったことにしよう。僕は男だ!

「なに? ヤる決心がついた? こっちはいつでもどうぞ」

「頼んでないわ。あと出てくるな」

 こうして例の淫獣と会話している時点で僕の幻覚という線は消えてしまったわけだ。残念ながら。

 しかし、今思い出したことで気になった事がある。

「そういえば、聞きたいんだけど」

「なんだい? あ、安心して。きちんと経験豊富な僕が君を最高の快楽エクスタシーへと導いてあげ」

「いやそういうことじゃなくて。朝お前が言っていた魔法少女とやらのこと」

「ああ、それか。待って。今説明するよ。あと、出会ってまだ数時間の相手にお前呼ばわりはちょっと無礼が過ぎるんじゃない?」

「……それはごめん。で、さっさと説明してよ」

 僕は急かす。だけど、この淫獣はさらに関係ないことを言い出す。

「全く~。君はせっかちだな~。でも、何故ここで淫夢語録を使わなかったんだい? あ、さてはテメー、ノンケだな?」

「うん、ノンケ。あとポプテピ語録をさらっと使いおったこいつ」

「こいつ呼ばわりもひどいんじゃ」

「テメーよりかはまだましだと認識してる」

「どっちもどっちだね」

「まさかの正論」

「じゃあ、そういうことで、やらな」

「どうしてそれがつながったんだ。ということで、話がぶれにぶれまくったけど説明あくしろ」

「あ、使った」

「言うな」

 はあ、気がつけばこいつのペースに乗せられてる……。

「まあ それを それとして、説明いっくよー☆」

「オネシャス」

「魔法少女って言うのはねー……」

 説明を要約しよう。

 一言で言えば、魔法を使って戦う少女達のことだそうだ。

 魔法の世界からやってきた、BLを狙う化け物を退治する存在らしい。魔法少女になる素質を持つ人間は男女関係なく存在するという。

 魔法少女になるには、魔法の世界からやってきた生物と契約する必要があるらしい。

 その契約方法は、“体液を契約者の体内に入れる”。

 つまりはこの生き物の体液を体の中に取り入れないといけないのだ。


 なるほど、わからん。


 BLを狙う化け物ってなんだよ。ただの腐った人じゃないか。あと、体液を体の中に入れるとか気持ち悪いわ。それでセック○セッ○ス言ってたのか。

「じゃあ、いっちょ契約セ○クスでも……」

「え、それ以外の方法とかないの?」

「……あるにはあるけど……飮○プレイとか……prprとか……。それだったらセ×××の方がいいよ」

「どれもいやだぁぁ」

「契約する決心ついたのかい?」

「やめてこっちこないで!」

「……チッ」

 もういやだ……。

 わけがわからないよ。

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