第12話 さどまぞ

いつものようにビールからウィスキーと、そしてハードな酒にはしごして、いろいろな不安を和らげるよう努力した。たぶん男性ホルモンが活性化するのだろう。だんだんと女々しい悩みが頭から抜けて行き、章子の身体のことや今までの交わりの詳細を想像した。

 スーツのズボンは勃起してパンパンになっている。

 結局私は章子の身体と性癖が好きなのかもしれない。そういう理由で異性と恋をすることについては以前はとても恥ずかしいことだったが、今はそれしか考えられないようになっていた。手でふくらみを自分で処理したかったが、今日の昼過ぎの章子のことを考えると、その処理はするべきではなかった。

 ウィスキーをロックでガブガブ飲んだからなのか、突然の眠気が襲ってきて眠りに落ちていた。

 塾のドアのブザーが激しくなった。時計をみると章子が来る時間だった。起こされてフラフラと立ち上がるとドアの所に駆け寄った。

「よかった。いないかと思った」

 章子は慣れた感じでドアの内鍵を閉めてツカツカと中に入った。

「大丈夫か?何もされてないのか?」

 顔色があまり良くないように見える。確かめるように頬にふれて確認すると、幸い殴られたような傷はなかった。

 章子はバックを持ち上げるように見せると、

「大丈夫、私だってコレ持ってるから、いざとなったら私だって反撃できるから!」

 バックの中のあのサバイバルナイフのことを言っているのだろう。

 章子の美しい細い腕で、鋭くて重いナイフを、凶暴な夫に対して、振り回しているところは想像したくなかった。とにかく何も夫から傷つけられてないことは安心した。

 章子の美しい目を見つめながら唇を重ねた。舌を伸ばすと、いつもはもっと情熱的に吸い上げてくれるのだが、今日は少し弱弱しかった。

 考えて見れば今日はお互いの離婚の話をしなければいけない。そういう意味では無理も無かった。

 息を混ぜあうような長いキスの後、いろいろな不安と、今後の障害を断ち切る為に、章子のことをすぐに抱きたかった。

膝まずいて黒の長めのスカートをまくりあげると質感があるスムーズで白い脚を撫で回す。私の勢いを止めるように「まって」と章子は私を止めると、

「ちょっとトイレいっていい」と言って部屋をでた。

 すこしそわそわしている。

 今日は抱かれたくないのかもしれない?

 ポーチを持って行ったので生理なのではないだろうか? 

最初の方で中断され、ぼーっと部屋で待つ、教室のドアは、章子がによって、きちっと閉められていっているので、彼女はまだトイレにいるのかは分からなかった。トイレは入り口の右側にある。

 飢えているからだろうか? すごく長いこと待たされた気がした。

ようやく章子が部屋に帰ってきた。帰ってくるなり章子はひざまずき、

「お願いがあるの?」と見上げた。

「どうしたの?」

 章子は少し焦っているようにも見える。

「今まで恥ずかしくて言えなかったんだけど、今日は私をいじめてほしいの。だって私がいじめられたことはまだないでしょ」

「えっ」とは口で言ったものの、この魅惑的な申し出は嫌いではなかった。

「いじめるってどうやって?」と聞くや否や、章子はバックの中から紙袋を取り出した。「これ使ってほしいの」

 紙袋を開けてテンポよく中の道具を並べていく。

 皮のベルトに穴の開いたプラスティクのボールが付いた口枷や、色はピンクだけど意外としっかり締まりそうな手枷。フックが付いていていろんなつなぎ方ができるようだ。

簡単な説明書みたいなのが付いていて、SMなどしたことが無い自分でも楽しめそうだった。その他SM用のムチ・テープ・足枷・首輪・ローソク・バイブ等、一通りの道具を取り出していった。

 道具を見ただけで興奮するのだろう。章子は興奮気味に口枷を手にとって、

「これって「よだれだま」って言うんですって」と言いながら私に差し出した。

「もうおねだりですか?」

 章子がさっそく装着させて欲しいのがすぐにわかった。写真をみながらスムーズによだれだまを装着すると、章子は満足そうな顔押して最初のよだれを垂らした。

 それは美しい顔に似合わず、すごく粘着していて、、、それがとても私には良かった。 

 服を剥ぎ取るように脱がして、パンティ1枚にしてピンクの手枷を付けて首輪もつける。一つ一つ器具を付けて、自由が奪われる度に興奮するのだろう。

「う~ん」と気持ちよさそうに唸っている。

 手枷を身体の後ろに回して手と手を拘束すると、首輪からでる皮のベルトとフックで繋ぐ。手を外そうと暴れると、必然的に首輪をひっぱり息が苦しくなってしまう。

章子は完全に自分の管理下に堕ちた。

「よだれ下も垂らしてるんじゃないの」

 白いレースのパンティを確認すると肌色に変色するほど濡れていたので脱がしてあげて、ティッシュでそのよだれを拭いてあげると、黒いレザーのパンティで、あの部分にチェーンが付いているものをはかせてあげた。鎖が、ちょうどあそこのあの部分に当たるので、身体を仰け反らせる。

「ビデオ撮ろうね!」

 後での二人の鑑賞会の為に、三脚に準備をしたビデオのスイッチを入れた。

 興奮して、いったいどの順番で責めるのか分からなかったが、Tバックになっているお尻にムチを思い切りいれた。呻き声が聞こえて苦しそうな顔をするところが、興奮に油を注いだ。 

「こんなこと旦那ともしてるの。いやらしいね。結局スケベなんだね」

 まさか夫とこういう営みはしていないだろう、と思っていたが、そうやって罵るのは楽しかった。章子は激しく首を横にふって否定した。

「嘘つかなくていいんだよ。だって章子はいやらしい犬なんだから」

 また首を振る。息がどんどん荒くなっていく。

「こんなものもの自分で買ってきて恥ずかしくないの? いやらしいね」

 耳たぶを舐めながら耳元でささやくと顔を真っ赤にさせて喜んだ。

 彼女の下のよだれが太ももを伝って膝に流れる。そのことを耳元で実況中継のアナウンサーのように的確にまちがいなくささやく。

 いいタイミングで、章子の置いたポーチの中から携帯のバイブレーションの音が聞こえてきた。彼女はそれにピクリと反応した。

「誰なのかな? こんなときに電話してくる奴。たぶんアイツかな?」

 章子に嫌味のように問いかけると、口枷でしゃべれないので激しくうなり始めた。

 自由の利かない彼女は顎でトントンとやってくる。何か言いたそうなので口枷のボールを外して喋らせた。

 彼女は苦しそうにため息を数回つくと、

「恥ずかしいです。目隠しをしてください。お願いします」と嘆願した。

「よくよだれだま我慢したね」と言って彼女の口周りから鼻先、鼻の穴、そして鼻の下をべっとりと何回も舐めてあげる。唾が乾くと猛烈に臭くなるのはわかってのことだ。彼女は一切抵抗せず息を吐き出し喜んだ。

「アイマスクとよだれだまをお願いします」

 とにかくアイマスクを試してもらいたいらしい。アイマスクを付けて口枷を元に戻すと、身体を簡易マットに預けた。

 最高のひと時だった。挿入は徹底的にじらして次は何を試してやろうと考える瞬間が、何とも言えない快楽だった。

 目にはいったのはSM用のローソクだった。わざわざライターまで一緒に買ってきてある。

「ローソクしてあげるね」というとうれしい呻き声が返ってきた。

 赤くて長いローソクに火を点すと、彼女の身体を仰向けにして、ロウを胸から垂らし始める。白くて綺麗な胸に向かって赤いロウを垂らすたびに呻き声が聞こえる。

 あまりもの身体の綺麗さに、じゃっかんためらいを感じるが、その反面、綺麗なものを自分が汚せると言うことに満足を感じた。

 だんだんロウソクを動かしていき、太ももの内側や、私の大好きなわきの下に垂らしていく。そしてわざと最後まで残したレザーパンティの鎖の部分に、ロウを垂らし始めたその時だった。

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