第24話 アップルと家臣
「ああ~スッキリした。これで執事もメイドも私に、今まで以上に忠誠を誓ってくれるだろう。」
アップルは執事とメイドの再教育をお城の地下牢で完遂した。
「こ、これは!?」
お城にやって来たアップルは目を疑った。
「アップル2!? どうしたの!? 誰にやられたの!?」
影武者であるアップル2が十字架に括りつけられていた。
「あ、あ、アップル様・・・私は・・・アップル様との・・・お約束通り・・・手は出しませんでしたよ・・・エヘッ。」
「アップル2!? アップル2!? よっぽど酷い拷問にあったのね。」
「全身を・・・コチョコチョ・・・こちょばれました・・・不覚にも・・・少し感じてしまいました・・・それでも・・・アップル様の居場所は吐きませんでしたよ・・・バタ。」
アップル2は、安心したのか気持ち良さそうに眠りについた。
「アップル2。あなたの忠誠心は見せてもらったわ。安らかに眠るがいい。」
「あの、生きてます。勝手に殺さないで下さい。」
「そのまま眠っとかんかい!」
「ギャア!?」
起き上がったアップル2を強襲するアップル。アップル2は、血の代わりに、りんごジュースを噴き出している。
「出てきなさい! 私の影武者を、こんな目に合わせた者は!」
「アップル様ご自身です。」
「あなたたち!?」
現れたのは、アップル世界征服対策チームの参謀グアバ、軍部キウイ、科学班クリ、魔法部隊キワノである。
「私たちは、アップル様に影武者がいるとは知りませんでいたので、てっきり他国のスパイか、ソックリさんと思いまして。」
「そんな訳ないでしょ!? こんなに可愛いんだから。エヘッ。」
アップルは、瓜二つのアップル2と自分を比べて、可愛くて笑う。
「確かにアップル様にそっくりだ!? アップル様、どこで影武者を見つけたんですか? それとも整形ですか?」
「整形とは失礼な。入手先は企業秘密です。」
「分かった! クローンですな? あれ? でも我が科学班は関与してないぞ?」
「クローンじゃないわよ。」
「なら魔法ですね。魔法でソックリな人間を生み出したんですね。」
「ブブブー! 魔法でもありません。」
「じゃあ、いったい何なんですか?」
「神様からの贈り物です。エヘッ。」
「またまたご冗談を。」
「アップル様の嘘つき。」
「アッハッハッ。」
家臣たちは信じていないが、冗談に聞こえたアップルの回答は正解だった。
「こいつら、いつか再教育してやる。」
アップルは不忠義な者は嫌いです。執事やメイドだろうが、家臣であっても自分に忠誠を誓わない者は救えないのである。
「さあ! 少しSM色の女王様を出したところで、我々は世界に打って出るわよ!」
「おお!」
アップルの世界進出が始める。
「まずは海を挟んだ隣国のアリコに行くのが良いと思います。」
アリコとは、人口5000万人くらいの小国である。
「どうしてアリコがいいの?」
「はい。先日、我がパンジャ国にも現れました、大型のデビル・プレデターはアリコを滅ぼした後に、空を飛んで我が国に出現したと思われます。」
「こいつか。」
「zzz・・・もっとぶって・・・。」
アップルは、アップル2を恨めしそうな顔で睨む。アップル2は気持ち良さそうな顔で眠っている。
「今なら体制の整っていいないアリコを救済を理由にして、堂々と侵略することができます。」
「さすがグアバ。我が国一の知恵者だけのことはある。」
「お褒めに頂きありがとうございます。」
「それでは私たちは、明朝アリコに進出することにする。各自、準備を急げ!」
「はは!」
こうしてアップルの世界進出は始めろうとしている。
「きれいな星空。」
「ホントだね。まるでアップルみたいだ。」
「もう、ジュライったら。キャア。」
お城のバルコニーでアップルとジュライはイチャついていた。
「本当ですね。アップル様。」
「アップル2!? どうしてあなたもいるの!?」
「だって、私は運命の人と出会えてないんですもの。混ぜて下さいよ。寂しいじゃないですか。エヘッ。」
「はあ~、せっかくのロマンチックな雰囲気が台無しだわ。」
アップルは、ジュライとの甘い一時を諦めた。
「アップル2、あなたはアリコをどうやって破壊したの?」
「はい。あの時は体重が重たかったので、地面に衝突した衝撃でアリコの半分の土地が壊滅しました。アハハ。」
「どんな体重よ!?」
「でも、ご安心ください! 今はアップル様のおかげでダイエットに成功しましたので大丈夫ですよ! バッチグー!」
「誰もあなたには勝てないわよ。」
「やったー!」
「褒めてない!?」
アップルは、アップル2こと神の使徒のジュライに振り回される。
「アップル大変だね。」
「私の苦労を理解してくれるのは、ジュライ。あなただけよ。」
「僕たちは一心同体なんだから、アップルの苦しみは僕の苦しみだよ。」
「ありがとう。ジュライ。」
見つめ合うアップルとジュライに良いムードが漂う。
「あの、そういうことは二人だけの時にしてもらえませんか?」
「おまえがどこかえ行けばいいだろう!」
「ギャア!?」
アップル2は、アップルに吹き飛ばされ夜空のお星さまになり、夜空をキラキラと輝く星の様にキラキラと照らしましたとさ。
つづく。
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