第6話 出発と新地

ゴブリンから拾った鉄剣だが、よく見たらレイピアだった。刺突が得意な俺からしたら丁度いい武器なので、これからも使わせてもらうことにする。


ゴブリンは雑なのか手入れも何もされてなく、刃が凸凹していたので、ポーチにあった砥石で研いでおいた。


ちなみにポーチの中身はこんな感じだ。

【 ・回復ポーション

・毒消ポーション

・金貨5枚と銀貨20枚銅貨が50枚

(ちなみに銭貨10枚=銅貨1枚

銅貨10枚=銀貨1枚

銀貨100枚=金貨1枚

金貨10枚=白金貨1枚 で、

9区での4人家族の1年間の平均消費金額は金貨1枚程度、ゴブリンはお金持ちだったようだ。)

(金貨(特に白金貨)は下位の区ではあまり使われない。)

・砥石

・小さい魔石

などなど… まあ他にもあるがとりあえず今は必要じゃないな。】


ゴブリンの杖はシャルルにあげた。

本格的な魔法使いみたいと喜んでいた。


魔法は素手でも使えるが杖のようにマナを介する特定の魔道具を使った方が効果が増すのだ。

俺のように魔臓から直接使う場合は別だが。


おっと、最後にありったけのスライムゼリーをポーチに入れておくのを忘れない。



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出発の朝。


珍しく昨晩ギーブのイビキで起こされなかったのを疑問に思って聞いたら、興奮して寝られなかったのだという。

ケイトとシャルルも同じようだ。


まあ、俺もだけれども。


4人共にとって、村の外は未知の地なのだ。

好奇心をくすぐられる。


二日前から、別れの挨拶をして言っていたが、村の人たちは全員そろって見送りに来てくれた。

本当にいい村だと思う。



俺たちは馬車の積荷に乗り、シーラス村を、後にした。


「これから、シーラス防衛団 定例会議を行う」

恒例の会議だ。今では俺も拍手に混ざる。


「じゃあまず、今回大手柄を立てて俺たちを夢へ一歩近づけたアスカに拍手!」


ギーブが囃し立てる。

確かにこの世界に俺が来なかったらこの3人は一生村に住むか、もしかしたらあのゴブリンに殺されていたかもしれない。


いやでも、恥ずかしいからやめてほしい。


「で、アスカよ。次は何からすればいいと思う?」


「そうだな。ロンド村はシーラス村と比べると結構大きい村みたいだから何よりも先に拠点がいるよな。宿をとって、それから、色んな店を回ったりして魔石の情報を集めよう。」


ギーブはウンウンと相槌を打つが、女子2人は目を輝かせている。


「じゃ、じゃあ。服屋!服屋に行きましょ!」


なるほど、シーラス村では衣服や雑貨はほとんど種類がなく地味だったから、オシャレな服に憧れるんだろう。

女の子だしな。


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そんなこんなで馬車に乗って行くこと10日間。俺たちはロンド村に到着した。


そこは村というより町だった。シーラス村とはすごい差だな。


「すっごい、シーラス村とはすごい差ね。」


ケイト、それ俺が言った。


「村ってぇいうより、町だぜこりゃ。」


それも言った。


「人もいっぱいだね。」


それは言ってない。さすがシャルルだ。

まあ、俺はどれも口に出していないが。


そういえば、ゴブリンの一件からシャルルがあまり目を合わせてくれなくなった。普通に会話はしてくれるから拒絶ではないだろうが、どうしたのだろう。

まあ、今度聞いてみるか。


その後、俺たちは宿で2部屋、5日分の料金を払って大きな荷物を部屋に置く。


その後、ケイトとシャルルは服屋、ギーブは武具屋、俺は図書庫へ、それぞれの目的と情報収集のために分かれて、夕飯前に宿で再集合することになった。


貧民地区があったり、小犯罪は無いとは言わないが、ロンド村は比較的治安がいいそうなので、まあ心配はないだろう。


俺は1人、ポーチとレイピアをひきさげて、図書庫へと向かった。

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