4話目

 夢から覚めた僕の寝覚めは頭痛と吐き気と寝汗でとても酷いものだった。

「水……」

寝汗でとても着ていられないシャツを脱ぎ洗濯籠にぶち込み、水と頭痛薬を飲む。窓の外を見るともうすぐ完全に日が沈むところだった。

「洗濯物……いいや……めんどくさい……薬局も……いいや……」

冷蔵庫の中を開けるが食べ物なんて一切ない。そりゃそうだ。家にあるものと言えば缶ビール、酎ハイが数本と、冷蔵庫の上にはウィスキー、日本酒、焼酎、赤ワインなど気まぐれに買ったものがあるぐらいだ。

「飯だけでも買いに行こ……」

ポケットにスマホとキーケースを突っ込み靴を履き玄関を開ける。

「あ……こんにちは……」

玄関を開けると丁度鍵を開けようよしてたお隣さんが少し驚いたような顔をしながら挨拶をしてくる。

「ども……」

僕はそのお隣さんと極力目を合わせないように急いで階段を降りる。

「あれ……?」

階段を降りると僕は一つの違和感を覚えた。

「自転車こっちに置いたっけ……?」

自転車が止まっている位置が変わっているのだ。いつも同じ場所に止めているはずなのになぜか今日は今まで止めたことのない場所に止まっている。

「誰か動かしたのかな……」

そんなことを思いながら自転車に乗り僕はバイト先のコンビニに食料調達に向かった。

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