第2話 和泉君との出会い
そして、僕はアルバイトを始める事にした。一応浪人という肩書きであるが、勉強はせず、寝て、起きて、働きにいく、この繰り返しだ。いわゆるフリーターと同じである。
アルバイトはコンビニの店員で夕方の五時から十一時までのシフトで、週に四回のペースで入っていた。三つ下の女の子が二人、その子たちは高校生で十時までのシフトであった、彼女達は同じ高校らしく、たまにどちらかと同じ時間に入る程度で、話す事も業務関係だけのことであとは何も話さなかった。だが彼女達は高校生ということでテスト期間など休みが多く、人手は足らなかった。
そんなある日、一人の青年がアルバイトとして入社して来たのである。
そして、店長は、彼を僕に紹介した。
「和泉 大成(イズミ タイセイ)です。よろしくお願いします。」
彼は僕より三つ年上で、身長は170センチくらいで僕と同じくらいであった顔も整っており見るからに普通の青年という感じだった。
だが、腕には何本もの傷が付いており、彼はとても暗く、光を見失ったような目を持っていた。
「よろしくお願いします。市川 輝男(イチカワ テルオ)です。」
と僕は挨拶を返した。
そしてある程度の仕事内容を伝えた。
彼は週五回シフトに入っているが僕と同じシフトは二回だけ出会った。
僕は、他の子達と同様に彼にも特に業務以外の事では話さなかった。
しかし、彼には何か吸い寄せられるものがあり、段々と彼に、興味を持ち始めたのである。何か僕と似ているよう感じがしてならなかった。でも僕よりもずっと深い物を持っているようでもあった。そして彼に会った事による僕の人生の歯車は狂い出すのである。
普通人間 山口 隆二 @ryuji0000000000
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