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それは 富士さんと話していた 若い男性だ。
富士さんからは 大阪の 竹田五郎さんだと紹介があった。
高校三年生で 栄子お姉さんの所属するサークル『新選組研究会・誠一筋』の 大阪支部長だということだ。
更に 富士さんの主催されている『京都偉人之会』のメンバーでもある。
そんな竹田さんが 声をかけてくれた。
「オックンだね。竹田です。小学生なのに 熱心だそうだね。富士さんや 栄ちゃんから いつも聞いてるよ。うちのサークルに入ってもらいたいけど、うちは 高校生以上が 入会資格なんだ。
ただ 局長(会の代表)が認めたら 中学生でも 見習い隊士として 入会できるから、中学生になったら 応募したら?
この場合は紹介者がいるけど 俺が 紹介者になってやるよ」
竹田さんとの出会いは また更に新しい出会いを生むことになる。
竹田さんとの出会いがあった時から 次に京都に行くまでは いつもより時間が 短かかった。
新しい壬生ノート『勿忘草』を 置いて帰った代わりに 持ち帰った一冊目のノートには たくさんの書き込みが あった。
その中で 住所氏名の書いてあるものには 記帳のお礼の手紙を 書き送ったのだが そこには 竹田さんの名前も あった。
その竹田さんから 返信の手紙がきたのは 6月に入って間もなくだった。
竹田さんの所属する『新選組研究会・誠一筋』の総会が 夏に開かれる とのお知らせだ。
総会は 会員でなくても 参加ができるので ぜひ参加してほしい。その時は 局長に紹介したい。との内容だ。
早速両親に相談したが もう 二回も一人で 京都までいっているので 簡単に許してくれた。
また、父は 自分の小遣いのなかから 旅費をカンパしてくれた。
いつもは 口うるさい父が なぜか新選組のことに関しては 優しい。
この理由は 後に 知ることになる。
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