エピローグ
シュン!
これは椎羅がタイムスリップした音。
椎羅は未来へ帰ってきた。
その時。
「あれ? タイムリングが消えちまった!」
椎羅は驚いた。
その時、成人したハロルドが、
「それはもう必要ないんですよ。」
と声を掛けた。
年老いたエドワード博士は、
「ったく、三回もタイムスリップしおって、なんちゅう坊主じゃ」
と笑った。
「ハロルド! ついでにエドワード博士!」
エドワード博士は、
「何はともあれ、よくやった、坊主。早くうちに帰ってみるといいな。」
と言った。
椎羅は辺りを見回した。
「それが、家がないんだーー!」
ハロルドは、椎羅の肩に手を置くと、
「あそこは君の家ではないのですよ」
と微笑んだ。そして、
「君の家は、60年前君が暮らしていたところにあるんですよ。」
と、意味深なことを言った。
「どういうこった。」
椎羅は首をかしげた。その時、胸につけていた名札がぽとりと落ちた。
「あ! 名札が変わってる!」
そして納得した。
「そうか・・ そうだったのか」
「一年B組、野本椎羅君!」
どこからか、聞き覚えのある声がした。
「はい!」
椎羅は元気よく返事をした。
いたのだ。いないはずの、父と母-さとると瑠璃が-
「ただいま、父さん、母さん。」
椎羅は泣きながら駆け寄った。
「椎羅・・。」
「おかえり、椎羅。」
父と母は息子を固く抱きしめた。
「さあ早く、家にかえろう。おじいちゃんもおばあちゃんも、首を長くして待ってるぞ。」
「今夜はごちそうにしようね。」
「最高だよ、なにもかも!」
椎羅は微笑んだ。
こうして椎羅の未来にも幸せが訪れようとしていた・・・。
―FIN-
LITTLE ENGEL 暁 睡蓮 @ruirui1105777
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