第7話 優しさの正体

機械の画面上で


貴方が私に、送る


優しい慈愛に満ちた、言の葉達。


いつもいつも 貴方は


隠れたところで、避難したまま、


善人で居ることを望む。


貴方の優しい、いつも優し過ぎる言葉の裏には


無理解と、蔑視と、自己中心的な愛と欲望と


世間知らずの偽善と欺瞞が


潜んでいる。


そして今日も、私を、狡猾で卑怯な、優しい手で


悪人にならないように巧妙に張り巡らせた罠に


私のアキレス腱を、上手く掴んで、捉えて


甘いお菓子の誘惑で


一番私が欲している、親の様な海の様な優しさで


演出された、それで


今日も、私を、掻き回しては


し様の無い奴、と言う侮蔑と優越感の元


「お仕事」に


出かけて往く。


私の、魂を


置き去りに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る