第24話 解放とケア
盗賊達は全員倒したはずなのだが、俺はもう一度安全確認の為に探索魔法を掛けて探知をしてみた。
その結果、オールクリア―が確認できたので、捕えられている女性達を解放する事にした。
先ずは、今朝捕らえられてしまった女性達のいる建物の処へと向かう。
俺が扉に掛けられて鍵を壊して、扉を解放すると建物の柱に縄で括り付けられている姿を確認する事が出来た。
まだ、盗賊の頭には手を出されて犯されてはいないようだった。
「お前達を助けに来た、冒険者の創作だ。 街道の所で壊れた馬車を見て探しに来たところだ」
俺が味方である事を宣言しておく。
「ありがとうございます。 その馬車は私達の乗っていた馬車です」
「分かった。 外の盗賊達は、全員倒したから安心してくれ」
女性達は俺の言葉に、安堵の表情を見せる。
「じゃ縄を切るから、ジッとしていてくれよ」
そう言ってから、俺は直ぐに4人の縄を切って解放してあげた。
「ありがとうございます」
「お礼は良いよ。 それで動けるなら、他にも捕えられている女性がいるようだから解放するのを手伝ってほしい」
「はい、大丈夫です。 お手伝いさせて下さい」
領主の娘に見える女性が元気に返事を返してくれた。
俺は解放した4人を引き連れて別の建物へと向かった。
その目的の建物へと近付き扉の鍵を壊すと、扉を開放して建物の中を確認した。
そこにいたのは多種多様の種族の女性達だった。
「俺は冒険者の創作だ。 君たちをこの建物の中から開放するから、順番に表に出て来てくれ」
俺の指示に従って、一人ずつ建物の外へと出て来る。
そして、一人の女性が俺の処へ来ると言葉を掛けてきた。
「助けて頂いてありがとうございます。 中に一人だけ歩くことのできない女性がいます。 建物の中から出して貰えないでしょうか」
「あ~、分かった。 案内してくれるか。 先に助け出したお嬢さんたち彼女達の面倒を見てくれるかな」
「はい、大丈夫です。 お世話はして置きますので」
彼女達に面倒を見てもらい、俺は声を掛けてきた女性と建物の中へと向かった。
建物の奥の簡易ベッドの上にその女性は寝かされていた。
その女性は、片足を骨折しているようで痛みに耐えるように苦痛の表情をしていた。
それ以外にも、問題が有りそうだったが取り敢えず足の骨折は治してあげることにした。
先ずは、生活魔法の洗浄で身体を綺麗にする、そして患部の解析を行ない骨折した箇所が綺麗に治るように、魔力を少し多めにしてヒールを掛けた。
黄金色の光が患部を包み込み、光が消えると幹部の治療は終了した。
「凄い、初めての見ましたこんな治療魔法」
「そうか、普通だと思うんだが?」
治療が終わった女性からは、顔から苦痛の表情が消えて優しい顔付となっていた。
それでも、治療が終わって直ぐに歩くことは出来そうも無いので、俺はその女性を背中に背負い建物の外へと向かった。
建物の外へと出てくると、動く元気のある女性たちが問題を抱えている女性達を介抱していた。
俺は騎士であろう女性に声を掛ける。
「済まないが、使えそうな清掃された建物を探して来てくれないか」
「それぐらいの事は、任せて欲しい」
「そうか、じゃ頼むな」
その女騎士は、剣を携えて建物を探しに行った。
俺は背負っていた女性の世話を領主の娘に任せると、マジックバッグから大きめのテーブルを取り出して先ずは飲み物と甘くて美味しい消化の良いクッキーをこれでもかという位の量をテーブルの上に置いた器の中に出しておいた。
「みんな、ここに飲み物とお菓子を置いておくから食べてくれ」
俺がそう言った途端、女性達がテーブルに群がって飲み物とお菓子を食べ始めた。
その様子に、噴き出すのを我慢して俺も使えそうな建物を探しに向かった。
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