第17話 仕切り直し

この世界に転移して四ヶ月余り、そろそろ様子見も終わりにしても良いかなと

思っている......。


そう、折角楽しめそうな環境になったのだから少しくらい自由気ままに行動して

みても良いのではないかと考え始めたのだ。


とは言っても、自分から進んで具体的に何か行動を起こすと言う事ではなく、迷宮に行って見たり討伐をしたりと普通に過ごしながら、待ちの姿勢ではなく積極性を出していこうと言う事だ。


という事で、冒険者ギルドへ行く日数を先ずは三日~五日に一度の状態を、取り敢えず毎日行くようにしてみよう。



翌日......。


ギィ~


俺は定番のウエスタンドアを開けると、ギルドの1Fホールに足を踏み入れた。

そして、先ずは掲示板の処へと向かい良さそうな依頼が無いか探してみる、が...

特にこれといった依頼票はもう既にそこには無かった。


みんな出足が早いんだな。


諦めて、チマチマした依頼でも受けようかと、そこから更に依頼票を眺めていると背中の方から呼ばれた気がして俺は振り向いた。


「創作さん」


すると、いつもの受付嬢が俺に向けて手招きをする仕草をしながら名前を呼んでいた。


その状況に恥ずかしさを覚えた俺は急いで受付嬢の元へと移動したのだが......。

そう言えば、俺はこの受付嬢の名前を知らない。


「え~と、何か???」


「いえ、創作さんが依頼を探していたようなので声を掛けさせて頂きました」


如何やら俺に何か問題があった訳では無いようで気持ちの上では少し余裕が出来た。


「創作さん、こちらの依頼などはどうでしょうか」


受付嬢が提示してきた依頼票に、俺は一応目を通してみる。


その依頼票には、大猪を討伐して欲しいと書かれていた。


俺が最初に倒した猪君は3m位だったが、大猪ってどれくらいの大きさ何だろう?


興味が湧いた俺は受付嬢に質問してみることにした。


「済みません、この大猪ってどれ位の大きさ何ですか」


「この地域の大猪はですね、5m程の大きさになります」


俺が最初に出会った猪君よりも更にデカいヤツのようだから、どれ位の戦闘力があるのか楽しみではあるな。


「分かりました。 依頼に日数的な制約はありますか?」


「それは、有りませんが。

集落の人達が、倒して頂いた大猪のお肉と毛皮はどうしても欲しいそうです」


「あ~、それは逆に有難いです。 運ぶ荷物が少なくて済みますから」


「それでは、受注処理をしますね。 創作さんギルドカードをお願いします!」


俺は受付嬢にギルドカードを渡して依頼の受注処理をして貰った。


「受注処理が終わりましたので、創作さんのギルドカードをお返ししますね。

受付は、私エミリーが担当しました」


ギルドカードを受け取った俺は、受付嬢のエミリーさんに礼を言うとギルドを

後にした。


そう言えば、俺はやっと受付嬢の名前を聞いたな。

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