第14話 依頼達成と新たな街で
翌日......。
予定していた通りに、無事隣街へと到着した俺と二人の姉妹。
先ずは、馬と馬車をギルドに返却しなくてはいけないのでギルドへと向かう。
ギルド同士ならレンタカー方式で、到着した先のギルドで借りた馬と馬車の返却が可能なのだ。
冒険者ギルドで馬と馬車の返却手続きを終わらせると、俺は護衛として姉妹の家へと向かう事になった。
「ここから、お家までの道順は分かる?」
と、俺が尋ねると。
「はい、大丈夫です」
と、姉の楓音ちゃんが元気に返事をした。
「それじゃ、よろしくな」
二人は俺の手をそれぞれ握ると、元気よく歩きはじめた。
40分程歩いたところで、姉の楓音ちゃんが指し示して...
「あのお家です」と教えてくれた。
俺がその建物の方向に顔を向けると、そこに見えていたのは薬剤師の看板を掲げているお店だった。
二人をそのお店まで送り届ける。
すると、両親と思われる男女が出迎えてくれた。
そして詳しく話を聞いたところ、二人の姉妹が隣街に居たのは、どうやら薬剤師の勉強の為だったらしい。
俺は二人を無事に両親の元に送り届けた処で依頼は終了となった。
そして俺は両親から依頼料を受け取ると、その薬剤師のお店を後にした。
別れ際、夏梨ちゃんから再び...
「おじちゃん、ありがとう」と、言われて落ち込んだのはご愛敬だ。
そのあと直ぐに冒険者ギルドへと戻った俺は依頼終了の報告をした。
そこで折角新しい街へとやって来たという事も有り、俺は暫くこの街で活動してみることに決めた。
この日は、宿を探すのが面倒だったので、ギルドでお薦めの宿を紹介して貰いそこに泊ることにした。
翌朝......。
宿を出て、何か面白い依頼は無いかとギルドへと向かった。
俺は早速、掲示板に貼ってある依頼票を物色するが、目ぼしい依頼票は掲示されていなかった。
そこで、受付へと行き受付嬢に面白そうな依頼が無いか聞いてみることにした。
「はい、こんにちは。 今日は何かお探しですか」
そう聞いてきた声の主は、きのう泊まれる宿を教えてくれた受付嬢だった。
「こちらの街のギルドが初めてなので何か面白い依頼が無いかなと思いまして」
「あっ、そう言えば...昨日も、初めて来られたと言っていましたね」
そう言うと、受付嬢はカウンターの下からファイルバインダーを取り出すと、依頼票を捲り始めた。
「創作さんはブロンズですが実績がありますから、一つ上のこんな依頼は如何でしょうか」
カウンター越しに見せてくれた依頼票にはこう書かれていた。
(幻の魚を捕まえて下さい)
その書かれている文字を読んだ瞬間、“これだ!” と、俺は決めてしまった。
そしてその魚の特徴や必要な数などを受付嬢から聞くと、俺はメモを取りその魚の生息域に向かって出発した。
そして、その日の夕方......。
俺はまだ魚の生息域に居た。
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