2 少しだけ夜
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空と友達という関係になってから、半年ほど経った。
空は何の部活にも入らなかった。クラスをまとめる役にもならなかったし、生徒会にも一切関わっていなかった。
これだと、空は目立ちたがり屋で、積極的に人前に立ちたがる性格だと、私が最初は思っていた。と思われてしまいそうだけれど、実際私はそう勘違いをしていた。
しかし、それは違った。
空は、人前に立つのが苦手だ。目立つことも好きなわけでもない。そして、意外と言っては申し訳ない気持ちもあるけれど、しっかりと空気を読む。あの明るさを持っている人は、偽りの明るさだったとしても、大体空気を読まない、又は読めない人ばかりだった。
だから意外だと、私は思ってしまった。
あの持ち前の明るさとポジティブさ、そして人とへの絶えない好奇心によって、空は交友関係を広げていった。
学年を跨いで人と関わることが、空はほとんどないのに、先輩の連絡先を持っていたり、少し傍を離れていると、周りは空を囲んで話に盛り上がっていた。
空は私が用を済ませると、どんなに場が盛り上がっていても私の傍に駆け寄ってきた。あの小学二年生の様な笑顔を浮かべて。
勿論、周りは私のことを見る。その目は様々で、思い出してみると、感情をすぐに読み取れるものが多かった。
空は、すぐに場の状況を把握し、少しでも私の登場によって心を悪くした者がいると気づくと、その場の空気を全力で明るくする。
つまり空は、気を遣える、明るくて真っ直ぐで、ブレない、素敵な友達であった。
あと、私の『友達』を増やしてくれた。
そんな日々は、遅く、早く過ぎていき、期末という試練を越えて、夏休みに入ろうとしていた。
蒼穹 西来 潜 @Anone13
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