第13話 幼児期の冒険
今回は、自分の幼少期を振り返ってみようと思います。
皆さんは自分が幼少期にどんなことをしていたか覚えていますか?どんな食べ物が好きだったかとか、当時はまっていてテレビ番組が何だったかとか...
私が正真正銘の幼稚園児だったころ、近くの公園に小さなトンネルがありました。
ちなみにこれは怖い話ではありません。私は怖い話が苦手です。しかしオチもありません。
さて、そのトンネルは遊具でもなんでもなく、ただの水路でした。公園の周りを囲む小さく浅い側溝がそのトンネルにつながっていたのですが、どういうわけかその側溝はいつも干からびていて、したがってその水路は水が流れていないのでただのトンネルと化していました。
大きくなった今ではそんなトンネルに入ることは到底できないのですが、園児だった頃は身体も小さかったので、そのトンネルを探検したことがあります。未知なるトンネルの奥には一体何があるのか。友達と私は狭いトンネルの中をハイハイの要領で奥へ奥へと突き進んでいきました。
いつの間にか、ずいぶん奥深くへ進んでいた気がします。もっと奥へ行ってみたいという気持ちと、急にトンネルの奥から水が流れてきたらどうしよう、という不安な気持ちが入り混じって、私はドキドキしていました。
トンネルの地面は乾いた土が溜まっていて、どこまでいっても水は一滴も流れていません。ほんとにここは用水路なのか?と思っていたら、地面になにか細い木の棒のようなものを見つけました。小さい時の私はアホなので、一緒に入ってきていた友達と
「...骨だ(断定)」
「何の骨だろ」
「人の骨だったりして」
などと言いました。が、ただの幼稚園児にそれが何かなど分かるはずもなく、またそれを外へ持って帰る度胸もありませんでした。(今思うにその鉛筆よりさらに一回り細い木の棒は、やはりただの木の棒だったのだと思います。第一、幼稚園児のサイズでギリギリ通れる用水路の中に大人が入ることはできません。)結局私たちはトンネルから出てきました。トンネルから出たときはとてもほっとしました。もう奥の方から水が流れてきたらどうしようとドキドキしなくても良いのです。結局トンネルの奥に何があるのかは分からなかったけれど、私は結構奥の方まで這って行けたことに満足していました。
今はそのトンネルには水が流れているので、もう中を探検することはできません。
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