14.ライムライト

 目に染みる七変化のネオンライト、ハイウェイの騒音、その直下。今どきライムライトの焚かれた独り舞台に立っている。

 高架下、観客は野良猫たち。猫の集会に紛れ込んだような、独り舞台に立っている。しんと静まり返ってあまりにも静かな無音世界。


 今、星が流れた。

 あの星さえも真実の星ではなく、人工衛星の欠片なのだと、今のお前は知っている。

 作り物だらけの世の中で、紛い物だらけの世の中で、それを知りながら独りせっせと舞台に立つ。だからどうしたと言わんばかりに、今あるものが真実なのを知っているお前は。


 猫たちが一斉ににゃあにゃあと鳴き出す。それは実に素晴らしい拍手喝采。お前と奴らしか知らない唯一無二の舞台がここにある。

 ここが世界の真ん中だ。

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