エピローグ
105、その後
かくして、模倣犯事件、人獣事件は同時に解決した。
世間的には、スコルピオ製武具会社の一部勢力による犯行、として発表された。裏取引の事実は特に公表しなかったので、寄せられる声は同情のものが多かったが、シビアな商売の世界だ。事件の渦中にあった曰くつきの企業、というイメージが定着してしまい、スコルピオ製武具会社の評価は落ちこんでしまった。
〝大鷲〟とのスポンサー契約も白紙となり、人獣化してしまった社員の多くが薬抜きの処置で入院し、今回の事件を受けて会社を辞めた者も多いと聞く。今現在、スコルピオのほぼ全ての業務が事実上凍結している状態にある。
あれからもう10日。爪痕はなお、深い。そして、傷が癒える間もなく新たな犯罪が蔓延る。
それがこの国、ヴァーヌミリアという〝箱庭〟だ。数多の光と闇がせめぎ合いながらも、今日もまた1日が過ぎ去っていく。
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