第8話 心強い仲間と『ドラゴンの女王』 下
…時同じくして、奴隷商人の街『ミーリーン』
この地方には、『エッソス大陸』と『ウェスタロス』大陸が存在し、『ミーリーン』は『エッソス大陸』にある街の中でも比較的大きな街である。
『エッソス大陸』は、『ラーシュ王国』の西側の特定の地域を指示していた。
『レイトン山脈』を越えると、広大な岩と砂の地域『〈赤い土地〉』にでる。
そこからが『エッソス』と言われる場所であった。
『レイトン山脈』は、5000メートル級の山々が連なる山脈で、この山を越えるのは容易では無く、その為に、エッソスと言われる地域との交流は皆無であった。
エッソスの西岸で目立つのはうねるように続く緑の丘、クォホールの巨大な森や長く続く島々がある。
大陸の中央部には、ドスラクの海として知られる平坦な草原と、その東には〈赤い土地〉として知られる不毛の荒野がある。
〈赤い土地〉の南には、海へと続いている。
その途中にはクァースの街があり、その街を過ぎるとうねるように並ぶ乾燥した丘が目立ち、その気候は地中海性気候であった。
海に出ると、岸に沿って〈夏の海〉と奴隷商人湾がある。
奴隷商人湾はエッソスの南南西に位置し、〈夏の海〉に面する。
気候は過酷なほど暑い。
ユンカイ、ミーリーン、アスタポアと呼ばれる三つの港湾都市国家が並ぶようにあり、その都市を含めた数百キロと言う長さの湾となっていた。
ミーリーンは、奴隷商人湾の一番奥まった場所に存在していた。
大きな弧を描いた港と敷き詰められたようにある家々。
この街には、20万人はいると思われ、その2/3は、以前は奴隷であったと言う事である。
数年前に、この地にある女性が2名の従士と3頭のドラゴン。
10000人を超える傭兵を連れて訪れ、奴隷を解放し、色々あったが、数か月前に、この湾に属している街の有力者、『親方ら』と言われる者3名、その内、2名を殺害し、1名を生かした…。
その女性の名は、『デナーリス・ターガリエン』。
この者を、ドラゴンの母と民は言っている。
『デナーリス』は、ここより海を隔てた大陸『ウェスタロス』で生まれた。
狭い海の向こうにある東側の大陸『ウェスタロス』には、七王国と言う国が存在する。
現在は、前国王、『ロバート・バラシオン』の次男が統治をしている。
その国で、『デナーリス』の父、『エイリス・ターガリエン二世』が『ロバート・バラシオン』によって王座を簒奪され、追放された『ターガリエン』家の生き残りであった。
『ウェスタロス』の首都『キングス・ランディング』、レッドキープ城の鉄の玉座奪還の為に、この地域を統治し、そして、侵攻の準備を整えていると言う事である。
奴隷商人の街、アスタポアで強力な宦官奴隷兵である8000人の〈穢れなき軍団〉を開放して戦力とし、多数の奴隷を抱え傭兵軍『セカンド・サンズ』に護られる都市ユンカイを、『セカンド・サンズ』の副長の裏切りにより陥落させ、奴隷を開放したのであった。
そして、この都市、ミーリーンでも奴隷を解放したが、その後に、解放派の抵抗組織『ハーピーの息子たち』に苦しめられ、側近を一人失いながらも和解への道を探っていた。
そこに現れたのが、『ティリオン・ラニスター』である。
彼を相談役に向えるかどうか考えている内に、闘技場で襲われ、危機一髪のところでドラゴンに救われる。
その後、ドスラク族に捕えられたが、彼らの前で、数いる族長たちを建物ごと焼いた。
その中に、『デナーリス』もいたが、彼女は奇跡を見せた。
『焼けずの女王』彼女の由来でもある。
彼女の軌跡を目の前にしたドスラク族は、彼女を女王と認め一緒に行動をする事になり、火を放たれた『ミーリーン』の街を、ドラゴンとドスラク人、そして、穢れなき軍団とセカンド・サンズで奪還。
首謀者と思われる『親方ら』3名と交渉をした後、2名を殺害し、1名を生かして、見せしめと戒めをしたのであった。
この提案は、『ティリオン・ラニスター』の案であると言う。
この一件で、彼は『女王の手』になり、彼女の側近の一人となった。
---Special thanks---
(※この『デナーリス・ターガリエン』の話は、HBO『ゲーム・オブ・スローンズ』の話であり、この物語には直接的な関与はありません。また、詳しい内容は、『ゲーム・オブ・スローンズ』を鑑賞してください。)
現在の『ミーリーン』は、親方らが所有していた船を、3頭のドラゴンが焼き尽くしたために、ウェスタロスに渡るための船を建造中であるようだ。
リンデル導師は目を細めながら、港に点在する桟橋に係留されている帆船へと視線を移して説明をした。
『レイトン山脈』を避けて、南から海を渡り、ミーリーンへと向かっている船の上である。
「ドラゴンの母…」
シノブは、街中央にあるひと際高いピラミッドの建物を見ながら言葉を吐き出す。
「あの建物に、母がいるようだ…そして…」
リンデル導師が視線を送った先には、先ほどの建物の上を旋回しているドラゴン3体が確認できる、シノブも目を細めながらドラゴンを見ていた。
「彼女の父は、暴君と恐れられていた。巨大なドラゴンを引き連れて、『ウェスタロス』大陸を統治していたようである、気に食わない者をいとも簡単に殺し、そして…、時には、ドラゴンの餌にしていた…」
「餌って…、その子供が、大陸の覇権に動いているのなら…その子も…」
「まぁ…どうだろうな。わたしも幼い時にあった事があるが、その時の彼女は、臆病で優しい子じゃった。いつも誰かの後ろにいたな……。兄は…ちょっと暴君の色がみえていたが…」
髭を撫でながら思いにふけっている表情を見せた。
「そうなんですか…」
「まぁ…とりあえず会ってみても、こちらにはなんら支障は無いし、物のついでにでも」
目尻をゆるますリンデル導師。
その表情を見てから、再び湾へと視線をうつしたシノブ。
湾全体は活気ずいていた。
至る所で大型帆船が作られ、そして、湾内にも帆船がきれいに係留されている風景があり、また、傭兵であろうか、長い槍に黒い防具とヘルメットをかぶった者らの姿や、商売などを桟橋近くで行っている住民の姿があった。
「…ここが、ドラゴンの母の街…『ミーリーン』…、そして、エルフの街が、その先にあるところ…」
大きく息を吸い込んで、潮の香りを感じているシノブの姿がそこにあった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます