第31話 何よりも大切なのは家族の絆ね

「ウツミんさーん!こっちこっち!」


 瀟洒な雰囲気の喫茶店。

 行ったことがないんでネットで調べたところ、軽食の類も評判がいいらしい。



 一番人気のカレーを試してみようかな、なんて考えながら入店したら、既に席に着いていたらしいマリがこちらに呼び掛けてきた。


「ああ、待たせちゃったか。

 ゴメンゴメ……」


 慌てて席に向かおうとしたところで……。

 脳がフリーズを起こした。



「まあまあまあまあ!貴方がウツミさん?

 なぁーんてハンサムなの!もう、マリちゃんったら!やるじゃない!!!」



 ジャバ・ザ・ハット。

 という単語が不意に脳裏に浮かんだ。


 極彩色っていうのかな……散りばめられた原色が目に痛いセーターに身を包んだ、肉の塊。

 こちらに媚びるような、それでいて値踏みするような目つき。

 弛んだ喉を震わせて放つ、しゃがれた声。

 それでいて女子中学生のように落ち着きのない、キャピついた話し方。



「初めまして、ウツミさん!

 マリちゃんの母親です!お会いできて嬉しいわぁ~!!!」



 面相の美醜については言うまい。

 俺とてイケメンってわけじゃ全然ない。


 でも普通、大の大人が、こんなに自尊心を感じさせない表情をするものなのだろうか。



「は、初めまして。宇津美です。

 マリさんには、いつもお世話になっています」


「やだぁもぅ~!!!

 お世話になってるのはこっちですよぅ~!

 もう、マリちゃんから色々聞いてるんですよぉ~!」


 脂肪にまみれた身体をクネクネと捩り、俺の肩を気安くバシバシと叩く。



 これが本当に、マリの母親なのか。



 多少は覚悟していた。

 しかし、それでも。

 あまりにも固い唾を、俺はゴクリと呑み下した。


 ーーー


 神はこの世を六日間で創り給うた。

 そして、第七日目には、二日酔いを与え給うた。


 ってな格言があるけれど。

 第八日目には三日酔いを与え給うた、を足してもいいんじゃないかな。

 もはや何日目の話をしてるのかわけわからんけど。



 ヤマちゃんたちとの飲み会の翌々日の月曜日。

 朝。


 一昨日の酒がいまだに胸のあたりに微妙に残っとるわ。

 30代に入って、一日で酔いが醒め切らないケースが稀によくある。

 もう二度と酒など飲みません、と何十回神に誓ったかもはや数え切れませんな。



 言わずもがな、昨日の日曜の二日酔いはひどいもんだった。

 悪い酔い方したからな。話題が話題なだけに。


 ヤマちゃんたちとスパ銭でも行こうかと思ったけど、結局ウチに引きこもってたわ。

 なんか親父も疲れがたまってたのか、一日中横になってたからね。

 同病相哀れむ感じで、2人で引きこもって介護し合ってたわ。

 母さんもそんな日に限って、お友達と旅行に出かけちゃってたからさ。


 吐き気止めや痛み止めが効いてる僅かな時間を見つけて、2人分のスポドリを買い込んできたり、ゴーゴーカレーの持ち帰りを調達したり、コーヒー淹れてやったり、ガチガチに凝った肩を揉んでやったりしたわ。

 我ながらなんて親孝行な無職なんだろうね。



 で、今日になってもまあ気分はよくないわけだけど。

 無理にでもシャンとしとかないといかん理由がある。


 マリの母親。

 初めてのご挨拶だ。



 あえて打算的なことを言えば、保護者資格の認証のためには、ご父兄の信頼獲得は必須だからね。

 それに純粋に仕事仲間の親御さんとは良好な関係を築いておきたいよ。

 マリの活動に対する理解も頂きたいところだし。


 っていうか。

 そういうの抜きにしても、マリのお母さんだ。

 失礼なことしたくないよね。

 マリをがっかりさせたくないよ。


 家庭の話を断片的に聞く限り、ちょいと思うところのある相手ではあるけど。

 まあ、いくら何でも初対面からそこまで突っ込んだ話になることはあるまい。


 ……そもそも、マリの家庭のことにどこまで干渉していいのかわかんないしね。

 自分の進路に迷いが出てきただけに、なおさらっていうか。



 今日のご挨拶でってわけじゃないけど、マリには会社のことだけでも事前に話といた方がよかったりするかな?

 いや、それはないか。

 いたずらに不信感を煽るだけだし。


 そもそもいい大人が、自分のキャリアを女子高生に相談するってのも意味不明過ぎるだろ。

 逆ならわかるけどさ。

 自分で決めろ自分で!シャンとせい!

 親とか友達に甘え続けたせいか、人に依存することが俺にとってナチュラルになりつつあるな。いかんいかん。



 朝シャワーで身を清め、気分をシャッキリさせて。

 久しぶりに、軽く整髪料なんぞ付けてみた。……こんな感じで変じゃないよな?


 キレイ目の服装は……これとこれでいいか。

 靴も汚れてるし、表面を濡れ布巾で拭くぐらいはしとくか。

 おっと、鞄が飲み会の時のまんまだな。微妙に酒気を帯びてるし、こいつも外側だけでも拭いておこう。



 約束の店までの移動時間から逆算し、10分位は前に付くように。

 オーケー。道もすいてる。予定通りの到着だ。

 微妙に駐車場で時間を潰して、入店。


 からのーーー冒頭の状況だ。



「もうウチのマリちゃんは昔からほんっとうにいい子で、おかげで私もずーっと助けられてきたんですよ。

 それでも中学生のころなんかは、自分のバスケットボールばっかり優先して家の手伝いもロクにしない時期もあったんですけど、辞めてからはすーっかりいい子になって。

 あの人が出て行った時も、自分から冒険者になってウチを支えてくれるって言ってくれて、もう私感動しちゃって!


 この子ったら、ヒロ君たち、ああ、弟や妹がいっぱいいるんですけど、その子たちの面倒もしっかり見てくれて。ヒロ君があんなことになってからもちゃーんと相手してあげて。優しい子なんですよぉ本当に。

 ああ、私のことを思いやって、とっても頑張ってくれるんだなって。やっぱり親子の情愛って何よりも強いんだなって。本当に産んであげてよかったなって思いましたわ。


 ね?とっても素敵だと思いません?ウツミさん」


「……ええ、まあ、ははは」



 ペラペラペラペラ。

 ベラベラベラベラ。


 こちらの都合などお構いなしに捲し立てられるすっからかんの言葉たち。

 絶品と名高いカレーも、砂のような味しか感じられなかった。



「あの人も、ああマリちゃんの父親なんですけどね、マリちゃんを産んだくらいの頃はウツミさんに負けないくらいにとっても頼りがいのある人だったんですけど、年々見る影もなくなっちゃって。


 挙句にわけのわからない女と逃げ出しちゃって。

 全くもう、もう少し人として親として立派に成長してくれたらよかったんですけどねぇ。

 おかげで私も散々苦労させられて。


 でも、それをきっかけにマリちゃんが頑張ってくれたんだから、何が転機になるかわからないものね。

 もう、本当になんて優しい子なのかしら。何よりも大切なのは家族の絆ね。支え合ってこそ家族。そう思いません?ウツミさん」


「いやー……えっと」



 ……のっけから話題のボルテージが高すぎる。

 お、俺は初対面の人間だぞ?



「この子もねぇ。

 昔はバスケットばかりやってて。ちょーっと才能があるからって、いい気になって。家族のこともないがしろにして。

 だからバチがあたったのね。膝なんか壊して。それでも往生際悪くリハビリして復帰したいなんて言い出すもんだから、私言ってやりましたの。


 もう諦めなさい!今までどれだけ家族に迷惑をかけたと思ってるの!貴女のバスケに私がいくらかけたと思ってるの!もう神様がバスケなんて辞めろって言ってるのよ!って。


 そしたらわかってくれたのね。すっぱりバスケと縁を切って。

 その時は、それまで使ったお金がぜーんぶ無駄になったって思ってがっかりしたけど。

 それで今はとってもいい子になって家族のために頑張ってくれているんだから、やっぱり神様は見てるのね」


「……!お母さん、それは、あまりにも……!」



 信じられないような発言に、頭が殴られたような衝撃を受けた。

 いくらなんでも、それはないだろう!


 こんなことを言われたマリがどれほど傷つくだろうと心配になり、あわててマリの方を見るとーーー



 ーーーマリは、軽く苦笑していた。


 まるで、日常の1ページのように。

 少しばかり、照れ臭そうに。

 少しばかり、バツが悪そうに。


 もう、やめてよママ、みたいな?

 ほんと、うちのママって困るわ、みたいな?



 俺は、それに、一番の恐怖を感じた。



 マリにとって・・・・・・これが・・・普通なんだ・・・・・



 深淵を覗いた心持ちだった。

 今まで信じていた世界がガラガラと音を立てて崩れ去るような感覚だった。



 マリ。お前はいつも、こんなことを言われているのか……?



「それでねウツミさん。

 今日はご相談がありますの。


 今は月・水・金の週三日だけマリちゃんと冒険活動していただいているけど。

 これを月から金の週5回に変えてほしいのよ。


 いいでしょう?お仕事って本来そういうものなんだから」


 マリの母は、出し抜けにそんなことを言い出した。


「え、ええと。

 マリさんから、火曜と金曜はお母さんがお仕事で、兄弟の面倒を見なければならないと聞いていますけど」


「あらマリちゃんそんなことまでウツミさんに言ったの?

 やぁねぇ。失礼じゃない。

 ヨソの人にベラベラとウチの都合を話しちゃって。


 大丈夫ですよウツミさん。

 私、今スナックでアルバイトをしているんですが、それを辞めようと思いますの。

 今まで子供たちとあまり構ってあげられなかった分、これからは沢山一緒に過ごしてあげたいなって。


 母親として、当然の想いでしょう?」


「ちょ、ちょっと待ってください!」



 なんてことを言い出すんだこの人は。

 え?今やってる仕事まで辞めるつもりなのか?

 この先、一生、完全にマリの稼ぎに乗っかって生きていくってこと?


 そもそも子供たちと一緒に過ごしてやりたいって、その場合はマリとは過ごせないじゃないか。

 マリは子供たちの中には入らないってことなのか?



「お、お母さん。

 そうはおっしゃいますが、冒険者はこれで、なかなかハードな仕事なんです。

 そう簡単に活動時間を増やせるものではありません。


 そもそも、私もマリさんも一生冒険者を続けると決まったわけではないのですから」



「えっ?ウツミんさん、冒険者辞めるの?」


「……!ああ、いや、その。

 ほら、一生続ける保証はないだろお互いに。

 収入だって、今の公的補助の制度がいつまで続くかわからないしさ。

 常に、状況を観察しつつ、適宜判断していくことになるっていうか」


「ああ、そういうことね。

 なぁーんだ、びっくりした。

 でもよかった。安心したよ。急に辞めるとか言われたら困っちゃうからね」



 本当に心底安心したという表情で、マリが笑う。

 ……胸が痛い。


「むしろマリの方こそ、ずっと続けられるもんじゃないだろ。

 今一年生だっけ?

 二年後には大学受験とかあるんだろ?成績いいみたいだし。


 まあ生活のために頑張らなきゃってのはあるにしてもさ。

 進路やらで否応なく生活は変わるもんだろ。

 それこそ、東京とか大阪に進学することもあるだろうしさ」


「それは……」


「そーうなんですよぉ!

 ヒロ君もタッくんも、大事な子供には大学くらいまで行かせてあげたいというのが親心じゃあないですか。


 でも、私の力じゃとても無理なんです。身体が弱いので。学費なんてとてもとても。


 だからマリちゃんが、進学を諦めてあの子たちの学費まで準備してくれるって言ってくれて、もう本当になんて優しい子なんだろうって、私感動しちゃって。

 支え合う家族って本当に素敵だなって」



 ……マリを進学させてやろうという親心はないのか?



「ええと、学費ならば、奨学金なんかを利用する手もあるかと思いますが」


「ええー?でも、ああいうの、高いんでしょう?

 返済に困っている人がいっぱいいるってニュースで見ましたよぉ?

 無理です無理ですあんなもの。ウチの子達にはとてもとても。

 あんな小さな子たちには」


「ああいえ、今は小さいですが、返済するころにはもう大人ですから」


「ええー、でもぉ。

 大切な我が子にそんな負担を強いたくないじゃないですかぁ。


 まあこんな気持ち、子供のいないウツミさんにはわからないでしょうけどぉ」


 ……無茶苦茶だな。

 ダメだ、埒が明かない。


 まあこれを言ってる俺が100%親の金で進学してるからな。

 ヤマちゃんとかの、自力で奨学金完済してる連中に微妙に引け目感じてるし。

 この線で攻めるのは、俺には無理か。



「お身体が弱いということですが……失礼ですが、なにか御病気など?」


「いえね、特別な病気なんかはないんですが、とにかく昔から身体が弱くって」


「仕方ないよ。ママは身体が弱いんだもん」


 お前は黙っていろ!……とは言えませんわな流石に。

 むしろお前が何様だよって話になるからね。



「いえ、その。

 やはりお仕事を辞めるのは早計でないかと思うのです。

 冒険者はやはりハードで、かつ危険のある仕事です。つい先日も私たちの知人が事故に遭ったということもありますし。


 ましてや娘さんはまだ高校生です。

 こんな仕事を四六時中続けていたのでは、折角の青春時代がもったいないじゃありませんか。

 事情もあるかとは思いますが、やはりお勉強とかお友達との付き合いとか……」


「そうなんですよぉ!

 そんな大変な仕事を買って出て家族を支えてくれるだなんて、本当になんて優しい子なんだろうって、私感動しちゃって、やっぱり家族の絆だなって」


「いえ、それはもう聞きましたが、そうではなくて」


「そうそうそう。

 マリちゃんは高校生なので、18時までしかお仕事できないんですって?

 でもウツミさんのおかげで、近々もっと遅くまでお仕事できるようになるんですって?


 もうほんっとうに助かるなって。ありがたいなって。

 ね?マリちゃん。ウツミさんにも本当に感謝しなくちゃね?」


「そういうことではなく!」



「それにね。いつまでも親の稼ぎをあてにされていちゃ、困るんですよね。

 私だって、いつまで働けるかわからないんですし。

 どうせ先に逝くのは私ですしね」


 ……何を言っているのかわからない。

 マリの母親なんだから、いっても40代くらいだろう?

 なぜそんな年寄りみたいなことを?



 そこで、ようやくわかった。

 この人は、本気で、何も考えていないんだ。


 それで、ドラマだか映画だか漫画だか知らないが、とにかくどこかから聞こえのいい単語やフレーズを拾って、都合のいいように吹いて回ってるだけなんだ。

 家族の絆だの、親子の情愛だの、支えあいだの。綺麗な言葉を。


 言葉の意味なんてロクに理解しちゃいない。

 ホラ、私はこんなにもいい言葉を言っているのよ、だから私は絶対に正しいし、みんな私の言う通りに動くべきなのよ、ってな具合で周りを支配しようとしてきたんだろう。


 内容の整合性なんてまるで頭にない。

 いつまでも親の稼ぎを当てにされちゃ困るってフレーズも、それこそ俺の親父が俺に言う分にはぐうの音も出ない程の正論だろう。

 でもこの人が言う分には当てはまらない。そこのところを本気で分かってない。



 大人が聞けばその異常性はすぐにわかる。

 子供だって、ちょっと聡い子ならすぐに論破できるだろう。

 でも……それこそ、マリのような、共感性の高い子なら。

 どこかおかしいと思いながらも、諾々と支配されてしまうのかもしれない。


 また、そういう子の罪悪感を煽るのが上手いんだろうな。

 この手の手合いは。



「それでね、私は本当に感動して、感謝して……」



 ペラペラペラペラ。

 ベラベラベラベラ。



 長ったらしく、仰々しく。

 それでいて、あまりに空虚な言葉の羅列。



 鼓膜が汚される気分だった。

 どうすればいいのだ、こういう相手には。

 どうしたって伝わらないのかもしれない。この人には。


 異常だ、ということはわかっても。

 その対処法は俺の辞書には記されていない。



 抵抗する気力も失い、ただ押し黙って演説を聞き続けるという、あまりに不毛な時間だった。

 ーーーその言葉が放たれるまでは。



「ね?マリちゃん。

 ほんとにウツミさんには感謝しなくっちゃね?


 だからウツミさん。少しくらいこの子に手を出しても構いませんよ?

 あはは、なーんて。冗談冗談」



 ーーーブチっ!

 堪忍袋の緒が切れた。


 バン!

 テーブルを勢いよく叩き。



「いい加減にしてくださーーー」


「あらやだ!もうこんな時間!」



 俺の怒号もどこ吹く風で、俊敏な動きでマリの母親は立ち上がった。



「ごめんなさいね。もう行かなきゃ。

 どうしても外せない用事があるの。

 今日はお話しできてとっても楽しかったわ。ありがとうね。

 またお茶でもしましょう」



 そう言いながら、こちらに視線すら寄越さずさっさと帰り支度を始めている。


「ご用事ですか」


「ええ、行きつけのパチンコ屋さんに、大好きな韓流スターが営業に来るの。

 韓流スター、お好き?とっても素敵なのよ?

 日本の男の人たちにも、もっと彼らを見習ってほしいわ。


 それじゃあ、ウツミさん、マリちゃん、お仕事頑張ってね。


 マリちゃん、ここの支払いは宜しくね。

 ちゃんとウツミさんの分も払ってあげるのよ。こちらからお呼びしたんだから。

 人間同士のお付き合い、礼儀と誠意ほど大事なことはないのよ?」



 そういって、その巨体でよくぞ、というスピードで駐車場へと去っていった。



 酔いは、醒めた。

 酔う前よりも疲れた感触はあるが。


 さしあたり、本当に俺の分まで払おうとするマリを止め、3人分の会計を済ませた。

 高校生に払わせられるかよ。



 そのまま無言で駐車場の車に乗り込んだところ、マリも助手席に乗ってきた。

 ああ、そうか。アシがないんだな。

 そのまま、何とはなしに一緒にギルドに向かう。



「あはは。なんか、ごめんね。

 ウチのママ、空気読めないところあるからさ」



 空気が読めない、か。

 多分違うなそれは。


 正確には、人の心がわからない、てとこだろう。

 あるいは、人の心を持ち合わせていない、ってか。


 勿論口には出さないけどな。

 でも、他のことも口に出せなかった。

 終始無言。フォローの一つも言ってやれなかった。


 高校生が気を遣ってるってのに。

 大人が。ましてや保護者見習いが。


 ……情けねえ。


 車内はずっと重苦しい雰囲気だった。



「ギルド到着!

 よーし、今日もがんばるぞー!

 今日は長く潜れるからね!沢山稼がなくっちゃ!」


「なあ、マリ」



 カラ元気を出すマリに対して、俺は言った。

 迷いは、大いにあるけども。


「もう、やめにしないか?」

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