第28話 決着



「飛鷹。終わったわよ――次はあなたが使命を果たしなさい」

 グランドコンプリケーションと斬り結んでいたブルーティアは、レッドローズからの通信を聞いた途端、斬り結ぶのをやめて後ろに跳んだ。通信に耳を傾けたかったからだ。

 腹の真ん中が暖かくなるのを感じた。

 上空を見上げなくても、肌でわかる。

 レッドローズは、スワーラは、狙撃を成功させた。

 ――まったく、モノホンのロックオン・ストラトスだな。

 ヘルメットのしたで笑った。

「おう! 任せろ!」

 自分でも驚くほど威勢の良い声で答えて、グランドコンプリケーションを睨み付ける。

「あんたの切り札の衛星砲は壊れたみたいだな」

「ぐぅ」

 グランドコンプリケーションも自分の切り札が破壊されたのはわかっているようだ。苦悶の声を初めて聞く。

「降伏したらどうだ? もう手はないはずだ」

「まだ諦めぬ!」

 クロックロイド! グランドコンプリケーションが叫び、多数のクロックロイドがずらりと並んだ。疲弊したいまの状態で、この数を相手にするのは少々疲れる。だが、倒せない数ではない。グランドコンプリケーションもわかっているはずだ。

 ――時間稼ぎだな。問題はなんのために?

 考えながらクロックロイドを斬り伏せていく。クレセントムーンとレフトセンテンスが振り回されるたびに、切り裂かれたクロックロイドの体が宙を舞う。

「雑魚は任せな!」

「ここは任せてください!」

 イエロープミラとパープルドラゴン。ふたりが加勢してくれる。

「助かる!」

 ブルーティアはグランドコンプリケーションに意識を向ける。



 ※



 一条のビームがレッドローズの装甲を掠めた。

 思考するより早く、狙ってきた何者かを撃つ。狙ってきたのは衛星だ。衛星としては超小型で、全長は一メートルにも満たない。まともに食らえばiPoweredの装甲にそれなりのダメージを与えられる威力があったが、破壊してしまえば問題はない。

 むしろ宇宙のゴミを増やしてしまったことに多少の罪悪感を抱くほどの余裕がある。

「思わぬ伏兵だけど、チャンスを無為にしたわね」

 飛鷹たちの援護に向かわなければ。グランドコンプリケーションは逃走するつもりらしいが、ここで逃がすわけにはいかない。ザ・クロックの強みは、その圧倒的な物量だ。生産設備と資源さえあれば、無限に作り出せる戦力。

 その戦力を生み出すにはグランドコンプリケーションが必要だ。逆に言えば、グランドコンプリケーションがいなければ、無限の戦力は作れない。だから絶対に逃がすわけにはいかない。

 ビームが掠めた。

 反射的に撃ち返し、新たなスペースデブリを生み出す。

 微かな違和感を感じ、すぐに自分の過ちに気づく。

 どうして小型衛星がひとつだけだと錯覚した? あれだけのサイズならば、他にあってもおかしくはないはずなのに。

 無数のビームがレッドローズを襲う。

「イシニコ!」

 イシニコをスカウトして本当によかったと思った。

 天空から降り注ぐ無数のビームから、レッドローズの装甲に当たらない軌道を的確に読み取り、軌道を取れるパイロットがどれだけいる?

 しかしそれでも、幾つものビームは掠め、あるいは手足に命中する。

 iPoweredの装甲を貫き、痛みを感じる。

 iPoweredに内蔵されたナノマシンが装甲と体の傷を修復してくれるが、出血と傷はダメージとして体に着実に蓄積されていく。




 ※



「無数の衛星砲だと?」

「連射は出来ぬ。威力も艦隊を一撃で滅ぼしたものに比べれば劣る。だが人間サイズの標的を倒すには十分だ」

 ブルーティアは舌打ちする。

「形は立方体だ。前面を光学迷彩で隠し、後面の太陽光発電でエネルギーを賄う。後ろから見れば正体は露見するが、地上からしか見上げることが出来ぬならば露見する心配はない。コストも安く、」

「厄介なもんを仕込んでやがって」

「本当の切り札は取っておくものだ」





「何分持つ?」

『ウルトラマンの活動時間と同じね』

「キッツいな」

「私は神は信じないけど、あなたは信じているわ。三分以内にやり遂げてくれるはずだとね」

「俺は期待には必ず応える男だ! 任せとけ!」

 それだけの軽口が叩けるならば大丈夫だろう。いや、あいつは約束は守る奴だ。

「貴様は勘違いしている。切り札を晒す意味をわかっていない」

「どういう意味だ?」

 全身に激痛。

 無数のビームがシャワーのように降り注ぎ、全身に命中する。

「戦士が切り札をみせた以上、敗北は許されるということだ!」

「ミニ衛星砲群はあんたの技術じゃないだろう!」

「貴様にはわかるまい! ミニ衛星砲群を使い戦うのがどれほど大変かっ」

 グランドコンプリケーションがロングソードで斬りかかってくる。

 ブルーティアはレフトセンテンスで受け止めたが、左腕にビームが集中して浴びせられ、思わずレフトセンテンスを落としてしまう。

「ぐあっ」

 剣を振りながら目の前にいる相手の動きを読み、静止軌道上から正確に狙い撃つのはかなり難しい。相当の訓練を積まなければ使いこなせなかったはずだ。

 ――偉そうに切り札というだけはある!

 どれだけの訓練を重ねたかはわからない。この三ヶ月間、グランドコンプリケーションの目撃がなかったのはずっとこの訓練をしていたのかもしれないし、もっと前からしていた可能性はある。

 いずれにしてもこれだけのことをするのは大変だったはずだ。

 ブルーティアは後ろ腰からスティック型手榴弾を取り出して投げた。

 敢えてグランドコンプリケーションとの間に投げて、爆風を前面に受ける。爆風の勢いを利用して後ろに下がり、体勢を立て直そうとした。

「あまい!」

 グランドコンプリケーションが目前に迫る。

 ロングソードの柄が眼前に迫り、バイザーを砕く。

 一世代前だったらバイザーごと目を潰されていただろうが、第三世代iPoweredはバイザーも強化されていた。一撃で破壊することは出来ない。だが次に同じところを狙われれば、確実に目をやられる。

 グランドコンプリケーションとの戦いで――いや、剣聖と讃えられるセダム・ナエストとの戦いで片目が見えないハンデを背負って勝てると思うほど、ブルーティアは傲慢ではなかった。

 ――やべえぞ。レフトセンテンスを落とし、バイザーも砕かれた。状況は悪くなる一方だ。

 レッドローズとの約束の時間が迫っている。

 三分で片付けなければ、レッドローズの命がない。

 大切な仲間を死なせたくはない――しかし状況を打破する道筋すら見えない。期待には必ず応えるといっておきながら、情けない。それだけグランドコンプリケーションは恐ろしく強い。

 グランドコンプリケーションが動く。

 姿勢を低く、背面から大量のセキレイ粒子を吹き出しながら急接近してくる。ブルーティアは左逆手にナイフを構え、ロングソードを受け止めようとして、左膝を付く。

 ロングソードの勢いと重量はナイフで受け止められるものではない。

 クレセントムーンはシールドで防がれている。

 万事休すか! そう思ったときだ。

「一斉射撃! 開始!」

 大量の銃弾とロケットランチャー弾が、グランドコンプリケーションの背中に叩き込まれる。

 衝撃でブルーティアは後ろに転がりながらグランドコンプリケーションと距離を取り、窮地を逃れた。

 グランドコンプリケーションに多数の銃弾とロケット弾、ミサイル、ビームまでもが浴びせられていた。

 攻撃している方向を見れば、連邦海軍の陸戦隊と北米同盟の海兵隊。ネフアタルが共同で攻撃をしている。

 ムーブメント攻略戦に参加した三陣営のものたちが、共同戦線を張っている。味方なのだから当たり前という見方も出来る。しかしこの三陣営は共同で訓練をしたわけではなく、日本連邦と北米同盟は互いに仮想敵だ。

 インタグルド戦術部も敵ではないが、オーバーテクノロジーを持つ者として警戒はされている。

 その三陣営のものたちが自主的に援護をしてくれている。

 共通の敵を倒すため、合理的な行動だ。

 だが人間はなかなか合理的には動けない。

 ザ・クロック事変を経ても、人類はひとつの国家にはなれなかった。

 そんな人類が共通の敵を倒すためだとしても、ひとつに纏まった。

 そのことがブルーティアは無性に嬉しかった。

 グランドコンプリケーションを倒すには至らないが、足止めにはなる。

 ブルーティアはレフトセンテンスを拾うことが出来た。

 

「水を――さすな!」 

  

 グランドコンプリケーションが咆哮しながらシールドを振るう、その動きに合わせてミニ衛星砲群が自分を援護してくれる三陣営に降り注ぐ。

 命が失われていく。

 ブルーティアの頭に、旧ザ・クロックとの決戦時の光景が過ぎる。スミーヴァの仲間たちが次々と死んでいく。あるものは自分を護るために盾となり、あるものはクロックロイドの物量差に押し潰される。

 ともに戦った仲間たちが死んでいくのは地獄だった。苦しかった。

 トラウマが呼び起こされる。

「やめろぉおおお!」

 ブルーティアはグランドコンプリケーションに斬りかかる。

 意識を背ければ、ミニ衛星砲群を操ることは出来ないはずだ。

 目論見通り、ミニ衛星砲群は一時的に止まった。

 すぐに再開する。

 必死に攻撃しているつもりだが、ミニ衛星砲群を操る余力はあるらしい。

『エアトゥース級の下に隠れろ! 急げ!』

 エアトゥース級を貫く威力はない。

 iPoweredの装甲を貫けるのだから、下位互換のネフアタルの装甲はシャープペンで紙を貫くより容易い。

 戦術部のエアトゥース級が三陣営の盾になろうと動く。

 その前にミニ衛星砲群からビームが降り注ぎ、駆ける三陣営に襲いかかる。

 失われていく命。

 ビームをかわせなかった仲間が、上陸した陸戦隊と海兵隊の兵士たちが死んでいく。

 人が死ぬなんて見慣れていたはずだ。

 今回の戦いでも大勢の人間が死んでいる。

 動揺している暇なんてないのに、胸を傷む必要はないのに。

 ――チクショウ! チクショウ! チクショウ!

「これ以上殺すな!」

 ブルーティアは斬り合いながら叫んだ。

「無理な話だ! 我が切り札を見たものは生かして帰さぬ! ひとりもだ!」

「あんたはそんな人だったのか!」

「我が英雄と呼ばれる由縁を教えてやる! 我の得意としたのは敵の通信機を奪い、救援を要請してのこのこと来た援軍を一気に叩く! そのために敢えて止めを刺さず、通信機を持つ敵と話して情報を手に入れていた! この戦術で我は味方を勝利に導いた! 敵を残らず殲滅し、我の戦術が敵に渡らぬようにしたからだ!」

「だから生かして帰さないってか!?」

「無論だ! 貴様らを撃退したあとに、他のザ・クロックが攻めてくるのは明白。我が戦術を万が一にも知られるわけにはいかぬ!」

 そんな人だったのかと呆れつつ、戦術としては間違っていないと思う。

 戦いに卑怯も糞もない。

 どんな手を使おうが勝てばいい。

 セダム・ナエストという英雄の戦い方は間違っていない。

 だがその戦い方を実行させるわけにはいかない。

「もう誰も死なせない!」

 ブルーティアは自分に言い聞かせるように叫んだ。

 直後。

 目の前にビームが撃ち込まれ、土埃が視界を遮る。

 ブルーフォースは脚の痛みを感じ、ほんの少しよろめく。

 喉を皮一枚でグランドコンプリケーションのロングソードが掠めていき、冷や汗をかく。

 レフトセンテンスで突き放たれたロングソードを捌けたのは、斬り合った経験からだ。

 生き残ったのは運がよかっただけだ。

 老練。

 左腕に痛みを感じ――無視した。

 ミニ衛星砲で狙ってきた。

 切り札を巧みに利用し、こちらに止めを刺そうとしてくる。

 もし最初の段階でミニ衛星砲群を使われていたら、とっくの昔に死んでいた。

 しかしどうしてもっと早く使わなかった? ピンポイントで狙えるならば、もっと使えばいいのではないか?

「そういうことか――なるほどな」

 グランドコンプリケーションの言葉は正しい。  

 ポテンシャル以上の実力は発揮出来ない。

 それはグランドコンプリケーションも同じだ。

 戦いながら、衛星砲で狙うのはかなり大変だ。

 そう簡単には使えないのだろう。

 命中させられたのは、グランドコンプリケーションもこれまでの戦いから自分の動きを読んでいるからだ。それはこちらも同じだ!

 ブルーフォースはだらりと両腕を下ろした。

 戦いのなかで両腕を下ろしたことに、グランドコンプリケーションはほんの一瞬だけ逡巡した。

 即座にグランドコンプリケーションはシールドを突き出す。

 ブルーティアは後ろに倒れながら、シールドを蹴り上げる。

 グランドコンプリケーションは後ろに大きく跳んだ。

 ビームが降り、連続した爆発がグランドコンプリケーションとの間に壁となって立ちふさがる。

 さすがの判断力だ。経験が違う。

 このまま仕留めようと思ったのだが、これでは無傷とはいかないだろう。

 しかしこの好機を逃すつもりはない。

 爆発のなか、ブルーフォースは駆ける。

 iPoweredの装甲は爆発に耐えているが、いつまで持つかわからない。

 勝負を決めるとすれば一撃。

 クレセントムーンを鞘に戻す。

 爆発を抜け、グランドコンプリケーションの姿を捉える。

 グランドコンプリケーションがロングソードを振るう。爆発から抜けた瞬間を狙う一撃は鮮烈で、的確。それ故に予想しやすかった。

 レフトセンテンスでロングソードを弾き、握り手を開いた。レフトセンテンスが飛んでいくのをグランドコンプリケーションはほんの一瞬だけ注視する。刀がブーメランのように飛んでくるかもしれない。そう思ったのかもしれないし、別の可能性を考えたのかもしれない。

 いずれにしても一瞬だけ、注意が逸れた。それで十分だった。

 ブルーティアは身を丸め、左手でクレセントムーンの鞘を握り、右手で柄を握る。

 体を起こしながらクレセントムーンの鞘を引き、クレセントムーンを逆袈裟に抜き放つ。

 クレセントムーンの刃が鞘を走り、加速する。

 目にも止まらぬ速さで放たれた神速の一撃は、がら空きになったグランドコンプリケーションの胴を袈裟に斬る。

 グランドコンプリケーションが、がくりと両膝をついた。

「貴様の……勝ち……だ……ゴフ、ゴフ……我が……弟子……よ……ゴフ、ゴフッ……」

 グランドコンプリケーションが血反吐を吐き、弱々しくいった。致命傷だ。機械仕掛けだとしてももはや助からない。そう直感的に理解できた。

 グランドコンプリケーションが震える両手でヘルメットを脱いだ。

 久々に見た師匠の、セダス・ナエストの顔は記憶よりも老けていた。

 Skypeでは何度も目にしているのに、直接会ったのは何年ぶりか。

 最後にSkypeでビデオ通話をしたのは三ヶ月ちょっと前だ。

 その三ヶ月の間で一気に老け込んだ。きっと心労が多かったのだろう。でなければ、こんな狂気の沙汰としかいえないことを実行できるはずがない。

 ブルーティアもヘルメットを外す。これから息絶える師匠に対しての弟子としての礼儀だと思うから。

「つよ……い……な……」

「本当に強いのはひとに想いを託して死んだ奴さ」

 ブルーティアは雫の最後を思い浮かべた。

「死んだ奴の想いを無視するわけにはいかないし、反論することも出来ない。まったく、最強だよ。死に際にあんなこと言われて、無視するわけにはいかないじゃないか」

「そう…………か……」

 グランドコンプリケーションは頷く。

 その声はとても穏やかで、その表情は憑き物が落ちたように清々しい。

「O学……会……我ら……に……技術を…………あたえ……名……だ……ゴフ、ゴフッ」

「どうして教える?」

「弟子……の……成……長……ゴフッ……ゴフッ……に……褒……美……を……やらねば……な……ゴフッ、ゴフッ……」

「師匠、あんたってひとは」

 喉から手が出るほど欲しかった情報だ。

 まさか師匠から情報を得られるとは思わなかったのでかなり嬉しく、どうして教えてくれたのかを考える。

 セダム・ナエストという男は恩を忘れない。O学会という組織はセダムにとって技術を提供してくれた恩のある相手のはずだ。軽々しく教えて言い相手ではない。

 O学会に恩を仇で返したことになるが、セダムは恩を仇で返すようなことはしない。

「ベースティア……一味……し……るか?」

「武器商人だったよな。ここを購入したのも、あいつらが関わっているとか」

「ばかな……こと……をした……や……ら……そこ……くを」

 セダムの故郷であるフィウーネ共和国は最近、情勢が悪いと聞いたことがある。反政府組織が急激に武装したのが理由らしいが、武装するためには武器を売る相手がいるはずで、売ったのがベースティア一味との噂を耳にした。

 さらにベースティア一味の武器は、特殊だという。金属探知機にも引っかからず、従来の兵器を凌駕するというものだ。

「ベースティア一味がとんでもない武器を売って大もうけをしている。その武器を作ったのがO学会というわけか?」

 セダムは頷く。 

「安心してくれ、ベースティア一味もあんたの後を追わせる。逃がしはしない。必ずだ」

 ブルーティアはセダムの首にクレセントムーンを向けた。 

「ありがとう……」

 その言葉とともにザ・クロックの首魁であるグランドコンプリケーションを、いや、師と崇めたセダム・ナエストの首を切り落とした。

 ブルーティアはクレセントムーンを鞘に収め、後ろを向いて歩く。

 数歩歩いたところで、背後から爆発がする。

 グランドコンプリケーションの痕跡ごと残らず消し去る。

 血の一滴、骨のひとかけらも残さずこの世から消えた師のことを考え、胸に抱いた哀愁をグッと抑えて歩く。

 まだ始まったばかりだ。

 新旧のザ・クロックの黒幕は同じだった。O学会を倒さなければ、戦いは終わらない。第三のザ・クロックが現れる。それだけは阻止しなければいけない。

 こんなところで立ち止まるわけにはいかないし、こみ上げてくる涙も抑えなければいけない。

『泣きたければ泣けばいいわ。涙を流すのは弱さではない。むしろ強さよ。泣きたいときに泣けない人間は強くなれないわよ』

「――ったく、あんたってひとは」

 こっちは涙を流すのを堪えているのに、そんなことを言われると泣きたくなるではないか。

 大切な人を失い、いま恩師も殺した。

 だから泣かない。

 すべての決着をつけるまで、涙は流さない。そう決めた。

 決着が付いたら涙を流そう。

 すべてが終わったということだから。

 涙を流すためにも戦う。

 飛鷹は密かに心のなかで決意した。

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