第6話 症例様々、耳鼻科や眼科
夜間救急外来には様々な相談の電話がかかってきます。
その中で今日はマイナー科と言われる、耳鼻科や眼科のお話です。
結構珍しい症例が多いんですよ。
うーん、内科か外科かと言われたら外科系かな?
でもゆきのさん今、連載が忙しいので朝樹で我慢して下さい。
その内とんでもないネタをぶっ込んでくれるでしょう(笑)
夜間の耳鼻科に多いのが、副鼻腔炎とか鼻炎の相談です。
でも当直に耳鼻科がいることは本当に少ないので、緊急性がない場合翌日の受診にしてもらっています。
熱が高いとか、我慢できないとかの場合その時にいる外科系当直が解熱剤とか痛み止めを出します。
後は鼻血。
止血剤をしみこませたガーゼを詰めます(研修医がやります)
この辺までは救急外来で処置可能なのですが、時々びっくりするケースも来ます。
「子供が魚の骨がのどに刺さったって言ってるんですけど!」
と言うケース。
実は結構多いんです。
ここで何の魚か聞きます。
「何の魚かとか関係あるんですか!?」と、怒鳴られたこともありますが、実はあるんです。
耳鼻科の先生、魚の種類を聞いたら大体の骨の大きさが分かるので、どの辺に刺さっている確率が高いな、ってところまで想像がつくらしいです。
万が一、そんな事態になったら魚の種類まで調べてから電話すると良いかもしれません。
……まずないと思いますけどね。
でもこの魚の骨、バカにできないんですよ。
小さな魚だと、耳鼻科の先生を自宅から呼びだして「ひょい」って感じで取ってくれるんですが、問題は大きな魚だった場合。
鮭とか鯛とか。
この辺は骨が太いので怖いです。
食道を貫通して、心臓近くの大血管が損傷します。
ここまで来ると、心臓血管外科による緊急手術です。(もちろん大事です。命にかかわります)
その前に消化器内科が内視鏡もするんですが、場所が悪いと大騒ぎです。
皆さま、魚の骨はきちんと取って食べましょう。
大体は子供か年配の方が多いのですが、たまに酔っぱらって飲み込んじゃうケースもありました。
酒は飲んでも骨は飲まないでください。
耳鼻科で珍しかったのは、耳に穴に虫が入った、と言う症例でしょうか。
コレも魚の骨程ではないのですが、時々あります。
緊急性と言う点では「明日耳鼻科行って下さい~」になりがちなのですが、これは結構きついらしく、皆さまぐったりとしながらやってきます。
中に入る虫は色々ですが、最悪は家庭内害虫の「G」でしょうか?
ヤツは後ろに進めない?らしいのでひたすら耳の奥に入ろうとするようです。
ご家庭で対処する場合は油を耳の中に入れるのが有効らしいのですが、病院の方が安心かも知れません。
あと、鼻血で救急車を呼ばれる方が結構いたりします。
白いティッシュパーパーに赤い血液が流れる光景を見ると、つい119をコールしたくなる気持ちは分かるのですが、鼻血の出血って見かけより少ないんですよ。
ティッシュがかさばるし、大量出血に見えるのでしょうが、出血点はほんの小さな傷です。
(この場合転倒などの外傷性の出血は除く)
慌てずに、坐って「ロダンの考える人のポーズ」をして下さい。
安静に…と思って横になっている人もいますが、横になると血液が胃の方に流れこんで気分が悪くなります。
なので、考える人のポーズですわって、小鼻の少し上を押さえて下さい。
で、このまま十五分から三十分。
ほぼ必ず止まります。
転んだなどで、顔面から着地してしまって出ている鼻血は、諦めて耳鼻科の居る病院を探しましょう。
血液サラサラ系の薬を飲んでいる人は、特に注意して下さい。
眼科は「目に何か入った」系が一番多いですね。
性質が悪いのは仕事中に鉄粉が入った、木くずが入った、と言う作業中の物。
鉄粉にしても、木くずにしても眼球結膜に刺さったりします。
なので、こう言った物が舞飛ぶ作業をされる人は、何か目に入った時は擦ったら絶対だめです。
静かに水で洗って、それでもだめなら出来るだけ早く病院へ行ってください。
最悪緊急手術になった例を見ました。
あと「コンタクトレンズが取れない」と言う相談もあります。
これは緊急性がないので翌日に来てもらっています。
でも良く話を聞くと、ワンデイのレンズを一カ月以上入れっぱなしにしていたとか珍しくないです。使用上の注意は守りましょうって話です。
眼科は、視力が急に片目だけ見えなくなったとか、視野が急に狭くなったとかは救急の場合がありますので、この場合は眼科医の居る病院を探して下さい。
片目だけ急に見えなくなった、の方は脳外科でも良いかもしれません。
取り合えず地域の大きい病院に電話して相談を。
今回はこんな感じでしょうか?
何か、対処の聞きたい症例があったら解説いたしますので感想欄にでもリクエスト下さいませ。(七沢も対応しますのでこちらでもお気軽に。ただ朝樹さんにお尋ねすることになるのですぐに、は難しいと思います)
耳鼻科や、眼科は夜間診ている所がとても少ないです。 ←フォント大
なので可能な限り日中対処しましょう。
大きな病院だと受付時間にかからず、日中なら対処してくれる所もあると思います。
結論
異常があったらなるべく日中受診!!
です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます