第88話 これが本当の絶望 

 「今ごろ忍犬が仲間を呼びに行っている。今なら仲間になるなら迎え入れてやるぞ。」

 

 苦し紛れの発言に容赦のない獰猛な笑みを浮かべるピューネ。クーヤンとの旅では穏やかなイメージがついているが、本来は恐怖の象徴でもある蛇(ヒュドラ、ヤマタノオロチ、ウロボロス等)のトップに君臨するデルピューネである。


 「お主が言う忍犬はあれのことか?」


 「なっなぜここに・・!」


 「因みに村の人はすでに対処済みじゃ」


 「嘘をつくな。」


 「我が同胞のカメレオンスネーク、別名アサシンスネークに対応させておる。」


 「同胞?カメレオンスネーク意味がわからん。」


 そこで人化を解くと狼狽える冒険者に一歩近づけば、一歩下がる。これが蛇に睨まれたカエル。


 「ガ、ガキを人質に取るぞ。」


 ザッシュの発言とともに雷神と風神の会わせ技(轟雷天風斬)が襲う。


 「バカヤロー殺したら人質にならねーじゃねーか。」


 近接戦闘に特化したザッシュには、魔法に長けた二人のようにクーヤンから漏れる魔力量を感じとることが出来ず、直撃を受けたクーヤンを殺したと思った。


 「違う属性を合わせる技貰いました。これはお礼です。豹炎土凍騨」


 「なっ!!!無傷・・。嘘だろ、三属性を一人で、しかも無数に、ありえん」


 魔力障壁を張り、(轟雷天風斬)をやり過ごした後、豹の形をした炎・土・氷の塊を無数打ち続ける。8分殺しで抑えると!


 「おいっ。クーヤンワシの獲物は」


 「ハイヒール。」


 「ヒッ。」


 ピューネに怒られたためハイヒールをかけて傷を癒して再戦しようとしたが、怯えてしまい戦いにならない。それを見たピューネはあきれ返り殺気が消えた。


 「さてどうしよう?幸い可憐は気絶しているから、今のうちに証拠隠滅を行うべきか。」


 冒険者は幻影のアランと呼ばれた冒険者意外は拠点に移し、拠点の畑を手伝わせる。アランと賊はすべて首をはねる。洞窟のなかへ入って行くと、あきらかに貴族の手紙があるためマジックバックに入れてから可憐達を起こす。


 「こ・・ここは?」


 「大丈夫ですか?」


 「そうだ。ザッシュなどの?あれ・・?クーヤン君これは?」


 「可憐達が意識がなくなった後、ピューネが幻影のアランを倒すと、高ランク冒険者達は消えました。」


 「なるほど、あれは幻影だったはけね。」


 あれ?でも、確か幻影は敵が攻撃をしても幻、影を切ったように感じるからついた二つ名だった気がするんをだけど・・・


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