第82話 担当
朝方まで杭を打ち込んでいたために昼前に目が覚めた。ピューネとドラコは朝早くから依頼を受けに行っているようだ。俺はドラドラを連れて昨日購入した場所に向かう。
「こんにちはヤードラさんはいますか?」
「ヤードラの知り合いか、ちょっと待ってな。」
購入した場所に着くと休憩をしている人にヤードラがいるか確認する。
「クーヤン君こんにちは、朝来たら杭がすべて終わっていたので驚きましたよ。壁の方は、後一時間では終わりますので、そしたらお店を始めたいと思います。」
「すいません、その前に、鍛治工房をこのドラドラと話して貰えますか?」
「解りました。」
「三時間後には又戻ってきますので、お願いします。」
ドラドラを残してモロに乗って冒険者ギルドへ向かう。昼を少し回ったぐらいの為、だいぶ人が少ない。
「ここは小さなお子様が来るところじゃねーぞ。」
「サコザ止めなよ。こんな小さな子供に!」
冒険者成り立てだろって感じの奴に絡まれスルーしてカウンターへ向かう。
「おい、シカトこいてんじゃねー。」
左肩を捕まれ引っ張られる。
「すいません、弱いものと遊んでる暇はないので放して貰えますか?」
「誰が弱いって!Eランク冒険者のサコザに向かって。」
逆から読めばザコさになるじゃんって心で思い。ため息がでる。
「なめてんじゃねー。」
あまりにも遅い左ストレートが来たもんだから、そのまま腕を掴み、一本背負いの要領で投げる。その時に腕を絡めて折ることを忘れずに。
「グヮッ!イタ、腕がぁぁぁ……」
ライガとエンガの件で相当イライラしているのだろう。ついやってしまった。まぁ。悪いとは思ってないけど!
「おいっいくらなんでも腕を折ることはないだろ。」
「絡むなら殺られる覚悟ぐらいあってもいいんじゃないですか?こっちも理不尽に絡まれて頭に来てるんですが!」
「くっ、サコザ大丈夫か?」
「マジで許せねー。ジュラあいつボコるぞ」
「次は殺す。」
短剣取り出して、殺気を向けると二人はギルドから逃げていった。そのままカウンターへと向かう。
「こんにちは、冒険者ギルドガドラス支店へようこそ。本日はどのようなご用件ですか?」
さすが受付嬢、日頃から荒くれ者を相手しているだけあって平常運転だ。
「すいません。担当をつけて貰えませんか?」
「へ?担当ですか?」
「これなんですが?」
この国のみのギルドカード見せてもキョトンとされている……。後ろから別の受付嬢が来て話す。
「すいません。この子新人な者で、担当ですね。畏まりました。1度ギルドカードお預かりします。」
新人と言われた子と一緒に奥の部屋に行って十分程で先程現れたベテランが戻ってきた。
「私はここの副ギルド長ナマリー。よろしくね。」
「クーヤンです。よろしくお願いします。」
「ギルドカード返しとくわ。それにしても一年で400超えの依頼達成に2金貨以上納めてるなんて凄いわね。」
「それは僕だけの力ではなく、テレサ、当時の担当のおかげです。」
「あれ?意外だわ。あんな好戦的だったからもっと傲慢な子と思ったけど真面目で謙虚だね。」
「先程はすいません。この街に来る前に嫌なことがあって、つい八つ当たりをしてしまいました。」
「いえいえって話がそれたわね。担当でしたね。この街で初の事で困ったわ。クーヤン君はいつまでいるつもりかしら?」
ベテラン冒険者の担当ならいるが、12才以下が冒険者になるための担当は、初らしい。
「街外れに土地を購入したので、10金貨納めてギルドカードを手に入れるまではいますね。」
「それなら担当が空いている人なら誰でも良いわね。この街周辺で活動するならここの受付嬢でも良いけど、開拓村周辺で活動するなら出張ギルドの受付嬢が良いわね。」
「ココナッツの実の採取を受けようと思ってます。」
「それならこの街から北へ向かった場所にあるからここの受付嬢がいいわね。何か要望はあるかしら?」
「縛りがなければ誰でも良いです。」
「それなら先程の新人のチーアでも良いかしら?」
「構いません。」
「解ったわ。少し待っててね。」
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