第81話 ギルド。
翌日四人で朝飯を食べてから冒険者ギルドへ向かう。入り口をあけるとかなりの冒険者がいるため、先に商業ギルドへ向かう。
「おはようございます。商業ギルドガドラス支店へようこそ。」
「おはようございます。」
挨拶をして、商業ギルドカードを見せる。
「クーヤン樣ですね。本日はどのようなご用件ですか?」
「街から離れた位置にお店を構えたいのですが、」
「街から離れた位置ですか?」
一般的に、人通りの大い場所にお店を構えるのが普通な所を、街外れと言った事で小首を傾けながら聞き直してきた。
「はい。街外れです。」
「予算や規模はどれくらいですか?」
「300金貨で倉庫と一軒家と20㎡の建物と庭があれば良いですね。」
「その条件ですと、二つ程候補があります。1つは50金貨で元農家で倉庫と一軒家があり、農地が広いのでそこに別途お金をかけてお店を作る。もう1つは200金貨で元鍛冶屋で倉庫と一軒家があり、鍛治とお店がくっついてます。庭は少し狭いですね。もしくは1㎡1銀貨で土地だけを購入して、新しく作るって方々もあります。」
「元農家を見せて貰えますか?」
「少々お待ちください。」
受付の人が奥へ行ってから他の人を連れてきた。
「この方ジャックが案内します。」
「ジャックです。馬車を用意しますのでお店の前でお待ちください。」
馬車に揺られること一時間、ってか街外れは、本当に街外れで、街の裏門から出て三キロ程の場所である。因みにここから先に十キロ程進むと開拓村があるそうだ。その為辺境伯の騎士団や冒険者が行き来するため魔物もほとんどいないために、所々に家が存在する。
「こちらが元農家になります。」
「えっと……この畑全てですか?」
パッと見た感じ1k㎡あるのでは?確かに1家族だとそれぐらいの規模の農地を耕すだろうけど、あまりの広さに驚いている。
「はい。この小屋二つと一軒家もです。」
小屋は農具入れと家畜を入れていた感じで、一軒家は二階建てになっていて一階にキッチンと二つ部屋があり、二階は広い部屋となっている。
「ここに決めました。」
「畏まりました。それでは一端戻りましょう。」
一時間かけて商業ギルドへ戻る。
「ミーチェ購入されるそうなので、手続きお願い。」
「解りました。クーヤン君50金貨とこちらにサインをお願いします。」
「これで良いですか?」
「はい。問題ありません。」
「それとすいません。腕の良い大工を紹介出来ませんか?」
「それでしたらギルドを出て二軒左隣がお勧めです。」
「ありがとうございます。」
商業ギルドを出て言われた場所に行くと、ミツヤ工房と書かれたお店がある。
「いらっしゃい。ご用件は?」
「街外れにお店を作りたいのと柵を作って欲しいのですが?」
「実際の場所に案内して貰えますか?」
「解りました。ドラコとピューネは冒険者ギルドに行って、簡単なクエスト受けてきて、ドラドラは宿に行って休んでていいよ。」
「了解。」
「あっ!クーヤンって言います。モロに乗って下さい。」
「自己紹介もせず失礼しました。私はこの店の副店長ヤードラと言います。よろしくお願いいたします。」
簡単に自己紹介をして、山犬のモロに乗って貰い、俺は後ろから走る。二十分程で着いてヤードラと話す。
「かなり広いですがここですか?」
「はい。先程柵と言いましたが、周りから見えないように三メートルぐらいの高さで囲って貰いたいです。」
「杭を打ち込んで板でするなら30金貨になりますね。ブロックでとなりますと100金貨はみて頂きたいです。」
「杭はこちらで加工して打ち込みますので、板だけ張り付けお願いします。」
「それでしたら13金貨になります。」
「この小屋の半分を鍛治の出来るようにして欲しいのとここに二階建てのお店を作りたいのですが!」
お店の細かい見取り図を説明する。お店を入ると左右に棚があり奥に進むとカウンターでカウンターの内側から二階に登る階段になっていて二階にあがると広い空間で在庫置き場として使う。
「なるほど、二階に在庫を置くなら耐久度をあげるため、店のまん中に壁を作った方がいいですね。」
「それでお願いします。」
「鍛治工房が170金貨お店が120金貨になりますが宜しかったですか?」
「鍛治に関してはドラドラと話し合って決めて貰えますか?取り合えず、柵とお店をお願いします。」
「畏まりました。明日からさっそく始めたいのですが、杭はいつ頃終わりますか?」
「明日には終わらせときます。それと26金貨渡しますので、板は二重構造でお願いします。」
「明日?解りました。さっそく壁から始めます。」
話が纏まり146金貨を支払いモロに乗って貰い戻る。その日の夜に風魔法で木を伐採して杭を作り、五メートル間隔に打ち込んで行く。
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