第80話 ガドラス街
ガドラス街に向かう途中マルチ男爵から謝罪の言葉を言われ、ザッグ伯爵がどんな人物かと、この国の貴族の構図を簡単に教えて貰っている間にガドラス街へ入った。
「マルチ男爵樣と護衛の方達ですね。ようこそガドラス街へ」
「クーヤン君ありがとう、この街には一ヶ月は滞在するから何か困った時は、柳の小鳥邸に尋ねにきなさい。」
「はい、こちらこそありがとうございます。」
街へ入り、マルチ男爵とはそこで別れた。
「先に冒険者ギルドへ行こう。」
「はい。」
ピューネの依頼達成とドラコの冒険者登録だ。本当はドラドラも登録させたかったが鍛治しかしないと断られた。
二人の手続きをしている間に依頼掲示板を見るとココナッツの実の採取があった。ただ気になるのがランクD 冒険者以上でかなり高額な報酬になっている事だ。
「終わりました。」
「今日は宿に泊まって休んで、明日から依頼をうけよう。」
ギルドを出て宿を探して歩いていると良い匂いがする屋台があったため並ぶ。
「へいらっしゃい。」
「おいちゃん八本お願い」
「160銅貨だ。」
2銀貨渡して40銅貨を受けとる。
「ほらよ。出来立てで熱いから気を付けな。」
「ありがとう、うまっ!!アツッ」
「美味しいですね。ジャイアントラビットの肉かしら?」
「当たりだ。嬢ちゃん。」
ピューネは嬢ちゃんと言われて照れているようだ。ドラコとドラドラはもくもくと食べている。
「おじさん、この辺に宿屋はないかな?」
「それならここをまっすぐ行った所にモクモク亭に行きな。ヘンディーの紹介って言えば安くして貰えるよ。」
「ありがとう。」
ピッ
「おっ!わかってるじゃねーか、ボウズ。」
ヘンディーに1銀貨を親指で弾いて渡してから、暫くまっすぐ歩くと右手にモクモク亭があった。
「すいませーん。誰かいますかー?」
「はいはーい。」
カウンターには誰もいないので声を出して訪ねると、奥から四十代ぐらいのおばさんが出てきて対応してくれた。
「ヘンディーの紹介で来たんですが、4部屋空いてますか?」
「えぇ。空いてますよ。一泊30銅貨の朝飯付きです。宿の裏に井戸がありますので、身体を洗うならご自由に使って下さい。」
6銀貨渡して五日間泊まることを伝え、鍵を受け取り部屋に行く。スマホを取り出すと案の定、面倒な事になっている。赤点が二つあり、ザッグ伯爵と娘のマナリだ。何処かでぶつかる覚悟を持ってそのまま眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます