第71話 ザーザー街
ザーザー街には三日ほど滞在するみたいで、その間は自由だ。ライガとエンガには冒険者ギルドに薬草関係の換金をさせて、ピューネと二人で雑貨屋などで、200・100・50リットル入る樽を在庫のある分をオークの肉やウルフの毛皮と引き換えに購入して拠点に持っていく。その後は奴隷商へと行く。
「いらっしゃいませ。お客様紹介状をお持ちですか?」
紹介状がないことを伝えると、この街(シュナイダ領)の奴隷商は身元が保証の出来ない人には奴隷の売買が禁止されているらしく残念ながら購入が出来なかった。仕方なく屋台通りを歩きながらビューネと串焼きを楽しんで鍛冶屋に顔を出した。
中に入ると、カーン、コーンと作業している音が聞こえる。作られた剣や防具を見ていると音が止んだので声をかける。
「はいはーい。購入ですか?注文ですか?」
地面に書いてこのような物を作れないか確認すると、不思議な顔をして、
「作るのは簡単ですが何に使われますか?」
「モロ、僕のテイムした山犬なんですが、それの足元に着けるものです。」
「なるほど、すぐに作りますので、モロを連れてきて貰えますか?最終調整も行うのに必要ですので!」
「はい。分かりました。」
この世界には馬やテイムした魔物に対して何かを着けることをしないために疑問に持ちつつも店主は対応してくれた。モロを連れてきて足元に蹄鉄を装着する。日本では馬に着けるものなのだが、そこはアレンジして山犬用に作って貰った。時間もあったために、鐙も作って貰い、試しに街の外へ出てゴブリンやコボルトの討伐を行った。騎乗しながらも弓が安定になったり疲労感が軽減したのを感動しながら街へと戻り忘れず商業ギルドへ商法登録を行う。
「クーヤン君、それは何かね?」
ザーザー街から出発するときにマルチ男爵に鐙について聞かれた。
「はい。これは乗りながらバランスが取りやすくする鐙と言う物です。」
「ほほう。なかなか面白い物を考えられたの。」
「因みに足元に着けているのは蹄鉄といって、足を保護する物です。」
「これも面白い。」
その日からヤーナイ伯爵領のパナマ街までの7日間この二つの今後について話が行われた。次のパナマ街にはマルチ男爵が懇意にしている商会があるらしく、そこの商会に紹介状を書くからそこの商会長と話をして欲しいとお願いされた。
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