第16話 初の討伐
仮眠が終わり三兄弟(アーロン、イーロン、ウーロン)が仕留めたオークとブラックモンキーの血抜きをしながら軽く食事を取り、夜に出てくる魔物と注意するべきポイントをおさえる。
元B ランク冒険者のリーリンがいる為、よほど空腹じゃない限り、大抵の魔物は襲って来ないはずだ。だから縄張りに入らない事と、万一の逃げ道を確保しつつ、相手との力量のはかれないゴブリンと依頼の受けたビッグボアの討伐を行う。
さすが夜なだけあって、森に入って数分で何処からともかくゴブリン3体が現れてくる。クウガが俺の護衛につき、リーリンが戦いの見本を見せてくれた。分かったことは魔物とリーリンに力量の差がありすぎて参考にならない。
取敢えず討伐部位と魔石の剥ぎ取りを教えて貰う。剥ぎ取り時間を短縮する事は凄く重要な事で、いくつかのパターンを教えて貰い実践する。ゴブリンの場合右耳が討伐部位なんだが、上から切るよりは下から切る方が早く、尚且つ引っ張りながら切る方が早い。個体によって引っ張る角度が違うため、左も練習がてら切る。
次に魔石の取り方なのだが、ゴブリンは素材として価値がないため心臓付近を切り取る。他の魔物は素材として価値があるためギルドで依頼した方が高値になる。どうしても必要なら殆どの魔物が心臓付近にあるからそこを切り取る。
因みに今回のゴブリンは左首から右の胴に向けて切られており、切り口から魔石が見えているため、簡単に取り出せる。ゴブリンの剥ぎ取り時間を5秒以上かけたら割には合わないため、そのように殺すようだ!耳に二秒魔石に一秒ってのが、高ランク冒険者の常識!
なんやかんやレクチャーを受けながら対応していると、ゴブリン五体が現れた。今度はクウガが対応したのだが、ゴブリン相手では稽古で言われた冒険者と騎士の違いがさっぱり解らない。取敢えず剥ぎ取りを頑張ることにする。
四時間程で百体近くなりこれ以上の荷物は持てない事で、一旦戻る。戻ると血の匂いに釣られてきた魔物から荷物を守っている三兄弟がいる。
急いで駆けつけクウガが俺を三兄弟に預けるとリーリンとクウガで魔物を仕留めて行く。二十分ほどで全部を倒し終え、リーリンが何かを燃やしている。
「何をしているの?」
「魔物の嫌がる匂いを発生させてます。」
さすが元冒険者、生きる術を良く知っている。
「せっかくの素材です。捨てるのも勿体ないので剥ぎ取りましょう」
まわりにはゴブリンが多数、狼が20ぐらい、スネークボアが3体の死体。台車に乗らない為に、狼の肉が安いから剥ぎ取りを行い、毛皮のみを持ち帰る。狼の剥ぎ取りを教えて貰いながらの作業だったため二時間程かかり、荷物もこれ以上は乗らないので、ビッグボアの討伐を諦めギルドへ向かう。
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