第15話 初のクエスト

翌朝アーロン、イーロン、ウーロン、リーリン、クウガを連れて徒歩三時間かかる森林と草原の境目に移動している。


 「クウヤ様、薬草には採取後乾燥させるのが主ですが、新鮮なまま使うものもあります。それから根っこが必要な物や必要ない物と……」


 現地に着くまでにここで取れる薬草「ご丁寧に絵を用意して」の事だけではなく魔物の事や注意点を聞いて、最後には、絶対指示に従うことを念押しされて終わった。それにしても良くここまで調べたものだ。

 他の護衛達は苦笑しながらも暖かい目で見ていた。彼らも訓練で同じ目にあったんだろな。本来であれば彼女は騎士として一番下なのだが、若くしてB ランクになったほどの腕、10年以上も冒険者として培った技術は、女性・年下・後からの入隊を抜きにしても他の騎士達も尊敬している。何よりも普段騎士としての行動は先輩達をたてた行動をしてるのも大きいだろう。


 「着きました。食事終えたら教えた通り採取お願いします。」


 絵と見比べながら採取を行い、荷台車に摘んでゆく、今回3台荷台車が用意されており、乾燥させる薬草は1台車、魔物をのせるのは2台車だ。乾燥させないのは帰りながらリュックに入れてゆく。

 今回の予定は夕方まで採取、3時間仮眠後森に入り討伐を行い。明日の朝にギルドに戻る。朝一のギルドは受付は混むが買取りの受付はそうでもないみたい。 

 採取間は四人が寝ていて、仮眠している間はアーロン、イーロン、ウーロンは森で討伐、クウガは見張り。仮眠後アーロン、イーロン、ウーロンが見張りで、俺、リーリン、クウガが森で討伐!


 「少し早く終わりましたね。せっかくなので訓練をしますか?」


 「はい。お願いします。」


 「今から軽く打ち込みますので避けてください。」


 何度か避けた後、一旦離れたと思ったら目の前で寸土目される。


 「最後もスピードは同じです。」


 「え?」


 「不思議そうですね。単純な話です。予備動作があったのか、なかったのかの違いです。魔物は基本的に予備動作があります、それに対して人は熟練者になればなるほど予備動作がありません。魔物相手には後の先、人に対しては先の先です。」


 成る程、魔物はカウンターで、人には先手必勝が効果的なのか!


 「今回知って欲しいのは魔物相手で討伐が出来たからと言って、人相手に通用するとは限らない事です。それでは仮眠を取りましょう。」


 四人を起こして、俺は冷や汗をかきながら眠りにつこうとしている。訓練であきらかに速度を上げて打ち込んできた、これはヤバイ、実力がばれると思い隙を見せた。その後、距離を置いての一撃。反応が出来なかった。その後の説明は納得ができ、勉強になった。だが、明らかに六歳(今年)の動きではない、怪しまれてないか心配だ。

 リーリンは悩んでいた。最初の一撃は普通なら避けれなくてもおかしくない。それを難なく避けた。徐々に早くしていき、E ランクレベルがギリギリ避けれるレベルでやっと限界が見えた。そこで一旦距離を置いて、予備動作なしの攻撃。やっと目論見通り出来た。他の人に見られる前に本人に教えとこう。

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