第7話 冒険者達①
「王都へ行ってみたいから護衛でも受けようぜ」
「おっ良いぜ。初護衛!」
「任せる。」
ギルド内の居酒屋で飲みながら話してるのはD ランクパーティーになったばかりの鋼の心臓の三人だ。
「おっ坊主達も王都へ行くのならこの護衛依頼を一緒に受けな。」
話をかけてきたのはAランクパーティーの慈愛の鬼のリーダーブローだった。
「ブローの悪い癖よ。他人の話に割り込むのは!ゴメンね坊や達。」
「いいじゃねーか。マーヤ。新人教育も先輩冒険者のあれだよあれ」
かっこ良く決めようとして、言葉が出てこない、いつものパターンだ。二人のやり取りを呆然と聞いていた。名前負けも良いところだ。
「それでどうする。」
再度聞かれて何とかリーダーが対応する。
「僕達が入っても良いんですか?」
「構わんから聞いている。」
「是非お願いします。申し遅れました、鋼の心臓のリーダージャンです。こちらがジョン、こちらがポチです」
リーダーに名前を言われて二人が頭を下げる。
「そんなに緊張すんなよ。よろしくな。明日の昼前に出発だから、今から一緒に飲みながら親睦を深めようぜ。」
半ば強制的に連れていかれて店の前に来て愕然とした。普段利用してる食堂よりも遥かに高いお店だ。
「すいません、お金が足りないので」
「気にしなくていいわ、うちのリーダーが連れてきた以上、出させるから!」
「おう、気にすんな。坊主共」
「「「ありがとうございます。」」」
中に入ると10人程すでに飲んでいる席がある。
「マーヤ後は、任せた。商人の責任者にメンバー揃った報告してくる。」
「えぇ、わかったわ、あそこの席に行くわよ。」
先に飲んでいる人達の席に案内され
、慈愛の鬼の残りのメンバーと他のパーティーメンバーを紹介されたのだが、残り二つの一つはB ランクパーティーの一騎当千だった。残り一つのパーティーは同じDランクパーティーの心眼の隼だった。少しホッとしてしまった。
翌日町を出てすぐに、貴族の馬車から1人かけてきて行商の責任者と話をして、そのまま隊列の真ん中に入ってきた。
「各パーティーのリーダー集まって」
行商の責任者に呼ばれ話を聞くと、王都まで同行する話になったため、貴族相手は全て行商の責任者が行う為に冒険者達は近寄らないように言われた。
「貴族が入って来るとか最悪だ」
悪態をついた一騎当千のリーダーに聞いてみた。
「何か問題でもあるんですか?」
「全員ではないが、大多数がいちゃもんをつけてくる。今後貴族の依頼を受けるならしっかり情報を仕入れて受けろよ」
話を聞くと運んでる物が割れたり、到着に遅れると報酬を減らすこともあり、最悪マイナスになって借金奴隷にされるケースがあるみたいだ。
今回同行する貴族は不明の為、関わらないのがベストと判断されたようだ。暫く進んで行くと、道をふさがれた。
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