第3話 領巡り

ステータスの確認を終えた後、村や町を案内して貰い屋敷へと向かった。町から村へは馬車で二十分程の場所だった為、全部村や町を見てまわる頃には夕方へとかわっていた。

 馬車の中で語られた父の話によると、村村で役割があり、畑・狩・魚で別れていて町で交換などをしながら暮らしているそうで、村の人達は犯罪奴隷や借金奴隷が主で、解放された人達は町へ移り住んでるそうだ。

 なぜ奴隷かと言うと、森に異変が起きた時、真っ先に襲われる為だ。早い話がジェット領は国にとって使い捨ての場所になる。


 「クウヤ、将来は村に住んで貰うことになる」


 食卓に着くと言われた言葉だ。ステータスが飛び抜けていたら、王都の騎士や魔術士もあり得たが、あの程度のステータスでは無理もない。


 「はい、父上わかりました。」


 「明日からは自由に領内を見てまわると良い。」


 その言葉を残し、書斎へと向かって行った。

 一人食卓で考える、三男の俺は成人したら平民になる。それならわざわざ学園に通う必要がない気がする。王との謁見後に勘当して貰ったほうがいい気がするが、それは難しい。世間体がよろしくない。

 ん~ん~と頭を悩ましていたらメイドから声がかけられた。


 「クウヤ様どうかなさいましたか?」


 「あっいや、大丈夫。」


 いそいで残りを食べて自室へ戻り考える。

 書斎では父が同じように頭を悩ましていた、言い方が悪いが三男をわざわざ多額のお金を払ってまで学園に入れるのがもったいない。運が良ければ貴族の娘と結婚(養子)などの縁談もあり得るが、あのステータスでは難しい。

 もう少し豊かであれば気にもしないが3人も子供が学園に入れていて財政がきつい、その上、来年には長女のシャーシャが学園に通い、長男のロンが卒業と同時に結婚して戻ってくる。結婚の相手も妾の子と言えドゥランダ伯爵の子だ。


 俺はベッドの上で考えていた、ミリー姉が今年から学園へ通い、来年はシャーシャ姉が学園に通いロン兄が結婚。

 この世界では嫁を貰うには相手側にもかなりのお金を支払う事になるが、今回は相手側からの無理矢理な結婚に近いためそこは相場より安くは抑えられるが、伯爵をここに呼ぶはけにもいかないから王都で開くとになる。

 王都に屋敷がない以上、伯爵の屋敷を借りて式を行う、結局お金がかかる。きっと借金とした形になるから将来的にはかなり厳しい。

 いろいろ考えているうちに眠りについていた。



 伯爵side

 決して妾との子供だからといって愛を感じてないはけではないが、第一婦人と第二婦人に内緒で、メイドに手をだして出来た子供の為、強い嫌がらせを受けていた。その負い目もあり、あまり愛を注げないまま学園に通わせる事になった。そこで辺境の男爵の嫡男に一目惚れしたのを知り無理矢理相手側に引き取るようにさせたのだ。

 自分がまいた種とは言え、厄介払いが出来たのと、万一辺境の開発がうまく行けば取り込むこともできる為、伯爵側としてはマイナスにはならない。

 男爵側も伯爵が年に4回行商を派遣してくれるし、繋がりも出来たから悪い話ではないのだ。次男のツモは剣の腕があり、卒業後は伯爵の騎士になる話も出ている。

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