第3話 ボークルードの人々

 ユレイは商品入荷のため、ボークルードの馬車置き場に来ていた。

 グルドの道具屋は特定の運送屋と契約している。今ユレイが話している少年・コルトはそこのバイトだ。

「で、ライカさんのことが気になってるわけっスよね、ユレイは」

「おい、誰がそんな話していた?」

 二人で積荷を荷車に載せ替えていきながらの雑談だ。ユレイとコルトは比較的年の近いバイト同士でよく話した。金色短髪、可愛らしい容姿、人懐っこい雰囲気のコルトは近隣のおばさま方にも大人気だ。

「でもユレイがそんなに誰かの話をすることってないっスよ? グルドの旦那の愚痴を除いては」

「今も愚痴だろ」

「うーん……、でもグルドの旦那に対する愚痴はなんというか義務みたいな?」

「……は?」

「愚痴を言うことで関係を保っているみたいな、そんな感じがするッス」

「…………」

 コルトはたまに鋭い発言をする。ユレイは『天地無用』と書かれた箱に手を伸ばしながら、

「じゃあライカに対しては違うって?」

 二台ある荷車のうち、片方の積荷を縛り終えたコルトはユレイの方を見ながら答える。

「普通に愚痴っスよね? それも考えすぎて思わず……みたいな?」

「恋する乙女か、俺は……」

 少なくとも恋ではないことはわかる。だがなんとなくコルトの言いたいことはわかってきた。

……意識は、してるな。

 あの件についてはまだ触れられていない。しかし、たまに向けてくるあの視線は、あの件を流しているわけではないという証左だ。観察されている感じもする。ユレイとしてはいつまた、あの赤茶色の眼で凄まれるかと思うと気が気ではない。

「それにしてもすごいッスよね、ライカさん」

 コルトが次の荷車にポーション類を積んでいく。ライカお気に入りのデトランド製も今回は多めに仕入れた。ライカのため、というわけではなく、今後『巣』のクエストに参加しに来るであろう上級冒険者たちに向けてだ。

「なんていったって雷魔法の使い手ッスもんね? 剣の腕もヤバイって言うし」

 魔法というのは、大きく分けて二段階のプロセスで行使される。

 一段階目は体内での魔力生成。生まれ持った魔力生成回路に生命力を通すことで魔法の源となる魔力を生成する。二段階目は大気中にある「魔素」と生成した魔力を反応させるプロセスだ。ここで望みの現象を起こすために制御が必要となる。

 魔力回路は筋肉のようなもので、訓練することで鍛えることができる。またその種類によって制御できる「魔素」が異なり、魔法の属性も変わってくるのだ。普通は一つの回路を持って生まれるが、二つ以上の回路を持っている人間もいる。

 「魔素」の種類は、「カロル(火-水)」「モゥタス(土-風)」「ルクス(光-闇)」「リテュス(治癒-呪い)」そして「ルジェ(雷)」だ。基本的に魔素はどちらの方向に反応させるかによってその現象を変化させるため、一種類の魔素につき、二属性の魔法が対応する。「カロル」なら激化させることによる火属性、停滞させることによる水属性、という感じだ。

 しかし「ルジェ」だけは一属性しか対応しない。そもそも……

「ルジェは他の魔素と違って、通常の地域には存在しない。特殊環境下だけにあるものだからな。だから雷魔法の使い手ってのは根本的にほかの冒険者たちとは異なるプロセスが必要だ」

 魔法は魔力と「魔素」を反応させることで行使される。では「ルジェ」がない場合どうするか。

「生命力からルジェの代替となるデミルジェを作るための“変換回路”。そしてデミルジェを生成できるだけの膨大な生命力が必要なんスよね?」

「まさに選ばれし者にしか使えない魔法って感じだ」

 雷魔法の使い手は魔力の使い方に長けている場合が多い。もともと魔法は「理論より感性」といわれる通り、感覚派の連中の方が強力な術を行使できる。ライカの場合、感覚派の中でもずば抜けている。だから身体魔法のレベルも高いのだ。さらには、

「<火-水><治癒-呪い>の属性も扱えると。ホント、物語の中に出てくる主人公みたいッスよねー」

 その通りだ。能力だけみれば英雄譚の中に出てきてもおかしくない。しかし、

……あんな奴が、主人公なわけがない。

 何かを得る意味などない。いずれ失うのだから。ユレイは、いまだにその考え方を受け入れられずにいた。


   ●


「コルト、昼飯どうする?」

 積荷を店の倉庫に運び終わったところでユレイは尋ねた。いつもなら、このまま店の調理場で一緒に食べる。

「あー、今日は帰るっス」

「なんか用事でもあるのか?」

 あっさりと聞けるくらいには近しい仲だ。

「用事というか……、ちょっとメシの世話したほうが良いかなってのが家にいて……」

 ? イヌでも拾ったのだろうか。

「何か拾ったのか?」

「あーはい、人を拾ったッス」

「なるほど、ヒトか……」

 ヒトってなんだっけ。犬の種類にそんなのがあった気が。

「いやないって! 人!? 人間拾ったの!?」

「あ、そうッス。なんか空腹とストレスで行き倒れたとかで……」

「いやいやいや。なんで拾ったんだよ、もといた場所に返してきなさい」

「えー、でもちゃんと世話するッスよー。ご飯あげるとすごい嬉しそうに食べるんスよ、今度見に来るッスか?」

 二人で茶番を繰り広げながら、ユレイは考える。

 コルトは変わったヤツだが、馬鹿ではない。鋭いところもある。だから本当に危険な人物であれば、適切な対処をするだろう。それでも一応確認しておこうと、

「ちなみにどんなヤツなんだ?」

「22歳位の男性、薄汚れた黒い服を着ていてアゴには無精髭。すごく疲れた眼で、あと猫背ッス」

 怪しすぎた。


   ●


 すでに店じまいした道具屋の中で、ユレイは二人のおっさんの飲みに付き合っていた。

「なァギルベルト、最近どうよ嫁とは? この前ケンカしてから仲直りしたのか、おィ?」

「したよ、した。ネックレス買って機嫌とったっての。おかげで今月の酒代が足りなそーだ」

「ガハハ、おごらねェぞ?」

 ギルベルトはボークルードのベテラン冒険者だ。目立った成績を残しているわけでもないし、特別凄まじい能力があるわけでもない。普段はグルドと一緒に馬鹿のことばかり言っては奥さんに叱られている。だが、いざというときは頼りになる冒険者。のはずだ。

「よーギル、嬢ちゃんはどうだ?」

「おーこの前8才の誕生日を迎えてなー、まだまだカワイイざかりだぜー? 俺が帰ったら『お父さんー』って抱きついてくらぁ」

「誰がお前の娘の話を聞いてンだよ。メイの方がはるかにカワイイに決まってンだろ?」

「ああ? やんのかコラ!」

「上等だオラ!」

 話が進まない馬鹿二人を横目に、ユレイはつまみの枝豆をかじる。ちょっと塩をかけすぎたかもしれないが、美味い。酒は飲まないユレイだが、枝豆は好物の一つだ。

「嬢ちゃんってのはライカ嬢ちゃんのことだ」

「あーライカね。って、“嬢ちゃん”とか言ってたら焼かれんぞーお前」

「おィおィ、A級冒険者さまが一般人に手をあげるわけねェだろ?」

「いやわかんねーぞ。この前もクエスト中、ライカと一緒に行こうと声かけたバカどもがいてだな。俺から見ても下心丸出しだった……あの無鉄砲野郎どもが……」

「どうなったンだよ?」

「絶妙な火加減で全員下着一丁になりやがった!」

 おっさん二人が爆笑する。

 帰りたい。

「つーかグルド、ライカのことならお前らの方が詳しいんじゃねーの? よくここ来てんだろ? むしろ冒険者組はあんまり知らねーぜ? アイツ一人で動くからなー」

「あン? そういうもンか。いやよ、なンかウチのバイトが嬢ちゃんのこと意識してるっぽくてな? 援護射撃でもしてやろうかとそう思ったンだがよ」

「ぶっは、マジか! おいユレイ! そーなのかよ!」

「黙れ酔っぱらい」

 急な飛び火に心底嫌気がさす。

……今朝のコルトといい、そんな風に見えてるのか?

 ありえない。

「おいおい照れんなよーユレイ! イイじゃねーか、お前もそういう年頃だろ?」

「本気で無いから、誰があんな女……」

「あ?」

 ギルベルトが不意を打たれたかのような声を出す。

「な?」

 そんなギルベルトに向かってグルドが「ほら見たか」とでも言うように声を飛ばす。

「珍しいこともあるもんだなー。さすがA級冒険者ってか」

「関係あンのか?」

「いやねーか!」

 おっさん二人が爆笑していた。


   ●


「で、実際クエストの方はどうなンだよ、順調か?」

 ようやく本題だ。ユレイもこの飲み会に参加しているのは何もおっさん二人の玩具おもちゃになるためじゃない。

 道具屋にとって、近隣の大規模クエストの進捗情報は重要だ。何を、どの程度、仕入れるべきが決まってくる。 ボークルードにはグルドの店を合わせて三つの道具屋があり、それぞれ規模が異なる。グルドの店は真ん中の規模だ。おそらく小規模の方は今回のクエストに合わせて特別に仕入れを増やすこともないだろう。だから、敵は大規模な方になるわけだが、

「あー、まだ聞いてねーか」

「? なンだよ、何かあったのか?」

 ギルベルトがグイッとジョッキに残っていたビールを飲み干す。すかさずユレイは空になったジョッキに新しくビールを継ぎ足した。

 ギルベルトは満足そうにビールを少し舐めると、

「“瘴気”だ」

 短く言い切った。

「“瘴気”だと?」

「ああ、黒いサルみたいなモンスター、『イビルウィンキー』って言うんらしいんだけどよ、あいつらが“瘴気”を吐きやがるんだ。もう何人も冒険者がそれにやられてる」

「サル……、ライカが倒した“中ボス”の眷属か?」

 ユレイがそう尋ねると、

「そうだよー、ユレイのお気に入りライカたんが倒した“中ボス”の眷属でちゅよー……ちょ、そんな睨むなって!」

「なんでまだそいつらがいるンだよ? “中ボス”は倒したンだろ?」

「すでに生まれていた眷属は消えないのさ、消える場合もあるらしいけど。しかもアイツら今まで隠れてやがってよー」

「で、急に出てきたそいつらの“瘴気”にやられたわけか……」

 ユレイはそうつぶやきつつ嘆息する。

「ギルドはすでに対“瘴気”ポーションを発注したぜ。デッカイ方になー」

 まあ当然だ。対“瘴気”となると〈ブロア〉が出しているものだろう。今回のクエストに向けてある程度の規模を発注となると中小の道具屋よりもある程度太いパイプを持った道具屋の方が安定する。

 グルドは悪態をつきながら、

「チッ、まあいい。一応ウチでもいくつか発注しておくか。この辺で“瘴気”なんてねェから在庫はゼロだしな」

 そう、ボークルード周辺で“瘴気”を出すモンスターやダンジョンはない。これが『巣』の恐ろしいところだ。異常現象ゆえに、普通では出てこないモンスターが出現する。その地域をメインにしている冒険者にとっては非常に厄介なのだ。しかし、

「ライカは? どう対処したんだよ?」

「まずアイツ、“瘴気”効いてねーんだよ。出てきたサルどもはあっさり斬ってたし」

 “瘴気”が効かない。それはおそらく上位の身体魔法の使い手ゆえだろう。物理的な耐久力だけでなく、呪いなどに対する抵抗も増強されているのだ。

 何にせよ、サル、『イビルウィンキー』に対してはライカが対処できるわけだ。

「ギル、お前はどうしたンだ? 逃げたのか?」

「おいおい、一応俺もベテランだっつーの。見ろよこれ」

 そう言ってギルベルトは首飾りを見せびらかしてくる。ドクロがモチーフの銀細工のようだ。マジックアイテムだろうか。

「抗呪効果を持つアイテムだ。たまたま効いてよかったぜ」

「運じゃねーか!」

「運も実力のウチだろーが!」

 おっさん二人が謎のテンションで乾杯をしている。

 抗呪効果というのは、呪い系の攻撃に対して防御・抵抗できる効果のことだが、呪いにもさまざまな種類がある。一つのアイテムが対処できる呪いの種類は限定的なのだ。今回ギルベルトが持っていた首飾りは、“瘴気”に対する抗呪効果も持っていたらしい。

……それにしても、アイテムなしで“瘴気”対応か、身体魔法はやっぱり便利だな。

 ユレイの身体は魔力に過剰反応してしまう。そもそも回路が弱いから関係ないといえばないが、仮に回路が使い物になったとしても身体魔法は不可能だ。別に身体魔法が使えないから冒険者になれないというわけではないが、それでもやはりライカに嫉妬している自分がいる。

……シェアラも使えるんだよな。

 有望株のシェアラも身体魔法の使い手だ。ライカには遥かに劣るだろうが、やはり彼女も冒険者としての才覚を持つ一人なのだ。

 ため息をつきつつ、窓から夜空を見上げる。

「……(おい、グルド、恋する青年が夜空を見上げながら溜息ついてんぞ)……」

「……(恋煩いか、若えェなあおい)……」

 ユレイは酔っぱらい二人に枝豆の房を投げつけた。


   ●


 ユレイがメイの「おつかい」に付き合っていると、角からライカが現れた。

 こっちに気づくと手を上げてくる。ユレイは手を上げ返すことせずにメイの肩をたたく。

「あ! ライカだ!」

「ただいま、メイ。ちょうどクエスト帰りでお腹が減っているんだけど何か食べるものない?」

 メイは「おつかい」で入手したものが入った紙袋の中を見て、パンを一つ取り出す。

「これ食べる?」

「ありがとう、いただくわ」

 ライカはメイの頭を撫でながらパンに齧りつく。

「子どもからカツアゲか。A級冒険者のくせに、買えよ」

「別にいいじゃない、何? 嫉妬?」

……誰にだ。

「メイからパンをもらえるワタシと、ワタシにパンをあげられるメイに。後者は今からでも遅くないわよ」

 まったくもって鬱陶しい。昨晩おっさん二人に絡まれつづけたと思ったら、今日は傍若無人A級冒険者だ。

「ライカ、服になんかついてるー!」

「ん? とって?」

「うん!」

 構わずパンを齧り続けるライカのズボンからメイが何かをとる。こういう光景はちょっと嫉妬しなくもない。むしろライカが来る前、そのポジションはユレイのものだったのだ。

……いつか失う、か。

 最近ではふとしたことからあの会話を思い出してしまう。ユレイ自身これではダメだと思いながらも、そう簡単にコントロールできるものではないのだ。

「ユレイ、これ何かわかるー?」

 自省しているユレイにメイがその収穫物を見せてくる。

 大ぶりの草だ。深緑色にところどころ特徴的な黄色の斑点がある。

「ペルシュぐさだな」

「?」

「薬草だよ。ポーションの原材料になることもある。確か渓谷に群生地があったはずだ」

「じゃあ渓谷で戦っている時に付いたのね」

「いる?」

「いらないわ」

 メイがその草を近くの草むらに捨てに行く。その様子をみながらライカが、

「随分くわしいのね? 道具屋で薬草なんて取り扱わないでしょ?」

「叔父がソッチ系の専門家なんだよ。今のとこでバイト始めるまえはその仕事手伝ってたから、覚えた」

「ふーん……、お父上は何してるの?」

 急に家族の質問。流れとしては自然か。不躾に感じてしまうのはユレイが過剰に反応してしまっているからかもしれないが、

「もういないよ。母さんもな」

 と、何でもないように答える。するとライカも目線はメイの方に置きながら、

「そう、ワタシもよ」

 不思議とユレイはそのセリフに驚かなかった。会話の流れが自然だったからか。なんとなく家族の気配がライカから感じられなかったからか。

 ――「すべてはいつか失われる。なら、何かを得ることに、何の意味があるの?」

 ライカはどのような思いでその発言をしたのだろう。どのようにしてその信念を持つに至ったのだろうか。

 そんなことを思いながら、ユレイはこちらに戻ってくるメイの姿を眺めていた。


   ●


 ユレイが家に帰ると叔父のウィルスが微笑みかけてきた。

「おかえり、ユレイ」

 その笑みは母さんに似た、人を安心させる柔和なものだ。

「ただいま、叔父さん」

 ウィルスは独り身だ。母さんによると初恋の人を忘れられないらしい。

 両親を亡くしたユレイを引き取り、見守ってくている。グルドの道具屋もウィルスの紹介で入ることになった。「叔父さん、何か手伝うことある?」

 ウィルスは書籍の整理をしているようだった。薬草やその他の植物に関する本の数々。仕事の手伝いをしている時にユレイもいくつか読んだことがある。

「いや、大丈夫だよ。ちょっと蔵書を整理しておこうと思ってね」

 近くにあった本を手にとってみる。『薬草の見分け方Ⅳ』と印字されている分厚い本だ。この本は読んだことがないが、『薬草の見分け方Ⅲ』は読んだことがある。イラストと説明が丁寧に書かれていて初心者にもわかりやすい本だ。

「ジャリトンとジャルトル?」

 なんとなしにめくったページに見知った名前があった。

 ジャルトル。確かトロア製ポーションの原材料にそんな名前の薬草がある。トロア製は質が悪い一方、価格は国内ポーションの中で最安値。そのため、貧乏冒険者向けにグルドの店にもいくつか置いてある。

「ジャリトンとジャルトルはよく似ていてね。それを見分けられるかが一流の薬草師とそうでない者たちとの境目とも言えるかもしれないね」

 実際、本に描かれているイラストはよく似ていた。解説が載っているとはいえ、ほとんど見分けがつかない。

……『Ⅲ』に載っていたのは結構わかったんだけど。

 どうやら『Ⅳ』からが本番らしい。他のページも見てみるとこれまたよく似た植物が並んでいる。

「ジャリトンは磨り潰して湿布に仕込むと良い痛み止めになるんだが、間違ってジャルトルでそれをやってしまうとひどくピリピリすることになる。アンジェヴィル地方によく生えているんだが、どうやら微量の呪い成分を含んでいるようでね……」

 ユレイもジャルトルについては知っている。

「確かトロア製ポーションは、ジャルトルの呪いをネネリケの枝の抗呪効果で抑えてるんだ。結局あまり質の高いポーションにはならないのだけど……」

「どっちも安値で取引されているね。上手く商売をするものだ。僕には全く考えつかないよ」

 〈トロア〉は最近経営が傾きつつあるという話があるが、それはまあ言わなくてもいいだろう。実際、ウィルスに商売が向いているとは思えない。良くも悪くも「良いひと」なのだ、ウィルスは。おかげでユレイもこうやって生きてこれた。

……結局、“瘴気”対策は違う店に取られちゃったわけだし。どうするか……。

 まあグルドに任せておけば何とかするだろう。一応自分の方でもネタを探しておこうと思いつつ、ユレイは自分の部屋へと戻っていった。

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