Case2 彼女の場合

 やった! 

アイツから聞き出してやった!

私のコト、好きだって!

私の気持ちも伝えてきたから、両想い確定。恥ずかしかったから、ついその場を離れてしまったけれど…。


 あっ、電話だ。お母さんかな?

「もしもし。」

 やっぱりお母さんだ。歩きながら話す。


 フワフワした気持ちから現実に戻る。


 今夜は深夜勤だから定期的な連絡だった。

「看護士って、大変な仕事だなぁ。」

って、私も今夜は一人で大変だけど。


 一人で夕食をって、一人で食器を洗って、一人で宿題をして、一人でお風呂に入って、洗濯物が乾いていたらたたんで片付ける。


 いくら一人の夜に慣れたと言っても、怖いものは怖い。ぬいぐるみを抱っこして、大好きな音楽を掛けて眠るまでの時間を過ごしていたけど…。


「お母さんしか居ないんだから、仕方ないよね。」

 立ち止まって、一人でうなづく。


 でも、これからはアイツと電話で話したり、メッセージを送り合ったり出来るかな? 出来るよね!


 寂しい夜も楽しみに変わるかも!


 そうして、私は玄関の鍵を開けた。


      終わり

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