41話 終わりない終焉/火中に一石を
夜通し、そこらで砲声が、雄たけびが上がり続ける――。
拭い難く竜に吞まれた多種族同盟連合軍基地は、喉元まで滅びが付きたてられたような、半分、竜の支配下に置かれたようなままで、……けれどぎりぎりで堪えていた。
扇奈やアイリス、そして方々に散っていた部隊がこの場所に合流したのが大きかったのだろう。防衛ラインはローテーションを組んで休息を入れられる程度には安定している。
ただ、一つ。弾薬に限りがあるという明確なデッドラインを無視すれば、この戦線は永遠に持つだろう。
逆に言えば、緩やかに滅びが近付いている………それが、この場所の、拭い難い現実だった。
*
「駿河鋼也」
弾薬の補給に一旦防衛ラインまで下がったその時だ。俺は、背後からそう呼びかけられた。
振り返った先にいたのは、黒装束のオニだ。
そういえば前、同じ格好の奴に殺されかけたような気もするが、少なくとも今は背中から刺す気はなさそうだ。もう別に、一々恨もうって気にもならない。
そんな事を考えた俺に、黒装束は事務的に伝える。
「頭領がお呼びです。一時、後退を」
「……遊撃支援は?俺の代わりはどうするんだ?」
「手配してあります」
そう言った黒装束の背後、そこにオニの部隊が見える。どこかで見た覚えがあるが、どこだったか。おそらく、前線に散っていた、機動力のある部隊の一つだろう。
とにかく、一度退いたからといって即座に崩れるような、そんな状態ではないらしい。扇奈が回収してきた前線の部隊が合流した結果、多少の余力は生まれたんだろう。
「……わかった」
そう応え、俺は銃声、トカゲの波に背を向けて、味方の奥へと下がっていった。
下がり際、俺と入れ替わりにやってきた部隊の奴が、見よう見まねのような不恰好さで、俺に敬礼をして来た。
やはり、どこかで見た覚えのある奴だな。
………思い出した。あいつ、前の大規模戦、戦域4-4で、俺が最初に拾った奴だ。
なら、問題なく多少、休めるな。どう考えても、あの戦場より今の方がマシだろう。あそこで生き残れる奴が今ここで死ぬわけも無い。
俺は、装甲の奥で笑みを浮べながら、敬礼を返す……。
*
何時間着っぱなしだったのか。“夜汰鴉”を脱いで、簡単な食事を受け取る。食糧配給所にも、見覚えのある顔がいくつかあった。食堂にいたオニやドワーフが、そのまま裏方の補給係をやっているらしい。勿論、この基地から離脱した奴もいるんだろうが………思ったよりも知った顔がいなくなっているわけでも無いのかもしれない。
まだ残っている天守閣。その中を、簡単な食事……乾パンを齧りながら歩んでいく。
単純に空腹だったからか、久しぶりに食べると案外旨い。桜も前……それこそこの場所に来た最初の頃に、美味しいとか言ってたな。
あれは結局、本当に美味しかったのか、それともお姫様が唯一頼れる、余裕のない馬鹿のご機嫌取ってただけなのか……後で聞いてみれば良いか。
勝って、胸を張って帰って、また桜に会う。それまで死ぬ気はないし、ここで多種族同盟連合軍を負けさせる気も無い。
考え様によっては、気楽なものだ。ここに桜がいない。いたら俺はもう少し余裕がなかっただろう。心配しすぎずに済む。
帝国でどうなっているかわからないが……革命は結局頓挫したって聞いた。“皇女”が活動してるって言うなら、少なくとも桜は今、乾パンよりマシなものは食べてるだろう。
今は、それで良い。それだけで。
そんな事を思いながら、俺はやがて、天守閣の頂上、この基地に来て最初に通されたその場所へと辿り着いた。
天守閣の頂上――その畳張りには、既に何人かの先客がいた。
「お、来たか鋼也」
そんな風に、扇奈が軽い調子で声を投げてくる。服は汚れているが、怪我をしている様子はない。
俺はその声に頷いて――そこで、その場にいたもう一人が声を上げた。
アイリスだ。どこかうんざりと言いたげな顔で俺の顔を見ながら、エルフの女は言う。
「……本当に戻ってきてるし。やっぱりヒトは馬鹿なのね」
「別に否定する気はないが、……俺も半分だけらしいしな。馬鹿さはお前と同じくらいなんじゃないのか?」
「個体差ってあるでしょ?私と兄さんは別」
「……口が減らないな」
「お互い様じゃない?」
そんな事を言って、アイリスは鼻を鳴らす。
と、そこで、声を上げたのはまた別の奴―――イワンだ。
「その位にしとけよ、坊主。ほら、扇奈が睨んでるぞ」
「今更、睨みゃしないよ。……チクりはするかもしれないけどねぇ、」
誰に対してか呆れた様に、それから笑みを零して、扇奈はそう言った。
ある事ないこと、桜に吹き込むって事か?……怖すぎるな。
「勘弁してくれ、」
……まったく、下らないやり取りだ。状況はいまだ切迫していて、すぐ傍から銃声は今も聞こえている。そんな状況下で、それでも下らないやり取りが出来る。
ここに呼ばれたのは特別場慣れしてる奴ばかりなのだろう。
扇奈、アイリス、イワン、俺……そんな4人に、招いた奴が一人。
「……もう良いか?」
うんざりと言った顔で、天守頂上、その奥に胡坐をかいた将羅は言った。
その場の全員の視線が、将羅を向く。
呼ばれたからには、何かしら用向きがあるんだろう――。
爺さんは話し出す。
「よく戻ったと、そういう労いは後に回す。状況は理解しているな?」
「いつも通り、トカゲと戦争してる」
そう応えた俺の後に、アイリスが言った。
「旗色が悪い割りに安定はしています。……ぎりぎりで」
……こいつ、目上には敬語なのか。今更そんな事を考えたところで、今度はイワンが口を開いた。
「ただし弾薬は無限じゃない。もって数日。体力が尽きるより弾が切れる方が早そうってのは、朗報なのかなんなのか、な」
そうイワンが肩を竦めた後、めんどくさそうに扇奈は言った。
「……で?爺、何をしろって?」
「<ゲート>を攻略する」
端的に、将羅は言い放った。
ゲートの攻略。竜の出所の破壊。それは、確かに、できればそれ以上はないだろうが……。
「……この状況でか?」
問いかけた俺に、将羅は即座に答えた。
「この状況だからだ。諸君らが認識している通り、この戦線はかろうじて保たれているだけに過ぎない。補給や援軍は、残念ながら期待できないだろう」
「オニの本国は動かないんですか?」
「この防陣の後方に新たに陣地を配置するそうだ。それまで粘れ、とのお達しだ。……あそこの奴らに緊張感はない。式典の方が大事なんだろう」
休戦記念式典………。まあ、なんであれ、この基地は実質見捨てられたらしい。
「だから、自棄になって反撃に出るのか?」
半信半疑とばかりにイワンは声を上げる。その声に、将羅は首を横に振った。
「むしろ、ここを失わないために、だ。現行の戦力で対面の竜を殲滅する事は出来ない。戦闘しながら、リチャードと輪洞が測量した。開戦当初から、対面の竜の総数は、殆ど減っていない」
「減った分だけ補充される、って奴かい……」
思い当たる節がありそうに、扇奈は呟く。その言葉に、将羅は頷く。
「そうだ。減りはしない。だが、増えてもいない。……おそらくだが、竜の戦力は、長期的視野では確かに無限だが、短期的に見れば有限だろう。その証拠に、これだけ膠着した状態に陥った後も、対面する竜の総数は増えていない。大規模増援も一度切りだ。アレで、余剰を使い切った可能性がある」
確かに、戦局を左右するレベルの竜の増援が現れたのは、あの、扇奈達が介入した陣地破壊の集団だけだった。
長いスパンで見れば、竜はそれこそ無限に現れるだろう。
だが、誕生なのか生産なのかは知らないが、その、新しい竜が生み出されるペースには限界がある。
現状の停滞は、丁度その折衷点にある、そういう話だ。明日まで待てば竜の数は膨れ上がるが、寡兵で送り続けている限りは、ストックが生まれず現状維持になる。
消耗戦狙いなのかもしれない。兵站の概念を理解していて、弾が尽きるまで膠着させる気なのか、あるいはただ単純に、勝てるはずの策がうまくいかず、子供の様に躍起になっているのか。
「予備兵力がないと仮定した場合、………<ゲート>の防衛戦力が低下している公算が高い。残念ながらその索敵にまで回す手はこちらにも無いが、……ここが攻め時と考えられる」
「留守の間に家を荒そうってか?」
どこか野次の様に、割りに楽しげに、扇奈は言う。
「そうなる。と、言うより、そのほかにこの防陣を存続させる手段はない。どうあれ、この戦域に勝利はないだろう。ただし、戦争に勝利できる可能性はまだ残っている。……尻尾を巻いて逃げ出すというなら話は別だが、逃げる気のある奴はここにはもう留まってないだろう」
確かに。逃げようとすれば俺は逃げられたし、扇奈やアイリスも包囲を突破したあと逃げても良かったはずだ。ノリノリでガトリングガン担いでたおっさんは知らないが、そもそも工兵、整備兵である以上、避難するタイミングはあったはずだ。
……話が繋がってきたな。
この膠着を維持したままに、別働隊が<ゲート>を破壊する。戦線を維持するためには、大規模に兵を動かす事は出来ない。少数精鋭で破壊作戦………。
「<ゲート>の位置は?」
「竜の密集具合から見て、やはり帝国軍第3基地の跡地だろう。<ゲート>は、その内部のどこかだ」
俺の問いに、将羅はそう端的に応えた。
「突っ込んでから探せ、か。破壊する方法は?」
「設置式の爆薬を用意してある。そうだな、イワン」
「おう。特注品よ」
ずいぶん準備が良い……というよりも、そもそもこうなる前から<ゲート>攻略の準備は始まっていた。竜に先に攻められたからこういう状況になっただけで、出来ている分の準備はそのまま利用できるって事だ。
そして、その話を俺達が聞かされたって事は………。
「わかった。<ゲート>を破壊する。………丁度帝国に用があるしな。帰り道の途中だ」
俺はそう言った。
この基地の防衛に必須ではなく、突破力と機動力があり、その上で帝国軍第3基地の構造を熟知している。俺が行くのが前提で、爺さんはこの話を始めたんだろう。
今更、俺がその役を嫌がるわけも無い。第3基地の<ゲート>を放置すれば、そのまま帝国の脅威にもなる。どちらにせよいずれ排除しなければならない戦略目標だ。
話は、シンプルだ。帰り道の途中に<ゲート>を破壊するってだけの話。
爺さんは俺を眺め……僅かに頷いた末、その場にいるほかの奴らに視線を向けた。
「……他の志願者は?」
「命令じゃないんですか?」
問いを投げたアイリスに、将羅は頷く。
「諸君らの殆どはあくまで客員だ。あくまで作戦の提案、という形になる」
「今更何を……ああ。客員だから捨てても困らない駒って事」
「それもある。防衛連携に必須の人材として数えていなかった、という言い方も出来る。客員だからこそ、他に帰る場所もあるだろう。無理に義理を立てる必要はない」
腹黒い打算を否定せず、同時に逃げても良いと爺さんは言う。
それを前に、アイリスは思案顔に……おそらく兄と協議だろう、僅か黙った末に、言った。
「……そうね。私達は他に行くとこないし。仮住まいでも、一応愛着はあるし。エルフは部隊丸ごと志願します。ああ、兄さんは残るそうですが。………今度は邪魔とか言わないでしょう?」
そう、アイリスは俺に視線を向けた。
邪魔………革命軍の野営地に向かう時の話か。あの時、確かに、手は取らなかったが、
「……そもそも、邪魔と言った覚えがない。好きにしろ」
「なら、こっちはこっちの事情で……馬鹿の自殺に付き合って、仮住まいに恩を売っておくわ」
相変わらず妙に上から、だが確かに、アイリスとエルフたちは志願するらしい。
と、そこで、声を上げたのはイワンだ。
「呼ばれたってことは俺も行って良いのか、爺さん」
「爆薬の説明役に、と呼んだつもりだったが……」
「なら、付いてって途中でした方が早いだろ?この基地も時間も、無限じゃねえんだしよ」
イワンは、ずいぶん付いてきたがっているらしい。そのおっさんを横目に、俺は声を投げた。
「ガトリングガンぶっ放して、血でも騒ぎ出したのか?」
「そんなところだ。……わかってて息子見送るのはもう嫌だしな」
……………。
息子、か。大方、
「……“夜汰鴉”の話か?」
「わかってんじゃねえか、坊主!アレに俺が何時間掛けたと思ってんだ?」
「……手間の分の働きはしてるな」
「だろ?……つうわけで爺さん。俺も志願だ」
そう言ったイワンを前に、将羅は若干、鼻を鳴らした。
「……良いだろう。客員だ。判断は各自に任せる」
呆れたのか、その割りに僅かな笑みを口元に、将羅はそう言って、やがて将羅の視線は扇奈へと向く。
その視線を前に、扇奈は肩を竦めて見せた。
「わざわざ答える必要ねえだろ?……あたしらが抜けて、ここは保つのかい?」
「もたせる。問題ない。人員は揃っている」
「どのくらい?」
「………備蓄を考えると、現実的には3日が限度だろう」
「じゃあ、3日以内にその門を壊さないとねぇ。……あたしの部下、志願したら連れてって良いかい?」
「お前の部下だろう」
「よし、」
そんな風に――わざわざ口に出す必要もなく、志願するとそんな意思を示し、扇奈は流し目をこちらに向け、……ふざけた様に言い放った。
「もうちょい、世話焼いてやるよ、クソガキ」
「……頼りにしてる」
そう答えた俺を前に、満足そうに笑い、扇奈は将羅へと視線を戻した。
「つうわけだ、爺。さっさと作戦を教えな。使うかどうか、あたしが判断する。時間はあんまねえだろ?手っ取り早く、な?」
その扇奈の声に、将羅は用意していたのであろう、作戦計画を説明しだす。
その計画は、今この瞬間の様に、危機が迫っていることを前提にしたプランじゃない。ここにいる軍全体で第3基地、<ゲート>を攻めるためのプランだ。そのまま活用は出来ないだろう。
だが、まったく利用できないわけでもなさそうだ。
……そういう、細かいのは、扇奈に任せても良いだろう。
話に耳を傾けながら、俺は視線を外へ向けた。
窓の外。銃声と咆哮が響き、停滞した戦闘が続くその夜の景色に、僅かに朝陽が差し込み始めていた――。
*
時間がないことは、確かだ。悠長に準備するような時間がなかった事も、確か。まさか豪勢に送り出されるなんて、そんな余裕があるわけも無い。
出発はその日の朝だ。ブリーフィングは道中で、準備もまた道中。
爆薬は俺が預かる事になった。荷重が増えても動きに支障が少ない。地の利、能力込みで、最奥に到達する可能性が一番高かったのが俺――。
そんな、合理的な理由だ。
仕事は単純だ。竜を突っ切って<ゲート>を発見し、その横に爆弾をプレゼントして、起爆までに離れる。ただそれだけだ。いつもと大して変わりないだろう。
俺達はトレーラで基地を出て、途中からは徒歩で、帝国軍第3基地へと向かう――。
来た道を戻っているような気分だ。実際、桜を抱えて通った道でもある。
あの時ほど寒くない。雪も、殆ど残っていない。
閑散と枯れ木が並んでいるだけの道のない道を、俺達は歩む―――。
「そういや、坊主。聞いてなかったな。どうよ、死装束仕様の具合は?」
「死装束?………白くないが、」
「けど、ほら、左側が付き出てるだろ?左前って言うんじゃねえのか?大和ではよ」
基地の命運を分ける決戦――な割に、向かうのは徒歩で、しかも道中は無駄話まみれだ。
ガチャガチャと、装備を揺らしながら………。
「……だからって、死装束はないだろ」
「あら、お似合いなんじゃないかしら?貴方、死にたがりでしょ」
「……否定は出来ないが、」
「今更縁起気にするタマか?それに、カッコ良いだろ?“
「……確かに」
「なに開き直ってんだい鋼也。……つうか、違えぞそれ。左前って、野郎なら肌に近い方が前だ。左側が突き出てたら逆だよ、逆」
「あら、恥さらしたわね、イワン。ドワーフも馬鹿なの?」
「うるせえな……カッコ良ければそれで良いんだよ。なあ、坊主。ロマンだろ?」
「……そうだな。丁度良い。死装束だと思い込んでる馬鹿だ。俺にぴったりだろ、これ以上ない」
「……鋼也。あんた、それ、自分で言うのか……」
そんな無駄話を、最後に。
視界が開く―――。
曇り空の下。
目の前にあったのは、いつか俺が、マストオーダーで後にした、その場所。
見慣れた基地に、何匹ものトカゲが、地面を埋め尽くすように………本当にこれで手薄になってるのか?まあ、今更、だから尻尾巻いて逃げよう、なんて選択肢があるわけも無いが。
始まりで終わり、そんな場所をまだ僅か遠目に眺めた末、俺は振り返った。
……背後に、仲間がいる。
扇奈、アイリス、イワン……だけじゃない。
志願兵は他にもいた―――扇奈の部下。アイリスの部下。イワンについてきたドワーフ。それから、……戦域4-4の生き残りのうち、許可が出た分の奴ら。
全員合わせても100人に満たない。中隊規模が精々で、そんな戦力で敵拠点に県下を売るなんて、まさしく自殺だ。
だが、これだけいれば十分―――十分だと、結果で証明して見せれば良い。結果を出す、以外の選択肢は存在しない。
振向いた俺へと、からかうように、扇奈が声を上げた。
「なんだ?おい、鋼也がなんか言いたいってさ」
「……誰もそんな事言ってない」
そう、今更言ってみたところで、仲間達の視線はもう既に俺に集まっている。
戦闘前に檄を飛ばせ?俺に?……どう考えても、柄じゃない。
……感謝の言葉でも述べるか?それこそ、柄じゃないだろ。
そもそも、こいつらはこいつらで、自分の事情で付いてきただけだ。俺がついて来いって言ったわけでも無いし、そもそも俺についてきたってわけでも無い。
この瞬間。基地が攻められているそのタイミングで、各々、自分の出来る最善を務めようとしているだけだ。
だから、俺が口にする言葉は………俺の事情だ。
といっても、馬鹿だからな。そう、複雑なことを言うわけも無い。
「<ゲート>を破壊する。勝って、生きて、胸張って帰る。………それだけだ。行くぞ」
そう言った俺の背後で、割と統一感なくばらばらな、気合の声が上がる――。
オニ。エルフ。ドワーフ。……それからヒトが一人。
統一感があるわけも無いが、目的は共通している。
それを背に、俺は、南部戦線帝国軍第3防衛拠点――竜の巣窟となった懐かしい我が家を見た。
勝って、生きて、………まるで英雄のような馬鹿をやって、土産話と共に桜の元へ帰る。
その為に……。
俺は、嗤った。
「………さあ、トカゲ狩りだ」
→裏演謳歌Ⅳ 鎮魂歌―レクイエム―
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890150957/episodes/1177354054892275609
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