第3話 先輩たちの裸

 高校一年に上がった時のこと。急に女の子のカラダが気になって仕方なくなった。中学から女子校で、付属なのでそのまま高校に上がったのだけれど、高校一年になり、部活の夏合宿のころ、急に先輩や同学年の友人たちのカラダに

目が奪われてしまう自分に気づいた。

 水泳部の私は、当たり前だけれど、日常的に女子の水着姿に接している。普通の人は、そのことには何も感じないだろう。私も中学の時は感じなかった。でも、高校の夏に急に新たな感覚が私の中で弾けてきた。胸の大きいA先輩、おしりが可愛いB先輩、太ももに触れてみたい同期のCなどなど、そういう感じで周りの女子の肉体が気になるようになってしまったのだ。ちなみに年下の中学の後輩のカラダにはあまりときめかない。

 周りの先輩や同期たちは、他校の男子や合宿の宿の係の若いお兄さんとか、男を見かけるたびにかっこいいとかなんとか、筋肉すごそうとか、時にはちょっとエッチなこととか、そういう話題で盛り上がるのだが、私は男の子を見ても何も感じない。むしろ普段から、学校でも街でも女の子に目がいってしまう。


 そんなことをはっきりと自覚してしまったのが高一の夏合宿の時だった。合宿の練習で水着に着替える時、妙に変な興奮を覚えてしまう自分に戸惑いを感じた。ちらっと見える先輩の胸やお尻。ウエストライン。そんなのは今までもチラチラ見えていたはずなのにこのころから、ときめいてしまうようになった。

 そして合宿で入るお風呂。みんな全裸なわけである。水着に着替える時は一瞬だったり、部分的にしか見えない(見ない)裸が、お風呂ではおおっぴらに先輩たちの裸が見えてしまう。というか見ることができてしまう。しかもチャンスをつかめばかなりじーっと見つめてしまうこともできる。

 ドキドキしてしまう私。興奮してしまう私。変な目つきで先輩たちの裸を見てやしないか心配にさえなった。練習の時、先輩たちのジャージ姿、水着姿を目にすると、お風呂で見かけた全裸姿が頭をよぎってしまう。だめだめ、そんなことを考えちゃ、と思うのだけれど。


 なんでこんなに女の子の体、特に裸が気になってしまうようになったのだろう。たぶんわたしの恋愛対象は女の子というわけではないと今まで思ってきた。でも肉体を見たくてたまらない。できれば触りたいとも思ってしまっている。自分にとって理想の先輩には裸で抱いて欲しいと思ってしまったりさえする。私、変態なのだろうか。こんな風に感じてしまう自分に大いに悩むことになった。



 

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