お笑いに例えてみる

長編小説が漫才やコントなら、短編小説は一発ギャグ。エッセイはフリートークだと思う。


作家活動のあれこれを無理矢理に芸人の仕事に例えてみると意外と面白い。


漫才やコントは導入から去り際まで事前にしっかりと練られて舞台上で披露される。一冊の本になる長編も同じで作家が長い時間をかけやっと出来上がる。大きな賞レースがあるところも似ている。


流行語大賞にもたびたび選ばれる一発ギャグは掴みが大切だ。短いながらもそのエッセンスから笑いや共感を誘うのか、または単なる音の響きや語感で心を揺さぶるのか。短編小説同様にその短く切り取った世界の中にセンスを詰め込むところが似ている。


番組MCや長く愛される芸人の特徴の一つにフリートークの資質がある。ゲストの人柄、相手の意図を見抜きそれに合わせられる能力はエッセイを書くに当たっても重要になる。世の中の関心を見抜いたエッセイは多くの人に読まれ、その作者への興味を直接高めてくれる。実生活でも身につけたい能力。


俳句や短歌は大喜利。

詩はリズムネタ、といえば少々安直か。


いろいろな芸風の芸人がいるように作家の作風もさまざまだ。

設定が作り込まれたコントを得意とする芸人がいれば、独特な世界観でじっとりと笑いを誘う芸人もいる。作家も同じで、巧妙なトリックのミステリー小説があれば純文学がある。


言葉で勝負する作家という人を尊敬する。同じく、狙いを笑いに絞って言葉と身体で勝負をする芸人を尊敬している。


すべり芸、リアクション芸についても当てはまるものがあるはずだけど、今は思いつかなかったので今度思いついたら発表しようと思う。

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